ボディーワーク上達のためのボディーワーク

ボディーワーク上達のためのボディーワーク(補強運動)

 本来ボディーワークはスポーツ選手であれば、競技力向上のための手段になります。伊達公子や渋井陽子のピラティスがよく知られています。芸能人もボディーワークに限らず加圧トレーニングなど、美容と仕事のために手段として取り入れています。怪我をしてそのリハビリの一貫として、ボディーワークに取組むうちにインストラクターになっている人もいます。ヤムナやジャイロも、もとはと言えば自らの機能障害を治すために実践考案された体系です。ピラティスもベッドサイドのリハビリテーションから始まったツールです。しかしそれぞれに特色があります。同じリハビリテーションでも急性期と回復期、慢性期、外来、スポーツリハビリが違うように創始者がどこの機能障害時期であったかがその後の体系に大きく影響を及ぼしてきます。ピラティス氏は虚弱であったようです。ベッドサイドからの廃用性に対してのリハビリであり、矢状面・前額面などの単関節の一軸運動が基本になります。リスク管理もあり、どうしても直線的な動きになります。直線的な動きから、曲線的な動きや螺旋に展開することはありません。

 直線的な動きはいわゆる筋力トレーニング、マシントレーニングにみられる運動形態です。リハビリのSLRやスクワットなど面での運動が多くみられます。筋力トレーニングそしてMaxに筋力発揮を促すためには、本来螺旋的な運動により連動していく特性を一点に集約させるときには全ての螺旋の動きを一軸に集約させる必要があるのでしょう。まずは筋力強化という概念から入ったリハビリの歴史からいっても、直線的な運動がメインとなるのはいたしかたないことなのでしょう。
 まず知識として運動学を学んだセラピストは、関節運動を分解した動きに準じてしまいます。ぐるんぐるん腕を回したり、インフィニティ∞な動きなどは、計測も評価も教科書外ですので記述ができません。カルテに巧緻性や滑らかさなどの表現が難しいように、定量化するのも困難です。運動療法が踊りやダンスにつながらないように、まずリスク管理ありきで制約のある世界から、飛躍した発想には至らなず脱却できません。ピラティスの、ねばならぬ!という考え方は我々医療従事者と共通しており、なとなくピラティスにシンパシーを感じるのは、流れている理念に共通な何かを見出しているからかもしれません。
 スポーツ復帰を考えている人にとっては、アスレチックリハビリが必要です。さらにダンスとなると開放感や爽快感を得たいという欲求がわき出るのは自然の摂理というものです。ジャイロは創始者がダンスなどの踊りが背景にあるようで、舞台での表現や優雅さが根底にあります。舞台では直線的な動きよりも奥行のある3次元的な連続的な動きが必要なのでしょう。また自然のなかのあらゆる動きにイマジネーションを得て、シークエンスプログラムされています。よって創始者の感性によってどんどん変化していくということになります。
 YAMUNAは私もまだよくわかりませんが、やはり創始者自身の生い立ちが色濃く残っているはずです。YAMUNAはどちらかというと細部にターゲットを絞っているのかもしれません。徒手療法もかなり背景にあると思われます。自身の治療体験が多かったように思われます。より治療的なYAMUNAは、かなりの部分で抗重力性が入っていることをみると姿勢制御系などの最新のリハビリ要素が相当入っています。
 このように考えると私が提唱しているYA~MAは運動連鎖アプローチの要素が多々入ってくることになります。運動連鎖からみた内在的なパルペーションテクニックをベースに、プログラムされてくるでしょう。おそらくその細かさは随一になる可能性があります。
 よりstaticな細かさにターゲットを絞ったのがフェルデンクライスといえます。AKAレベルですね。FIという徒手療法も重視していることを考えると、身体イメージと関節レベルの徒手療法がベースとなっています。
 ロルフィングは姿勢という枠フレームから入っています。よって医療的な要素はあまり無く、姿勢という観点からの観察と筋膜をベースとしてのアプローチという、ある意味とてもシンプルな構成といえます。局所と全体の統合という点では最も長けているように思います。
