石巻市

Category: 東日本大震災
被災地リハビリ活動報告

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 5月26日と27日の二日間、長崎から古富さんと長野から小林さんの三人で被災地でのリハビリ治療活動をしてきました。私は今回が4回目の被災地訪問となりますが、毎回ハードなスケジュールでそのダメージが積み重なっているかのようです。ドンドンやつれていくように感じます。まーそれほど深刻なものではないので心配していただかなくてもいいのですが、相当のエネルギーを使います。何といっても、車で夜通し走ってほとんど寝ないで被災地活動ですので、おかしくもなります。ところが被災地ではテンションが挙がっているので、まったくもって元気に動けるのです。これは非日常空間がそこに広がっているからでしょうね。確かに被災地に行くその週はドンドンテンションが上がるのがわかります。ほぼ興奮状態で行くことになります。心待ちにしているといったほうがいいかもしれません。しかしその後がどんと来ます。今回も二日間はドッと疲れでまったりとした時間を過ごしていました。何をするにもゆっくりとスローになります。充電が必要なんだな~休息の必要性がほんとによくわかります。普段の仕事でも休息が必要ですが、過労と言えるほど追い込むことはなかなかありません。しかし被災地活動は極度の緊張状態にあるのかもしれません。スポーツ場面の緊張感はなかなか日常では味わえないように、被災地での活動や臨床も日常では味わえないものなのです。
 さて前置きが長くなりましたが、ということでなかなか記事が書けなかったのは充電していたこともあります。しかし二日もたつとまた新たなプランやアイデア浮かびます。もっとあーしたい、こーしたいといったことです。
意欲をイマジネーションが掻き立てられるのです。
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 さて夜中の3時半に菅生PAにて待ち合わせ。眠そうですね。長野からの小林さんは一足先に到着して仮眠。私は羽田に迎えに行ってから一路東北へ。今回のスケジュールは26日に石巻に入って、私はそのまま27日に南相馬、午後に名取市という計算でした。しかし随時臨機応変にというのがもっとーの私は27日にも石巻の活動を入れて2人に任せ、宿泊も石巻の公民館に急きょ決めました。本当は25の夜も27日も太白区の本多さんのところ泊めてもらおうかと思ったのですが、25日は1時間の仮眠にて直ぐに石巻に、そして26日は石巻の公民館に、27日にようやく深夜11時すぎに本多さんの治療院に辿りつきました。
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 石巻市は戸田豆腐店の店主であるご主人に連絡をとって治療ボランティアをさせていただくことになっていました。ご主人にFAXで要綱を送ったところ、それを打ちなおしてくれて新聞やラジオそしてNHKにまで話が回っていました。もちろん旭町の住人の方々にも全世帯がチラシが回していただきました。それが当日の2-3日前ですからその動きの速さはとても75歳の普通の自治会長さんとは思えません。何でもそうですが復興も仕事もそうですがスピード感が大切です。案内は前の記事にも書いていますが、ラジオでも流れたようです。これはえらいことになったな~とさらにお二人にプレッシャーを与えてしまったようです。この旭町は68世帯180人ということですが聞く人によってまちまちなので本当のところはわかりません。しかしこの地区ではお子さんが5-6人しかいないということです。つまりは旭町の大半は高齢者ということになります。近くに中学校があるので学生が歩いているので普通に子供が沢山いるのかなと思いきや、そうではないようです。既にこのあたりが東北全体の抱えている問題を浮き彫りにしてるように思われます。
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会場となった旭町 恒心会館。公民館ですね。市民の集会場となっています。震災時は津波で一階部分は浸水し泥が沢山入り込んでいたそうです。海から2-3キロ地点のこんも旭町にも濁流が押し寄せ、その濁流の中に海の魚が泳いでいたそうです。町の道路は人が歩けないほど瓦礫や泥が覆い尽くしライフラインも物資も10日あまり全く来ない状態だったようです。
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今回は支援物資をバザー形式で持ち帰ってもらうようにしました。今までは避難所などに丸投げだったのですが、選んでもらうという行為そのものが買い物に近い本来の姿だと思ったからです。我々も買い物に行って無駄なものを買ってくるように、何が必要かというのは本当にその時々で変わってきます。あれば欲しい、でも無くても大丈夫というようなものは沢山あるわけで、その人に寄って必要なものを選定してもらいます。軽井沢の人たちから多くの物資の提供がありメッセージつきで思いのこもったものもありました。全国、どこでも被災地を思う気持ちは一緒なんだと思います。被災地に行った人は臨場感のある体験をしますが、現地にいったことのない人たちと温度差はあって当然です。温度差というよりテレビや新聞と実際とは違うことを誰もが実感します。このことからも情報だけではわからない、目で見て肌で感じることで脳内にイメージが湧き、具体的な行動に駆り立てるのです。しかし、支援物資を募ると本当に多くの人たちの善意の心を感じることができます。被災地に行った人が変に遠慮してどうせわかってくれないんだという感覚をむしろ改めて、そのまま理解を求めようとするのではなく、今できるい事をして頂いた時にそっと感謝の意を表するようにしたいですね。古富さんは長崎ちゃんぽんを、私はビールを買ってきました。嗜好品が必要な時期だろうと思ったからです。やはり震災後一カ月は飲んで無かったようですが、その後は毎日飲んでいる人もいます。もともと酒好きの土地柄。本来の生活には欠かせないものです。

