運動連鎖アプローチ研究会in神奈川 報告

運動連鎖アプローチ研究会in神奈川 報告


6月13日~14日二日間に渡って開催しました研究会も盛況の内に終わりました。自分で言うのもなんですが、控え目に言っても大盛況でした。何故ならオープニングの遠藤氏から始まったタスキのリレーは、あれよあれよと見事に引き継がれ最終日にフローしていったからです。ボディーワークの大事なエッセンスである流れが、講師およびインストラクターに以心伝心したかのようでした。ボディーワークとは究極の場面での集中力、今回でいえば必然性の高まりにより思念が一つのエネルギーとなることで、シンクロニシティーを引き起こすことなのかもしれません。
今思えば遠藤氏にはクライアントという立場から、講演を依頼するということは、無茶振りにも程があるというものですね。しかしながら、私がボディーワークに取組むきっかけとなった遠藤氏の書き綴ったあの衝撃的なブログの事実は、是非セラピストに聴いてもらうべきだという想いには一点の曇りもありませんでした。(本当か~?)
 しかしながらお伝えするには、あまりにも充実した素晴らしい内容が盛りだくさんでとてもこの紙面で書いていてはスクロールが10mぐらいになってしまい、コピーするにも大量の紙が必要となってしまいますので、ここはエンドロール風に写真をザざっと掲載します。また内容は頭が整理がついたら徐々に入れていきたいと思います。

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前日の森岡先生と高橋先生との前夜祭です。結局深夜1時まで我々もお付き合いし、さらに2時半まで森岡先生と高橋さんたちは飲んでいたようです。そして翌日には悪酔いしたお酒が口から鼻に負のスパイラルとなり、ところがかえって舌も滑らかでした。


運動連鎖アプローチ研究会一日目「Body workと身体感覚」IMG_3012_edited.jpg
オープニングの遠藤氏による、クライアント側から立ったリハビリの事実についてのお話です。まさにドキュメンタリーであり、我々はその事実の前にはなすすべもありません。どのように身体を動かせばいいか?具体的にリハビリでは教えてくれなかった・・・ピラティスの夏井先生とは初めたころは、どのように身体イメージを感じているかなどを徹底的に話し合いながらセッションをすすめていったそうです。まさにリハビリです。このような身体機能に対するアプローチはすでにPTやOTだけの専売特許ではなく、患者レベルにおいても既に他職種の競合があり、逆にアプローチコンセプトで押されている状態です。どんなに理屈が長けていてもやはり結果なのです。異種格闘技のように治療をしてPTが優位であるという根拠は実は何もないのです。最後に我々セラピストへのお願いも込めて遠藤氏よりいただいた言葉です。 
・決してあきらめないこと
・継続
・考えながら思考錯誤を繰り返す
・学習



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「私、本番に強いから!!」と公言してはばからない夏井先生は見事にその場の雰囲気を持っていきました。本当に時間通り10秒オーバーでびったしと質疑応答に入れました。その構成能力と野性的な空気をもっていく嗅覚、「何も考えていない」といいつつ実は考えても到達しない領域にて行うセッションは圧巻です。セッション内容はもはやピラティスの域を超えて夏井スペシャルといえます。何故ならすべてオーダーメイドにてセッション内容が構成されていくからです。まさに「チャレンジ」していく!!夏井先生の姿勢には常にこの精神が息づいています。リハビリに実は最も足りない面を見せてくれたように思います。

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午後からは樋口先生の講義です。テーマは「ボディーイメージと身体運動」ということで主に「意識経験には注意:attentionが必要」にスポットを当ててご講義いただきました。まずは指先ひとつ動かすことがすでに全身が関与しているということを、またどこに注意を向けるかによってその人なりの気づきが違うことなどを実験心理学という立場から最新の知見を見せていただきました。またbodyworkの課題として、意識されない潜在的な知覚にて多くのの行為が行われている現像のなかで、運動をあえて意識化させることがどのような効果を引き起こすのか?というような研究結果も示してくれました。
樋口先生のホームページでも,研究会の内容を更新していただいています。
http://www.comp.tmu.ac.jp/locomotion-lab/higuchi/therapist/info69_BodyWork.html
 樋口さんより、懇親会である参加者の方が,「今回の内容ならそのまま本になる」とおっしゃていました.確かに,内容的には十分いけるかもしれませんね.とのコメントを頂くほどに素晴らしい内容だっということですね。


