アナトミートレイン

Anatomy Trains  Clinical Applications for the Manual Therapist ~Enhancing Respiration~ セミナー参加報告


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講師のThomas Myers と通訳のロルファー谷佳織さん
いつも思いますが、抜群の通訳にてThomasの言いたいニュアンスを伝えてくれる谷さんのおかげでとても理解が深まります。

 5月8日~9日の二日間、千代田区の麹町駅近くの会場にてアナトミートレインの研修会が開催されました。翌週の11日~12日もエクササイズ編のセミナ~があり、私は四日間びっちりの参加です。参加者の4割~ぐらいがPTで、あとはピラティスのインストラクターやマッチョなフィットネスインストラクターなどのボディーワーカー総勢70名あまりの参加者です。大体参加者の前列はボディーワークの人達が占拠します。医療系の勉強会では席の中~後ろから埋まっていくものですが、ボディーワークの場合は間違いなく前列を占拠します。ま~よく考えたら高い授業料を支払っているのに、遠慮していても仕方ありませんけどね。病院から研修費などが出るシステムであったり義務的な参加であれば、目立たないプレッシャーのかからないところで話を聞こうという気持ちもわからないでもありません。また若いセラピストだと前列にドッカと座るのにも気が引けるのでしょう。私はたまたまですがセンターの最前列がに座ってしまいました。回りは明らかに明るいパワーフルなインストラクターに囲まれていました。インストラクターの方々は人気商売です。意欲的に突き進んでいるその姿こそが、クライアントに元気を与えられるのです。よって話を聴いているその姿は頷き笑い感嘆し、全身て表現しセミナ~を受けているその姿が躍動感溢れる花があります。勿論衣裳?もバッチリですし、ネイルやピアスも決まっています。実技は筋膜系のぼぼロルフィングですのである程度の露出は必要です。普段から見られる仕事ですので、どうだ!といわんばかりの流石です。また大半のbodyworkerは英語が堪能で、リアクションがダイレクトです。この自信は大きいですね。本気で英語に取り組もうと思います!!
 何を勉強してきたのかと言われそうですが、ようは明日からもしくはその日の夜にもクライアントが待っているのが現状であり、すぐにでもクライアントのために役に立てない使いたいという気持ちが自然とそういう一連の行動に繋るのでしょう。さて本題はと申しますと、Anatomy trainは今やリハビリの世界に限らずですが大流行りといった状況です。筋膜そのものの研究や知見が進み、理学療法の研修会でもあらゆる場面で紹介されレクチャーされ、ブームに乗り遅れないようにしようとするかのようにコゾッテ参画しています。いまや人の機能を語る上で筋膜を話題にしないのは、遅れているのではないかといった状況です。表題にありますように「徒手療法のための臨床応用~呼吸を高める~」がテーマになっています。
 Tohomas Myersには初めてお会いしましたが、アメリカ独特のオーバーアクションとジョークを交え、それこそ進化、発達からあらゆる自らの経験と解剖学から得られた知識、そして筋膜に対する最新の知見を交えて時にはbodyworkやPTの立場に立って話をすすめ、グローバルな視点から示唆を与えてくれます。単なるアナトミーラインの解説とテクニックセミナーではない、あらゆる造形が感じられます。やはり、多くの人に共感を得る仕事をするには専門バカでは駄目なんでしょうね。教養というか常識というか、人が人である所以を深く探求するなかで、結果的に看板がAnatomy trainだったということなのでしょう。しかるにThomasはIda P.Rolfに影響を強くうけており、実際に師事していたようです。そして筋膜を探求して35年・・・一重にこのようなコンセプトを急に思いついたわけではないということです。深く長い歴史のなかで培われた重厚な知識はとても深いです。それこそ一枚のスライドで一時間は話せるとおっしゃっていたほど淡々と話が続きます。
 呼吸を高めるというテーマだけに呼吸に関係する腹部・背部・脊柱・肋骨・横隔膜・頸部などの機能と解剖の解説を行い、そして実技を行っていくという流れです。
