理学療法学会2010岐阜

理学療法学術大会in岐阜自由枠セミナ~報告
参加者450名を超える大盛況!!

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 5月27~29日岐阜市にて理学療法士にとって最も大きな学術大会である理学療法学会が開催されました。近年、演題数が1500を超え、参加者も4000名とも言われるマンモス学会といえます。5月28日に今回、運動連鎖アプローチ研究会主催で自由枠セミナ~を開催いたしました。18時30分~20時という90分間という、ある意味アピールするには充分ともいえるし難しい時間ともいえます。テーマは『運動連鎖からみた体幹機能とボディーワークアプローチ』です。参加者は夜も遅いしみんなも飲みに行きたいだろうし、会場は400名収容でしたが半分も埋まれば十分だろうと予想していました。しかしながら蓋をあけてみれば開催30分前から会場前には人だかりができていて、これはどこの会場待ちだろう?たむろっているだけかな?と訝しげにみていましたが、まぎれもなく運動連鎖アプローチ研究会枠のセミナー待ちでした。当初資料は200部しか刷っていませんでしたが、急きょ250部増刷してそれでも足りませんでした。内容は運動連鎖アプローチ研究会の簡単な成り立ちと運動連鎖とはどういうことか?という導入から入り、bodyworkとの出会い、そして巷での自分が知る限りでのbodyworkの動向についてレクチャーしながら体幹についての理学療法における変遷なども随所に入れていきました。後半は実技をふんだんに入れてできるだけ飽きさせない様に組みました。スース姿で混みこみでどうやって実技をと思われそうですが、座ってできる実技はbodyworkの理論を応用するといくらでもできるのです。bodyworkといえば何かのダイナミックなポーズをとってというイメージもありますが、ようはポーズやエクササイズそのものの形が重要なのではなくその中のコンセプトが大切なのです。最初はもちろん形から入り、徐々に共通する理念とコンセプトを深く探求していきます。

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 まず体幹についてのレクチャー内容ですが、体幹はすでにTAIKANといってもいいほど機能を表す言葉となっています。日本語が英語に直接なっている言葉は数々ありますが、TAIKANも日本人にとってもそのレベルになります。しかしながら欧米からの流れはCOREということになります。コアーアプローチと巷では山ほど聴きますが、私の感覚というか理学療法士の感覚からいえばCOREよりもTAIKANでしょう。繰り返しますと体幹というのは英語に直すと本来はTrunkとかTorsoだと思いますが、部位を表す言葉ではなく機能に昇華していますので体幹=COREに相当すると思われます。COREも解剖学用語ではありません。COREとは軸であり、軸をつかさどる身体部位として日本では体幹、欧米では腰腹部ということになります。体幹となると部位的には胸郭も骨盤も入ってきます。脊柱もしかり機能的なつながりを考えると頸部も入れてもいいかもしれません。日本でいうTAIKANが胸郭なども包括されるとなると、欧米ではこのTIKANに相当する言葉は無いということになります。COREに相当する言葉は日本では間違いなくTAIKANですが、ガラパゴス諸島であり日本では独自の進化を遂げていきますので、現在では体幹には構造的には間違いなく胸郭は入っているものの、TAIKAの機能的な意味において胸郭は入ってきているというのが現状だと思われます。よって日本では体幹といえばstabilityという意味が包括されるところですが、欧米ではTrunkはあくまで構造的な体幹であり胴体であるわけで、機能的なstabilityを司る部位を包括した言葉がCOREということになります。COREも本来は軸という意味でありstabilityというわけではありませんが、ただCORE muscleやUNITとなるとstabilityのための腹横筋であり多裂筋であり骨盤底筋になってきます。この辺りは国によって変遷が違うようです。なんだかごっちゃになってくると思いますが、定義をしっかりまとめていく時期に来たといえます。ここでは体幹は構造的な意味合いでTAIKANは機能的な意味合いで使っていきたいと思います。

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実技ですが、まずは座位でSpiralの体験です。体幹を捩ると脊柱を捩るではテイストが違います。つまりは何にフォーカスを当てるかによって全く違ってくるのです。体幹を捩ると脇腹や肩甲骨のあたりが伸張されたり詰まった感じが生じます。しかしながら背骨を長く使って仙骨からネジを巻くように回旋させると、おもむろに捩るのに比べて10~20度、場合によってはもっと回旋がいきます。何度ためしても同じ結果が出ます。またup&overのテイストにて脊柱を長く使って屈曲するとspringのバネのような脊柱を作ることができます。up&overとはbodyworkでよくつかわれるcueの一つですが、伸びあがって上から何かを乗り越えるような動きを促すときに使われます。
 あとは肩甲骨の動きを促すエクササイズ、胸郭から肩甲骨の動きを促すエクササイズなどのデモしていきました。被験者はフロアーからでていただき会場全体でもできる範囲で模倣してもらいました。肩甲骨を促すエクササイズはジャイロトニックからヒント得たものです。一般的にはカフエクササイズは肩甲骨を固定して行うというのが定石ですが、その逆のパターンの上腕を一定の空間で保持して肩甲骨を動かします。つまり胸郭と上腕の間で肩甲骨が自由に動いているということになります。上肢主導で動いてしまう代償動作がみられる場合は本当の意味でのscapulaーhemeral rhythmeができていないということが言えます。肩の知見についての詳細は次の記事に載せてありますのでご覧ください。

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 司会は道場生の小関さんと下村さんのサポートにて運営しました。小関さんも相当緊張していたようでいい経験になりましたね。終わった後に関係者と岐阜市内の居酒屋に飲みに行き、なんであんなに集まったのだろうか?という話題になりました。アンケートをとっていないのでわかりませんが、学会の一般演題をみていても体幹への興味は相当高く、おそらく何かがある体幹という気持ちの高まりに反して遅々として進まない体幹へのアプローチと知見のジレンマがあるのかもしれません。体幹はそれこそ15年も前から理学療法の世界で芽生えた機能的概念ですが、本当の意味で理学療法業界全体に広まってきたのはここ最近かもしれません。何故なら世間そのものがcoreなどのエクササイズが山ほどでてきて一般的に機能的な身体にはcoreが欠かせないということが当たり前の常識となったこともあるのでしょう。全体的な好評はわかりませんが、質疑なども終わっからもあり反応はあったのだろうと思います。ただbodyworkの独特の表現を沢山用いたので戸惑いと可能性も感じたのではないでしょうか。いずれにせよ遅くまで残って勉強する姿勢に未来を感じます。
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尾張名古屋に近い岐阜駅前には織田信長の像がたっています。天下統一は此処から始まるのかもしれません。
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