浅田真央 金

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浅田真央 

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 白熱の女子フィギアのショートプログラムが始まりました。固唾をのんで日本国民が結果を凝視した・・といってもいいのではないでしょうか?男子のフィギアもかなり盛り上がりましたが、女子は何と言っても注目度は格段に高いものと思われます。前回のトリノで荒川静香さんが金メダルをとり、そして今回、浅田真央という誰もが応援したくなるヒロインが四年越しのオリンピックに悲願のメダルに挑む大会ですので尚更です。さらにキムヨナという宿命のライバルともいうべき相手がいますので舞台はそろっています。もちろん安藤選手も前回のトリノからの変遷があり、その成長した姿やメダルへの期待など注目度は高いことはいうまでもありません。
 見出しの浅田真央「金」と表題にしましたが、土曜日の新聞各紙の一面にこの見出しがでることを祈っています。というよりなんどなくイメージできるのです。キムヨナ金という見出しはあまりイメージに登ってきません。圧倒的にSPの出来栄えなどをみると完璧というか安定感も含めて精神的な強さ、空間を支配する表現力・・・画面から引き込まれる魅力をライバルながら認めざるをえません。キムヨナはチームヨナとしてコーチはもちろん心理学者なども含めて万全の体制を敷いています。あの浅田真央の73点台のSPの直後にニヤッと笑ってリンクにでていく、こ憎たらしいほどのふてぶてしさは完全にアクトレスです。かたや浅田真央は4カ月ぶりにロシアのタラソワコーチとオリンピックの舞台で再会しているという、いわばほとんど放置されているような状態です。もちろんヘッドコーチの方がついていはいましたが、四大陸選手権も体調不良で帯同できずという事態です。なんでも高血圧で7㎏減量して大統領専用機のような要人専用のチャーター機にてバンクーバーしてきたそうですが、ちょっと画面を占拠しすぎなぐらいメタボリックですね。前日の深夜にNHKにて浅田真央金メダルへの道というような特番を再放送をしていたので偶然みたのですが、浅田選手は本当に国内でただひたすら反復練習をして調整をしてきた様子が描かれています。本当に根っからの心が前向きでないと、一人でとてもやれる練習ではありません。単純に金メダルがほしい、演じきる、完璧に踊り切るということに焦点が合わせられる、ある意味単純で純粋でそのあたりは本当に4年前から変わっていません。そのまっすぐな一言一句に我々はみな何の詮索もできなくなり、心から浅田選手を応援しようと思うのです。そのあたりは石川遼選手と似ていますね。