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18名の人たちが集まってくれました。町内への広報をしていただいた効果ですね。戸田会長に感謝です。
続々と人が集まってきます。本当に来てくれるのかな?受け入れられるのかな?どんな言葉をかければいいのかな?最初はいつも不安が先行します。お二人には午前と午後に膝と腰のリハビリについてレクチャーしてもらう教室を担当してもらいました。教室を開いて来てもらってそして個別で着ていくという流れにしました。多くの人が集いイベントがあることで少しでも楽しんでもらいたいという意図があります。ですから運動のための運動というより楽しみの集会のテーマがリハビリだったという趣旨です。ですから硬いお話はさておき、随所にお二人とも笑いを入れて盛り上がりました。
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小林さんのパフォーマンス。流石です。緊張すると言っていましたがいざ始まるとそこはプロです。しっかりとツボを押さえます。私は見学です。
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終わった後はバザーです。盛り上がりますね。
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午後からは8名でしたが、古富さんが腰のリハビリについてのレクチャーです。午前午後の間に個別のリハビリの予約を入れて対応しました。
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個別のリハビリ風景です。在宅の避難者は私も初めてです。今までは避難所が主だったのでどのような違いがあるのかを体感することも今回のテーマでした。生活不活発病という新しい概念が震災直後より言われています。いわゆる廃用症候群なのですが、役割を失う、家も職場も全て無くしてしまった意欲も・・・これらの称して廃用症候群という表現では無理です。運動不足はいまさら始まったことではなく日本全国誰もが抱えている問題ですが、特に避難所では動かなくなってしまうということは指摘されていましたえ。高齢者でデイなどに通っていた人が訪問リハを受けていた人が機会を失えば廃用が進むでしょう。しかし今回の在宅の場合は片付けや掃除などやることは山ほどある場所です。高齢者が多いとはいえ、掃除は各々がやらなけえば進みません。よって避難所での廃用とは趣がことなります。しかしながら、全体的に廃用と思しき状態が見受けられます。高齢者に限らず副会長さんなどまだ60歳代の復興の中心になって活動している男性においても例外ではありませんでした。どうやらこれは過労が原因のようです。過労症候群とでもいうのでしょうか。やらねばと、こんな時に睡眠栄養運動の三原則を守ってなどという悠長なことをいっていられません。非常時においては常識は通用しませんまたいつもの何倍もの力がでるものです。しかし、それは一時的な危機回避のための火事場の力であって、いつまでも続くものではありません。二か月あまりたって疲労が色濃く出てきます。疲労は筋の緊張を低下させます。また全体的に活動量というか反応が遅くなってきます。足を引きずるような動きになるのです。重たい身体をかろうじて気持ちでひっぱるような。私も三日間の活動において、疲労を気持ちとテンションによって先行させるのですが替えるとドッと疲れがでます。気持ちで身体を引っ張れるのは、それほど長くはありません。しかし被災地では2-3日というわけにはいきません。いつ終わるということのない取り組みが必要とされます。疲労は当然、身体だけでなく心労もあるでしょう。
 運動不足の廃用に対してのアプローチと、心労がメインの活動低下、過労がメインの活動低下。各々にどのように対処するかがポイントになってきます。運動不足は運動でいいでしょう。心労がメインであれば、一時忘れられる気分転換が必要です。やはり我々ができるのは呼吸と動きとリズムを取り込んだエクササイズにて対処できます。もちろん身体調整として疲労した内臓や呼吸循環系をエネルギーを満たすためのアプローチも有効です。内圧変動というものをキーワードにみていきます。各々に特別違った方法を用いるわけではないですが、各々の違いを認識しておくとその後の変化の指標が変わってきます。一律にエクササイズというよりも、どのような人たちが対象かを把握して取り組むことで、その場の空気の流れを読むことができます。
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