 各流派に言えることは、色は違えど先人の何らかの智恵を参考にしていることは確かです。何もないところから発生することはありません。ヨガ、太極拳、合気道やマーシャルアーツなどの武道や格闘技、能などの伝統芸能そしてクラシックバレーです。特にヨガとクラシックバレーは別格といえます。歴史もさることながら、競技人口が違います。より洗練されて先人の智恵が幾重にも重なり今があります。バイブルですから、揺るぎない存在感といえます。しかしながら個別性として細分化していく運命を総ての流派は背負っています。民族性や文化、慣習、育った環境や教育、時代の変遷などにより変わるべきともいえます。かたくなに伝承していってもらう、いわゆる古典派の存在も必要で、ルーツが判らなくなると根底にながれる精神性や哲学まで失われてしまいます。結果一代目~二台目までは良くても、いずれ廃れて行きます。トーマスマイヤ~のように守離破の原理でロルフィングの価値を再認識させてくれるようなスターが現われると、さらに競技人口は増えて、後世に歴史が続いて行きます。そのトーマスマイヤ~も35年のキャリアですから何事も簡単では無いということです。
まだボディーワークの臨床応用は始まったばかりです。簡単には新しいものは生まれないかもしれませんが、トライして多くの人達が知見を出し合い形にしていかなけるばなりません。リハビリでも多種多様な考え方があり、一つの方法だけでは、とても網羅できません。回復期なら回復期のクリニックならクリニックの対処法があります。また治療方法も幾つもの選択肢があり、何ができるかではなくて、何を選択するかが鍵となってきます。治療もそうですが、ある程度評価ができてまた治療方法を取捨選択できるようになるまでには相当の時間と経験が必要となってきます。bodyworkも全く例外ではなく、インストラクターを見ても各bodyworkの研修にいきまくって、例え既にある領域で第一人者であっても、新たな認定を取りに行っているその姿はまさに飽くなき探求心と向上心の賜物といえるでしょう。bodyworkのある一つの方法をにて全ての疾患や病態に対してみれなくはないのですが、もしかしたらもっと別のコンセプトを入れたほうがいいかもしれません。逆にいえば、ある一つのbodyworkを提供するというのは、患者レベルに限らず急性期の患者に回復期用のプログラムを提供しているかもしれません。またクリニックレベルの人に回復期のプログラムを提供しているかもしれないのです。
 ブランドと一緒でどれを選択するかはその人の好みですが、どれが合っているかはとても難しい選択になります。またその人にどのブランドが合っているかを一から選択するのも何百もあるブランドから選ぶわけですから、とても難しい作業になります。よって、一からどのブランド、治療ツールが向いているかを判断することは、相当の経験と選択肢の多さと構成能力、そしてある程度の客観的な指標が不可欠といえますが、やはりあるブランドの看板を掲げているほうが患者もわかりやすいく、施術側も提供するツールが決まっているほうが集中できます。まずはある一つのツールのなかで、タイプによって強弱を加えたり、適応がなければ他に紹介するということが最良の方法だと思われます。
 患者レベルになると、効率的な動きの誘導が不可欠になります。確かに腹部のstabilityは誰にとっても大事な要素ですので、まずはその入れ方を学習するというのは間違いではありません。しかしこれも個人差があるはずです。なかなか習得できない人とすぐにわかる人と、そこで繰り返しの原理で練習してくださいですと、従来の筋力がつくまで続けましょうという論法と何ら変わらなくなります。我々健常者であれば根性で繰り返し練習して習得しますが、レッスンを受けていてキツイ状態に患者を追い込むのは病院としては趣旨が違ってきます。また患者自身も病院に来たわけで心の準備ができていいません。スタジオに来てしまえば事前にある程度の覚悟はあるので大丈夫だと思われます。よって、そのstabilityの個人差は何か関連要因や阻害因子があるのでは?と考えたほうがいいでしょう。その条件の一つがlateralityになります。いわゆる左右差ということです。その左右差を明確に評価をして考慮する。またはクライアント自身に認識してもらってフォーカスする。ということが臨床応用には不可欠であり、自らのbodyworkの向上にも寄与することでしょう。
 名だたるインストラクターはダンスやクラッシックバレーなどの経歴を持っているひとがたくさんいます。理屈よりも自然に身についたスキルは後年になって取り組んでいるセラピストとはスタートが違います。上達のためのエクササイズを自ら実践していますが、おそらく同じような立場の人は沢山いると思います。自らの体験をもとに上達をはかり、その過程で生まれたものを体系化するという作業が、私にとってもYA~MAのディテール(detail)になります。ある動きを繰り返し習得し無意識のレベルでできるようにると、細かい過程を忘れてしまいます。つまりできるでしょう!というスタンスになってしまいます。天才が素人や凡人の気持ちがわからないというのはよくい聞く話ですが、やはりできなかった時のことを忘れないで、習得する過程を覚えておくことがとても大事だと思われます。
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