運動連鎖道場第五回勉強会報告

運動連鎖道場第五回勉強会報告


  遅れましたが、4月25日(土) 時間 18:00~21:00 運動連鎖道場第五回勉強会が、町田市文化交流センター会議室「サルビア」にて、テーマ:『運動連鎖の新しい発見』で開催されました。
 今回は一期生の小関さんと5期成の中安さん、畠山さんが発表されました。小関さんは胸郭の呼吸動態をsupineにて観察および触察し、上下部胸郭の評価をアプローチを紹介してくれました。その中で胸郭は左回旋位が多いのではという知見を報告してくれました。

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 6月25日に町田にて宗形テクニックの運動連鎖道場ブラッシュアップpart3がありますが、著書のなかでも上位頸椎の回旋変位の左半球と右半球の違いについて述べれていました。自転の影響は確かにあるのかもしれません。
 胸郭の変位に対するアプローチとして、胸郭の矯正のためにタオルなどを置いておくと呼吸の動態によって自然にアライメントが良くなるようです。カイロプラクティックにおいてもブロックテクニックといって、骨盤と肩甲骨に楔状のブロックを入れて自然に矯正するテクニックがあります。小関さんの場合、自らが工夫して考えていきついたところに価値があります。教科書で習ったりしたことではなく、自らが臨床を探究するなかで至った評価方法やテクニックは絶対忘れることがありません。何故ならそこには産みの苦しみがあるからです。結果のみをレクチャーされたり伝授されても、なかなか創始者を凌駕できないのはそのためなのです。創始者は後進のために学びやすくするために、洗練された形でカリキュラムを作ります。できるだけ無駄のないレールを引くわけですが、実際は多くの無駄のなかで生み出されたはずです。よく私もいろいろ考えて結果的に得られた結論に対してがっくりくることがあります。何故なら、こんな簡単な答えを導き出すためにいったいどれくらいの時間を費やしたのか!と思うとガックリくるのです。教えてしまえば一言で済んでしまうこともあります。奥儀とは往々にして平凡ななかに潜んでいるのかもしれません。いや奥儀とっているうちは一喜一憂して満足してしまっている自分がいる証拠かもしれません。

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 さて二人目の発表は中安さんです。PTBakaという勉強会でも発表した内容のようですが、足部の認知運動療法における効果です。脳卒中の患者さんでは踵がしっかりと歩くときに地面に接地しないことは多々ありますが、市販のやや硬めの車用品にて良く売っている白いスポンジを場合によっては踏んでいるだけで自然と気づきが得られ、歩容が良くなるというのです。どうやらその白いスポンジの絶妙な硬さが歩いている時の地面の反力と似ているのか、踏みつけると反発力にて着いている離れているという情報がフィードバックされやすいように感じました。もちろん気づきの差は感覚障害などによって個々様々ですので、教示を入れたり認知課題を提示したりしながら進めていきます。ちなみに中安さんは認知運動療法士だそうです。私も会員番号10番代の認知運動療法研究会員ですが認知運動療法士という認定制度は知りませんでした。健常者においても踵やつま先に荷重しやすさは左右があり、このスポンジ課題は健常者の歩行においても応用できるとのことでした。評価は骨盤の変位と踵荷重とつま先荷重にある程度傾向として分けられるようです。つまりPI腸骨側は踵荷重傾向にあり、課題はつま先へのスポンジ荷重が有効なようです。AS腸骨では逆なるわけです。

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 さて最後は5期成の畠山さんですが、非常に独創的で興味深い発表でした。足関節背屈のレベルにて距骨の前方型と後方型に分け、背屈の質を評価します。どういうことかといいますと、前距腓靭帯の弛みによるhyperなmobilityを有する足関節においては、アキレス腱や下腿三頭筋による粘弾性は生かせず、いわゆる弛みによって過剰な背屈運動を引き起こしてしまうのです。足関節の問題として背屈制限はよく聞きますが、過剰な背屈つまり筋腱による粘弾性が利かない背屈運動による機能障害を提示している画期的な内容といえます。一般的に背屈運動を促す時には距骨の脛骨と腓骨が形成するホゾ穴への滑り込みを促します。筋腱の粘弾性の大切さは、アキレス腱損傷後にelongationがおきてlagのようになると、グラングランの背屈になることからも明らかでしょう。また足関節脱臼骨折後の観血的整復術やボルトやピンによる固定によって、脛腓関節の不動により膝の屈伸によっても背屈ROMが変わらないタイプの背屈制限がおきることを考えると、脛腓関節の遊びの大切さがわかります。つまり足関節運動においては全可動域において筋腱の粘弾性が働きと脛腓関節のstabilityという二つの要素は不可欠といえます。

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 手術例でなくても、よくみられる機能障害として、距骨下関節が内反位のアライメントを呈することで、背屈運動時の足関節外反代償運動がみられることがあります。この場合は一つの足関節のなかで、内反と外反の相反する作用が重なり合っていることになり、結果として足部が硬くなります。つまりハイアーチの外反アライメントという矛盾が生じるのです。このときにさらに足アーチが潰れてくると、脛腓関節の弛みが生じ、距骨が前方に変位してくるのかもしれません。おそらく経過としては最終形、つまり重症度でいえば重度ということになるかもしれません。
 詳細はまだこれからの検証しだいということのようで、本人曰く10回の発表時間が必要とのことでした。次回からも畠山さんの足関節シリーズを楽しみにしておきましょう。ちなみに畠山さんは「イノベーター」という有志による勉強会を主催しているようで、ネーミングだけでも危険な香りがぷんぷんします。8月からイノベーター向けに研修会に出向いてきますが・・・はたまた何が飛び出すのか楽しみです。次回の勉強会は5/30日で開催場所はJR橋本駅前のミィヴィ内 8F 杜のホール橋本になります。かなりの申込者が殺到しており関心の高さがうかがえます。こうご期待 !!
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