頭蓋と咬合の運動連鎖アプローチ

運動連鎖道場in宮崎part4報告

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 2月6日、火山の影響かどことなく夕暮れの彼方がうす曇っているかのようです。車はどれも白く粉をふいたようになっています。口を覆うほどというような思ったほどの影響はありませんでしたが、空振があったりと宮崎市内では火山噴火は身近な出来事です。少し歩くと黒い革靴が白くなりますから、眼には見えない火山灰が沢山まったいるのでしょう。この時期に宮崎での道場でしたので開催を心配していましたが無事往復できました。写真の建物は研修会場となっている、「デイサービス そう・けん・び」で、接骨院も併設しています。オーナーは理学療法士で、近々二号店も出す予定だそうです。

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水色のポロシャツを着ているのが、みやざき運動療法勉強会 STEP 世話人 井上宏治さんです。思えば井上さんが丁度昨年の今ごろ、東京まで治療院に来られたことがきっかけで始まった道場です。宮崎での勉強会を立ち上げ、そして5回の研修会の開催のなかで多くのつながりができたことは誠に喜ばしいことです。最終的に大切なことは自らの考えで自主的に創造力を働かせて表現するということです。運動連鎖道場はそのきっかけにしかすぎません。知識や技術だけでは長くモチベーションをキープすることはできないのです。自らの創発意欲こそがセラピストとして躍進していける最大のカギなのです。左は5月8日に東京で「選ばれる治療家セミナー(仮)」の講師である伊藤力先生、右端は鹿児島から来られた鍼灸師の田中正剛先生です。田中さんは何でも今回参加されるにあたって、この運動連鎖アプローチ研究会のブログを全て読破して参加されたそうです。本当に独立開業されている人の猛者ぶりはびっくりします。世の中これほどまでに熱く臨床を患者のために尽くしている治療家が山ほどいるのです。それに比べたら私などはまだまだ軽いですね。これから多くの治療家との出会いの中で成長していきたいと思っています。

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並びを変えてセンターの女性はかねがねも日本一のデイケアー施設をつくることを公言している理学療法士の桑原さん。いつ会ってもその思いはぶれないですね。二号店の店長?に就任されるようです。その向かって左は3月から大阪の摂南総合病院に移ることが決まっている内倉さんです。内倉さんは福岡での身体運動学セミナーでの症例発表がきっかけとなっています。なんでもアクション出会いですね。宮崎は東国原前知事や巨人のキャンプなどで有名ですが、実は新幹線も通る予定がなく、高速道路もない意外に閉鎖的な土地柄なのです。インターネット社会とはいえ、本当の意味で気持ちが国境を超えるには環境などのきっかけが大切です。運動連鎖道場はそういった意味においては一つの役割を果たしたのかもしれません。そして閉鎖的な空間だからこそ溜めた思いがバネとなって伸び上がるのです。ハングリーな環境とはその後の飛躍のエネルギーであり助走なのです。最初から恵まれた環境では助走をとる必要がなく結果的に伸びない可能性があるのです。

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勉強会参加者は段々と増えてきて、今回は24名となりました。この流れを来年以降も続けていきたいですね。

 今回の勉強会のテーマは頭蓋と咬合です。最近勉強会のリクエストとして多くなっているように感じるテーマです。毎年のように時代の移り変わりを感じますが、2-3年前まではそれほど話題にならなかったテーマですが、昨年ぐらいから全体的に理学療法の分野でも広く知られるようになったように思います。若い世代を中心に、bodyworkやカイロプラクティック、オステオパシーなどの医療関係ではない専門家の人たちとの交流に違和感を感じなくなっているようです。私の時代であれば、プライドもあったのでしょう。なかなか医師などの医療関係者以外の人たちから学ぼうという風潮は全くありませんでした。それは経験年数が上の人ほど顕著だと思います。私自身は確かに新人のころから他分野のものに関心があって出かけていましたが、本当に稀でしたね。

 咬合と頭蓋の見方
 顎関節~上位頸椎~眼球運動
 頭蓋については頭蓋仙骨療法が有名であり、取り組んでいる理学療法士も多くなってきました。咬合においては頭蓋をアプローチすることで確かに改善しますが、ついで的な感覚は否めません。やはり歯医者の分野の知識をしっかりと学んでおくことで顎関節・咬合という観点からは大切です。何故なら顎関節は側頭骨に関節のソケットがありますので頭蓋をアプローチすることである程度の改善はみられます。しかしながら顎は骨や関節レベルの問題だけでなく、筋肉や頸椎そして噛み合わせの要因などが絡み合っているのです。
頭蓋療法における効果指標=咬合動態の変化頭蓋療法の指標として脳脊髄液の還流や内圧などの変化なども大切ですが、運動連鎖的には咬合動態の改善を常に指標とします。何故なら咬合の改善なくして頭蓋のアライメントの改善はありえないからです。頭蓋のアライメント改善はそこはかとない利益を還元してくれます。物理的な構造としての改善があってこそ、内圧的な改善を誘導しやすくなるのです。また物理的は変化は重心や正中重力線の変化にもつながり、自覚的にもわかりやすいのです。きれいな器のなかに脳が鎮座するからこそ、川の流れも滞らないのです。動力源としての循環力は横隔膜呼吸やリンパ血行を促すことで得られます。
 まずは評価手順を示します。大切なことは評価してアプローチするたびに顎の動態の変化を確認することです。

1.頭蓋顔面の評価
 ・顔面の非対称の評価
 ・頭蓋縫合面の評価

2.顎の評価
 ・顎の開口路の評価
 ・Clidkの評価
 ・頸部回旋との関係の評価
 ・関節突起を触知して開口
 ・開口時の後頭下筋の評価

3.頸椎の評価
 ・上位頸椎の回旋評価
 ・後頭下筋の緊張評価
 ・C7の評価

3.頭蓋顔面筋の評価
 ・咬筋の深層と浅層
 ・側頭筋の前腹と後腹の評価:筋突起の圧痛の評価
 ・顎二腹筋、顎舌骨筋、肩甲舌骨筋

4.顔面の評価
 ・頬骨のズレ
 ・上顎骨のズレ

5.咬合の評価
 ・早期接触の確認
 ・咬合干渉している歯を特定する

6・眼球運動
 ・追随運動の評価
 ・視る範囲の評価
 ・眼球運動時の後頭下筋の緊張評価

7.舌の動態

 顎のクリックや開口路の蛇行などは、人によって上記のどれが一番メジャーかが違ってきます。頭蓋と咬合をセットにして見ていくことは、ある新しいコンセプトと言えます。アプローチの度に顎の動態のみならず顔面の非対称や表情からみる印象などドンドン変化してくることがわかります。頬骨や上顎のズレは非常に多くみられる状態であり、また斜角筋の筋緊張や肩の前方突出とも関係してきます。評価として、どこの変化が起きやすいかを知識として得ておき、必ず確認することが治療効果を倍増させる要因なのです。感覚として楽になったということプラスパフォーマンステスト、スクリーニングにおいては変化があることを認識させること。これこそが治療効果を挙げる最大のテクニックであることを強調しておきます。
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