 呼吸においても一般的な解剖や生理とは違って、発生学や生誕からの呼吸の成り立ち、横隔膜の機能を自らの研究と過去の知見、そして実体験を通じてのお話は単なるある部門の専門家という枠を超えています。日本の研修会のスライドに力をいれて説明と文献をならべて細く高く専門性をアピールするのとは違って、民族や文化そして歴史に対しての造詣がとても深いということです。表面的な教科書としてのアナトミートレインを学んだだけでは、その本当の意味での人への深い造詣はでないのではないでしょうか?
 さて、呼吸については相当勉強になりました。横隔膜の機能についてもTomの解釈としてはという話もふんだんに入っていましたが、自らの実感とエビデンス的な検証をいつもすり合わせているのがわかります。Tom自信はほとんど運動はしないようですが、もともとはロルフィングの系譜を受けついていますので身体感覚はとてもいいはずです。横隔膜が働かなくなると、肋間筋と補助筋で活動するしかないですが、実際にそれを体験できている人はいないはずです。Tomの体験では馬から幼少であった娘と落馬したときに、とっさに娘を腹の上にのせて背中から落ち、鳩尾を娘の全体重がかかったときに本当に横隔膜の働きが一瞬止まり肋間筋と斜角筋だけの呼吸を体験したそうです。本当にわずかな呼吸しかできなかったようですが、横隔膜が働いているか働いていないかということになると、全ての人は横隔膜は働いているということなのです。よく我々も横隔膜が働いていないといいますが、全か無がといわれると全ての人は働いているのです。ようはあまり有効に使っていないということは言えるのかもしれません。また吸気の初期では下部肋骨はほとんど動かずに中期以降に大きくバケツ柄の動きが入ります。ヨガの達人などは横隔膜が10センチ以上圧下するそうですし、一般の人は数センチというレベルのようです。横隔膜は腱中心という筋膜が中心にあって、肋骨から起始しています。初期では腱中心のドームが下がりますが途中で内臓にぶち当たり、そこからは腱中心が起始になって肋骨に付着している筋が停止部へと逆的して肋骨が横に拡張するとのことです。
 他にも興味深い話は山ほどありますが、Tomは今でも解剖を年に一回は入って新たな発見にいそしんでいるようですので毎年新たな知見が聴講できるかもしれません。あとはTom自身が言っていましたが、この筋膜に対する研究は今始まったばかりで30年後には今Tomが言っていることの50%海上は改編されるかもしれない。つまり現段階での知見ということで、時代とともに大きく解釈も移り変わっていきますよと自覚されているのです。そこはすごいですね。本来はこれで正しいと一度言ったことは、大体の人は覆せなくて延々と唱えているのが現状です。新しく知識を得たら話に加えていくということで、実際の体験と経験が加味された本当の意味での学習されて刷新されていくTomの姿勢は本当にすばらしいと思います。
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Tomに頭をなぜなぜしてもらっています。呼吸による脊柱が上下に躍動する感覚を体感です。

 実際の実技はハードな手技ですが、実際には的確に効果がでます。筋膜の層にあたるとぬめるよな、例えれば油の層にアクセスすることができます。そのぬめり感を、身体全体をつかって一定の圧で追っていくと滑るように施術できます。筋膜リリースと呼ばれる手技はもっとソフトでどちらかというと皮膚レベルの圧でその微妙な反応をモニタリングしますが、ロルフィングの手技はもっとダイレクトに剥がすというか滑らせる感じです。どちらも筋膜のアプローチですが、アクセスしている層が違います。皮膚と表層の筋膜にアクセスするか、さらに深層の筋膜と筋膜のリリースにまで到達させるかという違いです。表層ですとダイレクトに脳へのアプローチになります。筋膜は筋よりもメカノレセプターが多く含まれており、筋紡錘も腱紡錘も含まれています。特に圧や歪に対しての反応は神経系よりも早く、そして外力やトラウマに対して反応し伝達し記憶します。筋膜へのアプローチは情動へのアプローチへとつながっていくのです。私自身もとてもリリースされ長年の生活のなかでかなり膜が癒着しているのがわかりました。これからは膜をはがしつつbodyworkをしていったほうが効果的であろうと思っていましたが、これで確信に変わりました。
 

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