インソール

インソール

 運動連鎖道場ではインソールを項目としていれています。そのニーズはとても高く、スポットとしてインソールだけに来る人も多いぐらいです。それだけ入谷先生が理学療法のなかに導入したといってもいい、機能的な観点からの理学療法独自の足底板療法への関心の高さ、そして臨床でのインソールのニーズの高さを物語っているものと思われます。

矯正か適応(誘導)か?
インソールを考えるときに、まず根本的な理念として矯正として使うか?誘導もしくうは適応させるために使うか?ということがあります。アライメントという考えかたからすると矯正ということになります。既存の理学慮法の考え方は、身体とは骨組があり筋肉や靭帯が肉付けしていくというものです。つまり建物のように物理的な構造として姿勢が構築されているというものです。その場合は物理の法則にのっとって合理的な治療法方法が選択されます。論理的で理路整然としているため、とても魅力的に思えます。多様性のある人間に対峙するには時に難しさを感じるものですが、物理的な思考に基づいた考え方は机上の法則にて展開できるため煩わしさが省かれるかのようです。もしロボットであるならば、この物理的な思考もしくは力学的な考え方のみで網羅できるでしょう。しかしながら、脳に支配される人間はロボットではありません。あらゆる情報処理をされながら姿勢制御されている身体は物理的な法則のみでは語れない多様性を有しています。足に楔を入れることで傾いたままであれば、身体は倒れてしまいます。そこで回転モーメントが働くことで保持するのですが、その時に働くメカニズムが立ち直りであり平衡反応であり、それを司っている器官は筋肉ということになります。しかしながら、その姿勢制御のぽパターンはあまりにも多様性があり一律ではありません。ただし基準となる考え方から派生させていくことが、思考としては大切です。しかしながら、この姿勢制御のパターンは時系列でみれば変化してくるので、当てにならないという欠点があります。またこの姿勢制御の最たるものが歩行になりますが、この歩行分析が一様でないという最大の欠点があります。一様でないというのは評価者の個人差が大きいということです。眼が大切であることは確かですが、この眼の基準がないのです。何をもって正しいとするか!!最終的には結果をもって良しということになりますが、やはり歩行分析には新たなツールが必要でしょう。解析機器による客観的な指標もその一つでしょうが、眼によるアナログベースでの根強いこだわりもわからないわけではありません。
 関節機能の問題を考えた時に、矯正という考え方はとても難しい問題をはらんでいます。一般的に理学療法では評価として関節変位があったとしたら、その改善方向にダイレクトに操作しようとします。考え方は何ら間違っていません。ただしアプローチとしては適切ではありません。例えば膝が内旋していれば外旋に、屈曲していたら伸展にという具合です。膝でいうと屈曲位にあるものを伸展方向にぐいぐいと押しても、直ぐに改善することはありません。むしろ負担になるだけです。短縮している組織や関節を伸ばすという発想も間違ってはいませんが、効果は薄いものです。ストレッチの生理的な機序も明らかにされており、関節可動域制限の原因も関節包や筋であることも間違いないことであり、アプローチもその制限を評価に基づいてアプローチすることによって結果がでるはずです。しかし、事はそう簡単ではない。もし、単純なロジックにて機能障害が改善していたならば、これほどまでに多くの治療方法や考え方は出なかったでしょう。筋膜や皮膚までタッチングのモダリティーが増えるなどということもなかったでしょう。ストレッチのみで全て解決したはずです。しかしながら、評価に基づいてアプローチするならば間違いないはずが、実際はそうではないという矛盾を解決するためにはアプローチ方法の多様性が必要となってきます。
 インソールでいえば適応させるという考え方がとても大切になります。矯正そのものは時として大切ですが、大きな変化を強要することにもなり、身体が適応できなくなる可能性がるからです。もとあるアライメントのままに最大限に働きやすい状況に導こうという考え方が最もリスクが低くて患者の適応の時間を与えることができます。この現状の機能的なアライメントというのは、運動連鎖アプローチ研究会ではニュートラルポジションといっています。このニュートラルというのは解剖学的に正常な教科書的なものではなくて、あくまでその人なりのニュートラルです。このポジションは治療の開始ポジションにもなり、機能的なポジションともなります。マルアライメントを直接矯正しようとしても難しいように、機能的に働きやすい環境にすることで筋活動を賦活し結果的にアライメントが戻るようにしむけるのです。つまり順応を促すということです。マルアライメントのままで働かせることに疑問をもつかもしれませんが、このマルアライメントも結局姿勢制御の立ち直り反応などが修飾しているため、完全にマルアライメントにいってしまっているわけではなく戻そうとするモーメントが混在しているのです。この相拮抗したモーメントは筋緊張という弊害を生み、結果的に機能障害につながります。しかしながら、このマルアライメントをリバースのかからないポイントを作ってあげることで、マルアライメントなりに活動が高まり、それが放散作用となって筋活動を促通するのです。筋活動が放散されると関節のズレなどは是正されてきます。直接的に関節を戻そうとするよりも、筋活動を賦活することで結果的に関節を戻そうとするほうが順応としたは高いレベルにあるのです。
 
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