顎関節

顎関節開口路についての考察

 さて運動連鎖道場in宮崎の報告第三段となりますが、顎の開口路の問題について述べていきます。開口路の評価は歯科の世界でも多くの解析機器により詳細な軌道がデジタルで評価されています。我々臨床では測定機器はなかなか使えませんので、触診か視診で判断するしかありません。その開口の動態は本当に人それぞれで、単純な偏向だけでなくS時に戻ってくるもの、さらに顎がWクリックを呈するものなど様々です。またその軌道のカーブにも個別性があり最初の一押指ぐらいまでは左に寄ってそれから右へと偏向していくなど、あまり早く口を開けてもらうと見逃してしまう動態もあります。
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開口時の顎二腹筋の触察 
 開口時には顎関節では外側翼突筋が関節円板を前方に引っ張り誘導します。下顎のガイドは舌骨上筋の働きがメインとなります。触察していると左右の顎二腹筋の収縮、および顎舌骨筋もしくはオトガイ舌骨筋の左右差が見られます。その左右差も、この二筋の低下が同側だったり交差していたりと、個人差があります。交差しているパターンは複雑な開口路を辿り、S字状に大きく変位し明らかに下顎が偏向しているようです。開口時に下顎に少し抵抗を加え舌骨上筋を触察すると収縮に伴い筋腹が盛り上がります。その左右差を評価したり、抵抗時に筋肉を意識させて促通します。大抵は偏向する側の舌骨上筋の筋力と発達がみられ、対側は弱化しています。
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舌骨上筋に抵抗を加えて左右差を評価します
また舌骨上筋がとても強く、いわゆる開口力が強い人もみられます。舌骨上筋のバランスがよく力も強ければ綺麗な軌道を描くかというと、必ずしもそうではなくてやはり偏向が見られます。その場合は原因が咬筋と側頭筋のバランスであったり、頬骨や上顎骨のズレだったりします。筋肉のアンバランスという観点からいうと、外側翼突筋や内側翼突筋などの開口筋や側方移動に関与する筋群に左右差がある可能性があります。
 いずれにせよ顔面の非対称という観点から骨の調整および顎運動の偏向の変化を指標とすることの有用性は計りしれません。
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