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そして身体運動学の著者の一人である森岡先生の登場です。「ボディーイメージの運動慮法への応用」今やリハビリのバイブルとなりそうな勢いの身体運動学ですが、樋口さんに続き私のネタで掴みをとるという常とう手段にて盛り上げてこられましたが、森岡先生を始め、いいコンビですね。年も近いしこれからも3人で遊びに行きましょう。
 さて内容ですが「麻痺は学習されてしまう」というなんとも聞きなれないフレーズが飛び出しました。つまり脳からは司令がでているのに途中で途切れているため、脳は感覚を得れないため麻痺が学習されてしまうというのです。「感覚は感じなければならない」、運動学習の秘訣は先回りして動きを予測できるか?ということだそうです。つまりイメージが有効な手段となりうるのです。しかしここまで理論も進歩しているんですね~森岡先生自身は脳の左右差が一つの大きなテーマとなっており、最新の知見を聴けて大変勉強になりました。

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一日目の午後の3セッション目からは臨床実践バージョンです。まずはロルフィングの溝辺先生です。遠藤氏がピラティスとロルフィングのクライアントというところもありますが、今まさに注目の筋膜へのアプローチのコンセプトを中心として構成されているのがロルフィングなのです。いわゆる昔からあったのですが、時代に押し出されたというところでしょうか。アナトミートレインのトーマスもアイダロルフ氏から教わった弟子にあたるそうです。その独特の間と笑顔、そして雰囲気は会場全体を自らのスタジオや治療院のカラーに染め上げていきます。これは会場の参加者もおそらく感じたはずです。溝辺先生の特徴といいますが、キーワードは「包み込むような空間(スペース)」です。緊張していたといいつつ、実はまわりの音や音楽も全く耳に入らないぐらいの集中力、といっても微笑みと頷きを絶やさない、スペースを無意識で感じながら森羅万象全てのエネルギーを借りてヒーリングしていくといった感じでしょうか。病院という環境では手に入らないスキルといえます。



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そして一日目のオーラスは高橋直子先生です。PTでありピラティスインストラクターであり、はたして同じ立場のPTがbodyworkをどのように解釈し使っているか!注目度は高かったと思います。高橋さんとは福岡で何度かお世話になっており、その独特の人生に対する価値観と広い社会に対しての見識は、おおよそPTらしくない浮世離れした雰囲気があります。その独特の間はまさにオリジナルでフィロソフィーを感じます。またとても「カッコいい」です。現に後で翌日、女性のセラピストが宝塚のスターをみるかのようなファンらしき人たちが囲んでいました。6月20日には福岡で会員制のスタジオを始めるようです。実技の一つとしてブリッジ動作を行いました。この単純な運度療法がいかに難しいか!キネマティクスな観点からの視覚的におしりが挙がっているということと、どこに意識をもってどのような手順でその肢位に行きついたかでは全く効果が違ってきます。理学療法士ならでは実践的なレクチャーです。最後に楽しく終わりたいという高橋さんの意図もあり輪になってみんなで気を通わせました。キーワードは「人と人とのつながりと幸せ」そんな言葉が思い浮かんできました。

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私も盛りあげ役で頑張っています。どのタイミングでコメントを入れれば聴衆の脳が活性化、覚醒するか!カッコよくいえばそうですが、簡単にいえば、どこで受けるか!ばかりを狙っていました。 あらゆるジャンルか多岐にわたる内容でしたが、「社会貢献とbod ywork」このタイトルこそが実は適切であったとも思わせられました。では病院での一人一人のセラピスト何を考えてどうすればいいか?それは常に社会とのつながりを感じながら、リハビリという一人一人の患者さまの身体機能(ココロと身体)を通じて貢献する「その人なりのbody work」を提供できれば、そんな気持ちにさせてくれた二日間でした。

懇親会も大盛り上がりでした。
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講師の樋口さんと中村クン   森岡先生と夏井先生、高橋さん  準備委員スタッフ  

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                 奥に溝辺さんと遠藤氏がおられます。


運動連鎖アプローチ研究会二日目「bodyworkと呼吸」
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二日目のオープニングは有田先生です。高僧の説法に耳を傾けている、そんな雰囲気が会場を取り巻きました。この内容はすごかったです。圧巻といってもいいでしょう。従来bodyworkは「何故良くなるのか?従来の運動療法と何が違うのか?」「まずは体験して感じてみる」そこまでした言えずに、これでは臨床応用するためには説得力が薄い・・・そのような思いから今回の「bodyworkの臨床応用」というテーマにて昨年から構想を練ってきたわけです。従来の方法でもスクワットや自転車こぎなどリズム性のある集中した環境にて、意識的に呼吸をし身体イメージを促通しながらリズム運動を行えば実はセロトニン神経は活性化されるということなのです。bodyworkコンセプトはその要素を自然と兼ね備えており、その流派や方法に寄らないということです。bodyworkにはセロトニン神経を活性化させる要素が多く含まれている。これがやってみなければわからない、感じてなければわからないといわれていた事実だったのでしょう。逆にいえば形だけbodyworkをしても何の効果も得られない可能性もあるということです。
 あとは運動学的に解剖学的にどうかという問題だけです。この講義はとても素晴らしい内容です。我々が漫然と行っている運動療法が形を変えれば、大きく社会貢献できるという扉が開いているということだからです。有田先生からは共同研究をしましょうというお話をしていただき、是非何かテーマを決めて取り組んでみたいと思います。有田先生には「禅の心~中庸に至る道~」を教わったように思います。
ちなみに10月の第11回日本カイロプラクティック徒手医学会学術大会でも御講演をお願いしております。


