ノーベル賞に思う

Category: 多事総論
ノーベル賞に思う

少し前のことになりますが、ノーベル化学賞にお二人の日本人が同時受賞されました。日本の研究が世界標準で認められた画期的なニュースです。今の成熟した日本の世の中、また学歴や勉強そのものが社会的な価値観から外れてきた時代において、地道に研究活動にて成果を出している科学者が沢山いること自体が少し不思議な気持ちに成ります。もちろん多くの研究者がいることを知ってはいますが、その途方もなく遠い道のりと報われるかどうかもわからない研究を続ける価値観というものが、時代の風潮と少しかけ離れた世界に見えて来るのです。江戸時代の文化文政時代は町人文化と呼ばれ、面白おかしく暮らした時代とのことです。いわゆる幕末と言われる時代の50年ほど前にあたり栄えたその町人文化により、諸外国から見た日本人はとても明るく愉快な人たちであったということで、なんとなく意外な気がしました。現代も大衆文化が栄えお笑いブーム真っただ中ですが、愉快な人たちかどうかは少し違うように思います。子供たちの笑いが絶えない、一度笑いだしたらとまらないといった形容をされる文化文政時代。けっして豊ではなかったようにも思うのですが、その生き方に悲壮感はなくとても幸せであったということなのでしょうか?しかしそんな時代も幕末になって一新するのは知ってのとおりです。まさに時代は幕末の再来なのかもしれません。お笑い大衆文化は長らく君臨していますが、時代の右肩下がりのイメージと既に逆行しています。お笑いがストレスの解消になっているのかどうか?大衆が本当に心底お腹の底から笑っているのか?お笑いでさえもレベルが挙がったことにより、より巧妙でスキルも挙がった分、眼が超えた一般大衆は審査員のような判定を下しながら見ている可能性があります。たまにリハビリでとても可愛いご高齢のいわゆるお婆ちゃんがいますが、無邪気で本当に楽しくさせてくれます。難しいことをとやかく言うのではなく、とにかく単純だけど笑顔が素敵な弾けたようなキャラです。もしかしたら文化文政時代の流れを引き継いでいる人たちなのかもしれません。まだどこかに残っているはずだからです。
 さて、ノーベル賞を受賞された先生方のコメントは本当に含蓄があります。今回は根岸氏と鈴木氏が受賞されましたが、新聞のなかでも本当に我々にも参考になるコメントが多々ありますので列記します。
「多くを学んだが、師の後を追うだけでは受賞できなかった」
「(師である)ブランン教授の研究を何倍にも発展させた」
師であるブラウン教授の言葉「教科書に載るような研究をせよ」
「世界からの注目されなったことが、改良の時間を与えた」
「基礎的な能力を持ち、正しく夢を持って50年追い続ければ、夢が実現する可能性は高い」
「自分の任務は半分達成したところで、まだ研究を続けたい」根岸氏75歳
「賞金は研究を続けるために使います」
「革新的な研究でないと意味が無い」
「細かな応用よりも、物質の本質をとらえたオリジナリティーがあり、汎用性に富んだ研究こそが大切なのだ」
「うまく進まない化学反応をいかに進めようとするか、という強い意志が必要」
若者の理科離れへの懸念「極めて深刻な問題。研究の楽しみ、新しいことを発見する楽しみを味わえる環境づくりが必要なのでは」
「苦難を克服して新しい価値を見つけるという気持ちをもってほしい」
「特許を取らずにたくさんの人に使ってもらったほうがいいんだ」

 最近は研究者も海外にでて活躍する人が減っているとのことです。根岸氏は若くして海外に出た頭脳流出組だそうです。海外にでて世界の研究者と競うことで、トップレベルの成果が生まれる。国内に閉じこもっていてれば、今後はノーベル賞が生まれにくくなる。そういった指摘もあるように研究者としての先行きの不安が一歩を生み出せない要因となっているようです。やはり真理を極めた人に接することが、プロフェッショナルになるためには大切なことだと実感しました。一流になりたければ一流に学べ・・・ですね。
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