肩こりと肩甲挙筋

肩こりと肩甲挙筋

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骨格筋の解剖:河原郡大 編著.エンタプライズ より抜粋 

 肩凝りの原因となる直接の筋は僧帽筋と肩甲挙筋になります。しかしながら、じつは肩甲挙筋の機能不全である可能性があります。つまり肩甲挙筋が働いていないため、僧帽筋が緊張せざるを得ないということです。肩甲骨は安静時の位置から挙上と下制が出来なければいけません。つまり、正常な筋緊張であれば上下への柔軟性が保たれているのです。しかしながら、僧帽筋がいわゆる緊張して肩こりにある場合は挙上位となつており、下制できなくなります。いわゆる上がりっぱなしになるのです。肩甲骨が挙がりやすいのは、抗重力の関係から仕方がないことです。両手がフリーになるという事は、僧帽筋に負担がかかるわけでこれは宿命ともいえます。インナーとアウターの関係はあらゆる部位でみられ、肩甲骨の挙上においても例外ではありません。うまり僧帽筋の緊張が上がりっぱなしでは肩甲挙筋が廃用になつてしまい、機能不全に陥るのです。肩甲挙筋が廃用になると、筋肉としての柔軟性は損なわれ、スジばった様になります。つまり筋肉としての粘弾性が失われ、さらに僧帽筋の負担が高くなるのです。僧帽筋は持続的に収縮を余儀なくされ、凝りになるという事です。
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保健医療科学研究会主催のセミナーを11月13日コンベンションルーム AP横浜駅 西口 D・E室(神奈川県横浜市)にて開催していただきました。テーマは「運動連鎖アプローチから考える筋活動と関節運動」です。肩甲挙筋の促通です。

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120名もの参加者が集っていただき、皆さんで実習です。運動連鎖に対する関心の高さがうかがえます。

 僧帽筋は本来は肩甲挙筋と連動して肩甲骨を吊り上げており、生理的な筋緊張にて上肢帯を支持できるようになっています。僧帽筋が他の筋に比べても広大な筋面積を有しているのは、上肢帯という日常的に負担がかかる肢節を保持しなければいけないからです。生理的な筋緊張にて僧帽筋を維持するのは至難の技です。何故なら、心理的な緊張により容易に肩甲骨は挙上してしまうからです。何故、心理的な緊張により肩が上がってしまうのか?僧帽筋の支配神経は副神経で上位頚椎の髄節になります。肩周りの筋肉がC5から下位頚髄節の支配であることを考えれば、上位頚椎の髄節である僧帽筋、胸鎖乳突筋、横隔膜などはかなり特殊な筋肉である可能性があります。まずダイレクトに呼吸に関わっている横隔膜は脳幹にある呼吸中枢からの影響は間違いなく受けているでしよう。筋肉の支配神経とは別のルートで横隔膜は影響を受けるわけで、結果的に横隔膜の緊張は同じ髄節である僧帽筋や胸鎖乳突筋の緊張を誘発します。僧帽筋と胸鎖乳突筋の緊張は頚部の伸展と肩甲骨の挙上を誘発させます。この収縮を持続的に保持するのは困難であるため、頭を前方位にする事で緊張を緩和させます。いわゆる猫背と言われる姿勢の完成で頚椎の骨性、靭帯性に支持できるようになることで筋肉の負担は一気になくなります。しかしながら、この骨性支持は生理的な筋緊張さえも失わせるため、伸びきってしまうのです。つまりelongationです。筋肉は最適な筋の長さにあることで、始めて効率よく筋力を発揮出来るわけですので短縮位であろうと伸長位であろうと僧帽筋に凝りを作るのです~。また猫背を嫌って姿勢を良くしようと意識する人は、肩甲骨が挙上位になり、肩幅が広く見えます。

 肩甲挙筋は肩甲骨挙上位では凝りがある状態で、下制位では廃用になり萎縮が起きてしまいます。いずれにせよ、機僧帽筋の緊張によるその後の姿勢変化によって決まってきます。
ストレスなどの心理的な緊張は交感神経を刺激し、胸椎をフラットにします。肩甲骨は卵型である胸郭のなだらかな斜面に乗っかっているはずが、フラットになる事で、滝つぼに落ちる様にずり落ちることになり、ますます僧帽筋の緊張が高まります。
いずれにせよ胸椎という問題はありつつも、筋肉のアンバランスば結果的に起きるわけて、結果的に起こったことであつても、直接アプローチしなければ解決しないのです。肩は結果が原因になりやすい部位ともいえます。
 実は二足直立の抗重力に適応するということは、テクニックが必要なのです。だから多くの健康体操やボディーワークがあるわけで、自然にしていてはあらゆる弊害を引き起こしてしまうのです。
 例えば、座位です。二足直立になったからこそ獲得したあらたな動作なのです。そもそも立位でこそとれていたバランスなのに、座骨支持という新たな行為を獲得したが為に、重心がいわゆる丹田に収まらないで上半身重心のある胸椎レベルに引き上げられてしまうのです。重心が下腹部に収まっているからこそ、
 安定していた身体が、座位にて重心が上がってしまうことで肩甲骨が挙上してしまうのです。ましてやコンピューター社会の現代であれば尚更です。座位にて作業することで益々肩が凝ってしまうという悪循環です。
座るという新たに獲得数した行為は、身体にとつて不自然な姿勢です。よつて普通にもたれ掛かって居たのでは、間違いなく身体に何らかの歪を引き起こします。立位だつてできれば骨や靭帯にもたれ掛かって支持したほうが楽なのです。しかしながら、それでは椎間板などに負担がかかってしまう為、スタビリテイーなどの概念が出て来て、挙句の果てには商業ベースにまで乗ってしまうのです。

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