stabilityから脊椎分節へ、骨盤から仙腸関節へ

体幹stabilityから脊椎分節へ、骨盤から仙腸関節へ


  元来理学療法そのものが脊柱骨盤が苦手です。それは学校で習っていないからです。学校で脊椎のパルペーションや仙腸関節を学んだことがある人は皆無でしょう。働きだしてから臨床教育をしましょうというのが、理念のようですが実際は習っていないことはさっぱり分からない。それも身体機能という観点からみると絶対不可欠であれう骨盤脊柱において、ほとんど講義を受けていない。ましてや関節の触り方や動かし方、それ以前に姿勢や型さえも学んでいないのが現状です。よって触り方そのものを教わっていないのでみんな自己流になっているのです。知識と理論を学べばリハビリはできると治療はできるという考え方にいたっているのが日本の理学療法の流れといえます。どうやらこのあたりの教育のされ方は看護なども同じようで基本的には技術的なこと、特に人対人として最も大事なセラピューティックタッチについて認識が薄いといえます。
 私自身も脊柱は最後の後回しになってしまいました。しかしながらこの脊柱の触診や評価、特に3次元的な分析とカイロプラクティックにあるような即効的な矯正テクニックは長らくコンプレックスでした。このスラストコンプレックスが理学療法独自の技術とテクニックの研鑽を余儀なくされた根底にあります。このコンプレックスは、スポーツ現場にでて自らのキャリアや背景が関係ない実力主義の世界に長らく携わっていたからです。やはり外の世界にでて初めて自らの立ち位置がわかることもあるのです。走るのが早いというのは小学生ではともて羨望の目で見られることですが、上には上がいるわけで学校でダントツ早いというスーパースターも外の大会に行くとそうでもないということがあります。日本で早くても世界ではまだまだというように、狭い世界にいるとわからないことばかりなのです。
逆にいえば広い世界をみないで、狭い世界にいたほうが幸せともいえるのですが・・・しかしこのような情報社会において特に医療という公的な世界にいるうちは内にこもっていることの限界があります。特にある程度指導的立場に立てばたつほど、客観的な目で比較対象できなければ教わる若いセラピストが将来的には困ることになってしまいます。
 話がそれましたが、このような背景があり日本の理学療法は体幹にとりつかれてしまったのです。脊柱ではなく体幹、仙腸関節ではなく骨盤から入っていったのです。脊柱の分節的な運動ではなく体幹の腹横筋や多裂筋などの筋肉の使い方に・・・仙腸関節の変位ではなく骨盤の前後傾や座圧など外枠から入っているのです。本丸である脊柱分節や仙腸関節などの核心部分を避けて、周りをぐるぐると回っているのです。日本のサッカーがペナルティーエリアの外でぐるぐるとボール回ししているようなものです。エリアに入って勝負しなければ勝負にならないのです。
 脊柱から脊椎へ・・・分節的な領域に入っていかなければ理学療法士としてのidentityはありません。何故ならMuscle系のエクササイズやコンセプトは、体育系やフィットネスの分野でどんどん新しいアイデアがでてきて市場に出回っているからです。それでも今までは理論的には・・・などという少しばかりのプライドがあったのですが、それも東大の教授である石井直方先生が研究とそしてその背景に自らのボディービルダーとしてもキャリアの経験をもってドンドントレーニング理論やインナーマッスルに関する研究とのノウハウを出しています。書籍も沢山でていて石井教授のコーナーが売れ筋としてあるぐらいです。
 さらに衝撃だったのは、理学療法士がインナーマッスルではイニシアチブを握っていると自負していたはずですが、ノウハウにおいてbodyworkに既に遅れをとっているということです。超音波などで解剖学的な運動学的な理論や説明は確かに理学療法士かもしれませんが、実際に実践する段階では理学療法士が特筆すべきノウハウを有しているわけではありません。bodyworkにおいてarticulationという分節的な動きを促すノウハウが、理学療法でさかんに使われているstability理論からさらに進化していたのです。このことはbodywork関係者は知りません。分節的に動かすRoll up Roll downは機能的な体幹に脊椎の動きを加えた、動的なstabilityともいうべき滑らかなdynamicなmoveなのです。確かにいつまでもstaticに筋収縮させているばかりでは進歩がありません。staticに収縮を促していけば動的にも応用できる・・・と楽観的に考えていたのだと思いますが、動かなければ実践的なstabilityにならないのです。このベースとなる機能が得られればいいという理論背景も、汎用性のある学習転移ということで理屈を述べられますが、実際にそれだけではスポーツ選手に無理でしょう。都合の悪いところは目をつむり、都合のいいところだけを引用して自己満足してしまう癖が理学療法士にはあります。専門家としての間違った上目線がそうさせてしまいます。例えば脳内イメージが大切なことは確かですが、ずっと寝たっきりでイメージトレーニングだけで勝手にオリンピックのメダリストになれるわけがありません。ある理論や学閥や考え方に傾倒している人たちを見ると、似たような雰囲気と身体機能をみることができます。例えばそれは体系にも表れます。インナーマッスルに傾倒している人はウエイトトレーニングをすることはありません。脳の認知機能に傾倒している人たちはトレーニングそのものをすることがありません。よって身体機能をうたっているわりには不良姿勢で不健康そうなのです。身体が解放されていない、凝り固まっているのです。思考が固まっているので身体機能も固まってしまうのです。身体心理学という本がありますが、情動と姿勢は密接に関係しています。その思考が体型にも反映してしまっているのです。よって考え方も変わりません。脳機能をうたっている人で自らの脳内に起こっていることをコントロールできなていない人が沢山です。自分の勉強した価値観がた正しいと思いこむそのメカニズムについて分析して認識しておく必要があるのですが、やはり知識は洗脳と近いものがありますので、脳機能を勉強しながら洗脳されていくという不思議な過程を歩んでいます。
 ノウハウでBodyworkに圧倒的にリードされている現状を認識して、さらに体幹機能についてリガ療法士なりの解釈を加え取り込んでいけばいいのです。理論や知識だけでは追いつかない時代に突入したのです。体験と体感を繰り返し、新たなメカニズムを構築していく手法にて発展させていく必要があるのです。
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