scapula stability

scapula stability 2


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肩甲骨のstabilityとは貼り付けることだと力説しましたが、写真は肩甲挙筋を促通しているところです。一般的に肩甲挙筋の緊張が高いと肩甲骨が挙上してしまうように思われがちですが、実際のところは僧帽筋の緊張が高くて廃用に陥っている場合が多いのです。肩甲挙筋を促通すると挙がっていた肩が下制し僧帽筋の緊張が落ちる事実をもってみても、肩甲挙筋が正常に働かないがゆえに僧帽筋の緊張が高まってしまって肩コリにつながっているとのです。自動的にはゆっくりと肩の挙げ下げをしてもらうということになりますが、なかなかうまくできな人のほうが多いです。そういった時には写真のように他動的に肩甲骨を挙上位に把持し、最終域からスタートポジションんみ徐々に戻していく。つまり戻っていく過程で最小限の力で肩甲骨を保持しようとする、eccentricな働きを促すのです。
 この最終可動域に他動的に誘導してから戻していくテクニックは、身体のあらゆる部位にてインナーを抽出して収縮させる時に使えます。普段、意識に上らないインナーマッスルを促通するということは、消去法にて促通するのです。つまり運動の初動から自動で動かすと間違いなくアウターが入りやすくなります。つまり筋の収縮感覚をもって運動を遂行しようとするからです。ところがよく自分の関節運動を内観してみると、アウターの筋肉にて収縮感とは実感しており、インナーにおいてはほとんど意識下することはできません。視覚的にも見えない筋肉の存在を筋の収縮感覚だけをもって、リアルにその形状や長さを正確に自覚すること不可能なのです。解剖などの知識としてそこに存在を知っていることで使えているような感覚になるだけであって、学習していなければ存在自体は感覚だけではわからないのです。この肩甲挙筋が肩甲骨の上部のstabilityを担っている筋群の一つのようです。

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代表的な使い方としてはクラシックバレーがあります。上肢を挙上しますが肩甲骨は挙上しません。極力肩甲骨の挙上を抑えて上肢挙上をするのです。その時にさらに伸展領域まで上肢を反らそうとするときに、上部のstabilityが必要になってきます。

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このような柔軟性は確かに脊柱そのものを伸展性も大切ですが、肩甲骨が誘導してこそできる技なのです。肩甲骨が浮いてしまえばとたんにアウターが緊張してしまい、運動そのものを阻害してしまいます。怪我のもとということです。あくまで肩甲骨が胸郭に張り付くようんに滑ることで特に屈曲運動においては上部が働くことで遂行できるのです。

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アジア大会で二冠に輝いた福島千里選手。女子で100m11秒2代を連発すること自体驚異的です。一昔前なら女子は11秒7~8でとどまっていました。高校でピークを迎えその後伸びないというパターンが本当に20年ぐらい続いていたと思います。前半に高速回転のピッチで加速し逃げ切るスタイルです。スタートから序盤の走りは本当に驚異的で筋骨隆々とした外国選手と比べてもスレンダーでカモシカというよりもネズミのようです。仙腸関節から腰部が抜群にバランスがよく、本当にズレていないニュートラルな仙腸関節をしているものと思われます。それが股関節の無駄のないピッチとなって刻むことになります。しかしながらです、肩甲骨が今一つ使えていないので後半に追い込まれます。写真でみても肩が飛び出たように見えると思いますが、多くの写真をチェックしても全て「いやいや走り」になっています。つまり肘が腋に密着した状態で腕が左右に「いやいや」と振っているのです。軸を重視して走るタイプですので序盤はバランスがよく加速します。しかし同じ走法では足が続きません。動力源が高速回転だけでも後半失速するのです。そこで肩甲骨の動力源を最大限に中間疾走から後半にかけて動員し、失速を最低限に抑えなければいけません。軸とstabilityは抜群ですので、あとはピッチの中に間が作れるような走法が必要です。結局どんなにがんばっても無酸素パワーは7秒しか続きません。100mであっても10秒以上かかるわけですので、そのなかで休むphaseが必要なのです。それも動きながらです。脚ばかりに頼っていては乳酸がたまって動かなくなります。そこで肩甲骨が登場します。千里選手は肩甲骨の内外側のstabilityは抜群です。よって肩甲骨の固定制があるからこそ肘から左右に「いやいや」振れているように見えるのです。しかし、その「いやいや」が強調されたときは後半の失速が顕著になるときです。よってまだ上の写真はのびのびしてるほうですね。

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 100mの後半追い込まれて0.01秒差で辛くも逃げ切った試合です。並びの選手は既に35歳ぐらいだったと思いますが筋骨隆々でグイグイと押しこんでくる走法です。直線的な福島選手と捻じれの動力を使う外国の選手という構図になります。最初から捻じれいては加速において無駄になりますが、トップスピードにのって慣性が働き乗っているときには、捻じれや肩甲骨の動きがさらに動力源として助けてくれます。ジャマイカや黒人のトップスプリンターはこの両方が兼ね備わっているのです。
 最近、私も走っているのですが、本当に走りとは肩甲骨がスイッチになって骨盤や下肢の動きと連鎖していることがわかります。足で走るのが当たり前ですが、骨盤もしくは体幹で走る、さらに肩甲骨で走るというイメージも有効です。ちなみに肩甲骨のstabilityは上部、下部、そして左右(内外側)がありますが、上部を意識すると足関節の背屈や腿上げに、下部を意識すると蹴りだしと連動してきます。本当にスイッチなのです・・肩甲骨は。
 今後、福島選手が11秒1台の世界に入ってくるには今の安定したぶれない走りの良さを維持しつつ、肩甲骨の体幹かセパレイトした動きと連動した仙腸関節の動きによる分解が必要です。たかが0.1秒ですが全く違ったイメージになるぐらいの動きと意識改革が必要でしょう。
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