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有田先生にはデモと実技もやっていただきました。腹筋をしっかり感じながらの「あいうえお」の発声とグルーミングです。いずれもすっきりしました。グルーミングとはTFT療法などにもみられる臨床心理のなかでしばしば使われている手法だそうです。いわゆるタッチ療法になります。この触るか触らないかというタッチこそが母心でありセロトニン神経を活性化させるとのことです。


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そして午前の話を受けて、ヨガと呼吸というテーマにて中村尚人先生の登場です。ヨガの世界でこれほどまで精通しているPTはまずいません。ヨガは4500年という途方もない歴史があり、だからこそ他の追随を許さないほどにバリエーションがあるのです。新しい新興のbodyworkは長くても100年ですからその叡智のほどははかり知れません。だからこそ難解であるともいえます。実技では呼吸とストレッチのアクティブアシストなど、呼吸のバリエーションと運動との組み合わせにて多くのバリエーションのあるアプローチに変容することをプレゼンしてくれました。参加者からすると最も身近で臨床応用すやすいレクチャーであったようです。

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そして、山村庸子先生です。袴姿にて登場だけで会場の雰囲気がガラっと変わりました。声の道場という聞きなれない活動をされていますが、これは単なる発声練習とは違います。日本人の声が危ない、そしてそれは日本人の姿勢、日本人の特性、そのものの崩壊が危惧されているのです。心技体といいますが、山村先生は体・技・心と説かれていました。身体がしっかりしていなければ技術も心も育たないということです。ともすれば言って聞かせるということで子育て教育をしようとしている風潮のなかで、姿勢や声の出し方などは体罰を連想させるのか、なんとなくタブーになりつつあります。子供には誠心誠意伝えれば伝わる・・・なども果たしてそうなのか疑問なのです。山村先生と有田先生ともにパソコンや携帯などの便利すぎて人間形成としての弊害を説かれています。まさに社会現象を憂いておられ、そのための貢献という思いが伝わってきました。山村先生の「お声」まさに鳥肌ものです。まさにbodyworkなのです。 「息に声をのせる」息吹、日本人である我々が最も大事なことを忘れいたことを身につまされた。そんな衝撃の思いが参加者の胸に去来したことでしょう。有田先生同様、「生きていく上で大事なCore」を教えてくれた究極のbodyworkを教えてくれた時間でした。


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最後に症例発表になります。すでに多くの施設で臨床応用がされており、というか効果のある方法はなんらかのbodywork的要素が入っているのです。全てをbodyworkに括るなといわれそうですが、PTの訳も心身機能療法士でもいいぐらいですね。
芹沢さん、安田さん、吉田さんがそれぞれ実技なども交えてプレゼンしてくれました。参加者からもとても刺激になったようですね。

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そしてグランドフィナーレです。その後のアンケートや私のところにくるメールを見ていても翌日から見えるものが変わった、臨床に取り組むスタンスが変わったなどなど人間という表象がイメージできるようになったものと思われます。時代の影響もありますが、従来の方法では人間になりませんでした。骨とか筋肉、または組織や部分の断片だったのです。人間が見えるようになってきたことによって、自ずと従来の方法が全く違った姿に変えて施術できるようになるのです。またある人は、bodyworkに触れることで、自らのセラピスト人生に対する将来像をイメージする一つのきっかけになったようです。
 bodyworkができるよな身体づくりをしなさいということではありません。bodyworkイコール、ヨガやピラティスというようなカテゴリーを指すのではなく、あくまで根底に流れるエッセンスを理解していくことこそが大事なのです。そういう観点からいえば、全ての理学療法はbodyworkであるともいえます。
 社会に常に根を張りながら、社会の時流を感じながらリハビリテーションに関わることで、自然に進むべき道が開けてくることでしょう。BODYWORKは「そんな窓口として開いているのです。

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