 二人とも既に稀代の世界最高峰のスケーターですので、さらにどうこういうのもあれですが、少し骨盤のことで気になったのでそのことでキムヨナと比較検討してみたいと思います。特番にて気になったのですが、いわゆる腰が引けているフォームになっているのです。調子が悪いときのですが、今回のSPでもその面影はありました。浅田真央選手のアクセルでもフリップでもいいのでが、回転してから降り出し脚というのでしょうか、軸足でない中に浮いているバランスをとるほうの脚が遅れて回ってくるような印象をうけます。つまり巻きこんでくるように遅れてくるのです。このあたりがトランディションとしていわゆるキムヨナとのつなぎの差となっているのかもしれませんん。切れというのでしょうか、キムヨナの特徴は回転後の切れにあります。常に一定のスケーティングのなかで演技が遂行されていき、そこに表現と表情がアクセントを加えていく、そのアクセントがさらにプログラムを加速させていくようなつなぎになっています。つまりジャンプそのものがつなぎの一部になっているのです。
 腰が引けているといいましたが、もっというと股関節が内旋のアライメントとモーメントが常にかかっています。いわゆる骨盤がWPIなのです。WPIは運動連鎖アプローチ研究会で提唱している両側性のPI腸骨ということです。最もやっかいなアライメントであるWPI・・浅田選手の骨盤をみていると腸骨が左右広がっているようにみえます。つまり仙骨に対して腸骨は両側性に後傾してなおかつスケーティングのときには必然的に臀部が突き出るので、そこで果物のモモが割れるような、まるでチューリップのように開いています。そして両側のinflareです。坐骨な内転位となり股関節は相対的に外転しにくくなります。外転しにくい股関節は腰部にて代償します。それが脚を挙げてバランスをとってのスケーティングや回転時の脚の遅れになっていくのです。つまりキムヨナが股関節と骨盤で回っているのに対して、浅田真央は腰部で回っているのです。よって梃子が長くなり、身体に鞭のように巻きつくことで回転のスピードを減速させてしまうのです。
 これを補うには相当の体幹のstabilityが必要です。今回、浅田選手はかなり身体を絞って、さらに滑りこんで、気持ちを集中して打ち込んで、骨盤の欠点を補ってあまりある努力を積み重ねてきているのです。体脂肪は7%といっていましたね。重心は少し上がってしまいますので安定性はかなり良くないはずで、そういった意味で減量して練習量にて折り合いをつけてきたのです。身長が伸びて成長した浅田選手は4年前に比べて明らかにシナッとした身体イメージになりました。ピンと針が入ったような芯ではなく、ナヨットしている感じです。骨盤と背部がいい意味で板のような力強さとキムヨナには感じます。身長もほとんど変わらないのにキムヨナがいかにも大きくみえるのは腰部骨盤の肢位の違いにあります。
 キムヨナのアライメントは骨盤はoutoflare気味で坐骨もやや外転気味です。仙骨と腸骨のアライメントは一致していますので、ダイレクトに床反力を体幹を通して伝えることができます。なんとなくキムヨナの場合は左右の股関節が離れているように感じるのはそのためなのです。離れている股関節の上に体幹が乗っている安定構造なのです。一つ一つの動き全てに思い入れをこめて、動きに工夫をいれて技と技をつなぎながら習得した浅田選手に比べ、基本のスケーティングの流れに技を流し込んでいったキムヨナ・・それがストーリーとしての構成点につながっているのでしょう。
 しかし今回のオリンピック、韓国勢は強いですね~中国も強いですけどね・・・ガッチリとした身体!!確かにかなりレジスタンストレーニングを積んできているのは間違いないです。ペリオタイゼーションをしっかりと実践しているのでしょう。動き作りの前に身体作りを・・・ただし浅田選手も専属トレーナーを雇って計画的に肉体改造を積み重ねてきているので基礎体力作りを怠っているわけではありません。しかしスケートもそうですが根っこが太いというのかバランス良くでかい筋肉がついているという印象です。あんなふうには日本人はならないのでは?と思ってしまいます。エンジンがでかいというのか動力そのものが大きいのです。細かいパーツが日本人は細分化して緻密になっていますが、迫力ですね。足りないのは!!
 踊っているときに演技しているときに人が引き込まれるパフォーマンスは何か?男子の金メダリスト、E.ライサチェックもそうでしたが、本当に重心がどこなのかわかりません。軸が安定しているなとか、体幹がぶれないなとか、重心が安定しているなとかstaticな分節的なパーツとして語れるうちは躍動感のある演技とはいえません。これはあらゆるスポーツにいえることだと思いますが、部分的に分節的なパーツとして視覚的に目についたりするのは既に滑らかに動いていないのです。潜在的な知覚に訴える0.5秒の停滞も許さない連続性が必要なのです。その認識の最少時間を超えた時間にて動き続けること、それが感嘆の声しかあがらない動作分析になります。潜在的な意識の連続性こそが、すばらしい巧みなパフォーマンスといえます。安定しているといえる自体が既に動作としては遅れているのです。安定しているという言葉では語りつくせない次元にあるのです。重心が全身に溶け込んでいるような動き・・・それこそが追い求める究極の身体操作、身体の使い方なのです。Bodyworkではコントラストという言葉がありますが、最も的を得た表現だと思います。ジャイロトニックはダンサーのためのヨガとして始まったといわれているのですが、踊りの要素がジャイロトニックには多く含まれている、いや踊りに限らず円滑な身体動きそのものの本質が、ジャイロトニックのコンセプトの中に含まれていることがはっきりとわかってきました。最近、ようやくそのコントラストの概念をを理学療法に取り込めるようになってきました。
 話が脱線しましたが、思いの強さ・・・今回のオリンピックで唯一キムヨナに対抗できる武器です。この思いの強さがキムヨナにプレッシャーになるかどうか・・動揺の見えない自分の世界とオーラを浅田真央が発揮できれば、スランプを乗り越えた人間の強さを全面に出すことができたら、きっと天使はほほ笑むでしょう。
 
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コメント:1

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3期生 永田
こんばんは3期生永田です。

25日付けの朝日新聞の朝刊に浅田真央選手の
SPのときのトリプルアクセル連続写真が載っています。

山本先生の解説つきで見ると、なるほどなと納得できます。

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