大阪リハビリテーション専門学校

大阪リハビリテーション専門学校 校友会 勉強会報告

頸部~眼球の運動連鎖

 
 前回の記事にも大阪リハビリテーション専門学校の同窓会主催の勉強家報告を少ししましたが、ここでの発見をもう少しレポートします。テーマは眼の運動連鎖とセロトニン神経についてなどでした。眼球が行為に及ぼす影響は言うまでもありませんが、大半は五感のなかでも視覚情報により行動が既定されてることが多いといえます。認知的な側面からみても、あらゆる錯覚があるように脳は視覚情報を加工して認識させているのです。このような無意識的な脳の情報処理作業だけでなく、運動連鎖の観点からも眼球運動はかなり大切です。
 視覚と上位頸椎そして上位頸椎と顎運動の連鎖が密接であることを考えても身体運動との関係性の深さがわかります。上位頸椎には後頭下筋群がついており、その細かな筋群のメカノレセプターの多さは身体内での随一です。つまりそれだけ繊細な動きに対して感受性があるのです。上位頸椎は頸部の回旋の60%以上を担っており当然姿勢制御にも関わってきます。全く首や頭を動かさないで顎の開閉をすることは困難であるように、開口にて喋る、表情をつくる、食べるといった動作そのものが上位頸椎との連鎖にて行われているのです。
 平たく言えば、ヘッドコントロールそのものが探索活動であり捕食活動になるということです。よって眼の動きに追随して目的動作が遂行され、また頭の動きに引っ張られないように眼球を定位することができるなどの眼球運動にはあらゆるシステムが内在されているのです。

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眼球運動をしながら後頭下筋を触知すると左右アンバランスな働きをしていることがわかります。よくあるパターンは眼球を外転させたときに同側の上頭斜筋の収縮がみられます。しかしながら、左右均等に筋活動がバランスよく確認できるのであればいいのですが、反対側への眼球外転運動時には上頭斜筋の収縮があまり感じられないなどの状態がある場合は、そっち側が見にくいなどが自覚的に感じられたりします。下頭斜筋や小大後頭直筋も左右差があり四筋がバランスよく働いている人は稀です。自分でも後頭部の生え際を触りながら眼球運動をしてもらうとよくわかりますので一度試してみてください。

 オステオパシーの世界では眼球運動を使ったマッスルエナジーなどは当たり前のテクニックですので、別段珍しいことではありません。ただ理学療法の世界では眼球運動を徒手療法にて利用するというモードがあまりないので、珍しく感じるかもしれませんが人の行為を考えれば眼球運動が動作に先行して、または連動して働くわけで身体の機能というシステムから考えると変化がみられて当然のことかもしれません。理学療法の世界でも最近はデモンストレーションとして眼球運動にて変化をだすというようなことがあるようですが、実際の臨床でも高齢者の姿勢制御の評価として眼球運動を取り入れると興味ある知見がでてきます。

前庭動眼反射
前庭動眼反射( vestibulo-ocular reflex :VOR)のメカニズム。視覚像がぶれないように、頭の動きに対応して眼球が反対方向に動く反射。内耳にある前庭器官が頭の動きをとらえて前庭核に信号を送り、前庭核が眼球を動かす筋肉に運動指令を送る。頸部回旋または身体の向きが変わったとしても眼の位置は定位できる。

例えばADLが低下した患者さんの場合、立ち上がり動作などの基本動作そのものに介助が必要です。また車いすに座っているときも傾いています。眼球運動を検査すると実はその傾きと同方向には動きやすいのですが、立ち直る向きには眼球運動は制限されます。つまり身体の傾きと眼球運動が同期している場合は、より中間位に立ち直ることが難しくなるのです。左右への動的な座位バランスをみるときに眼球がしっかりと前庭動眼反射にて戻っていればいいのですが、行きっぱなしになる場合は姿勢を保持できないということになります。

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眼球運動と蝶形骨の動態をみる実習。実は頭蓋骨の動きと眼球運動も相関している場合があります。眼下底を形成している骨は蝶形骨、頬骨、上顎骨、前頭骨などですが蝶形骨の割合がかなり大きいのです。頭蓋は瓦のように折なっていますので、構造的なアンバランスも眼球運動に何らかの影響を与えていることは十分考えられます。現に頭蓋を調整すると視野が広がったような爽快感が得られます。


大阪人は腰方形筋アンバランス!?セロトニン神経の活性化についての講義もしたのですが、メインは呼吸法になります。特に呼気を重視して意識的に行うことが必要です。また背中で息をするという意識も大切で、これは骨盤で呼吸ができるようになることが必須です。つまり骨盤の呼吸に伴う動態と横隔膜の背面を使って呼吸をするということは同義なのです。そこで評価をデモでやろうとするのですが、骨盤の歪みというよりも腰方形筋のアンバランスによる機能不全が多いのです。よく考えると大阪に降り断つと、東京の銀座の街のように姿勢がピッと伸びているというよりもどことなく崩れた印象をもちます。その崩れ方が大阪の独特の言い回しや気質にリンクしているように思うのですが、その印象の大元は腰方形筋のアンバランスが一役買っているのです。

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荷重側の腰方形筋を意識して反対側の骨盤を下制させます。そこで肩が下がる人が多いのですが腕を挙上してストレッチするテイストを入れることで本来の正しい腰方形筋の使い方による連鎖を学習します。

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座位でよくやるバランス運動ですが、これも坐骨を浮かさない意識で行います。

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腰方形筋の確認は背筋の裏側を触り収縮してもらうと、横に張り出すように腰方形筋が出てくるのがわかります。

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もっと簡単に動作上でやるには、横歩きです。横歩きで骨盤が浮かないようにモニタリングできれば、自然と正しい腰方形筋の使い方を学習できます。

ということで大阪の皆さん!!腰方形筋のバランスを是正しましょう!!
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