腹斜筋の作用

腹斜筋はインナー?アウター?マッスル

 腹斜筋と肩のインナーマッスルとの連鎖については、すでに報告しましたが、果たしてこの連鎖の結果を見る限りは腹斜筋がインナーかアウターかは再度議論する必要があるように思われます。もともとはインナーとアウターという概念は人が後からつくった概念ですので、内にあるからインナー、外にあるからアウターという区分が全身にきれいに分けられるかというと難しいところがあります。おそらくインナーというのは表面から見えないが故に、意識できなかったということだと思われます。目に見える筋肉は視覚的にわかりますので、働きを意識しやすくなってきます。しかしながらインナーといわれる筋肉群は解剖学や運動学などが進歩してきて初めて意識しはじめた筋肉です。肩をみていて、骨頭が前方にでている病態は、運動学的にはものすごい簡単なメカニズムで説明できます。しかしながら治療の結果は芳しくない。このあたりも過去のブログで書きました。何かを見落としているはずだ・・・そういった思いがふつふつと湧いてきます。一般的に連鎖をみていると、部分の反応が悪い時は、間違いなく連鎖部位の機能障害が固定として働いています。ということは、同じように考えると、肩のインナーマッスルの機能を固定化させている他の関連部位があるはずだということです。アナトミカルトレインなどをみても筋連結は確かにありますが、あくまで上肢帯とのつながりです。解剖学的に連結がみられるといっても、結局どの筋肉をつなげて取り出すかは、解剖の仕方によってもですしその時の気持ちひとつです。結局筋膜の観点からはすべてつながっているというのが現状ですでの、全てを取り出すとひと固まりになってしまいます。これが人間ということです。解剖学的なつながりも外は外、内は内という連結だけでなく、ある所は内から外へ、外から内へと出入りしていてもおかしくありません。肩をみていく最初のとっかかりとして、まずはインナーであれば腹横筋とカフマッスルだろうと検証を始めました。しかしながら、特に反応はありません。どちかというと腹横筋は胸郭と一体となってカプセルのような関係をつくっており、後でも述べますが内臓を通して背骨そのものとの連鎖を形成しています。とするとその上にある腹斜筋はどうか?ということで肩のインナーと腹斜筋の連鎖をみていくと見事に反応がみられた・・・ということです。連鎖のメカニズムは歩行周期に照らし合わせて、運動プログラミング的な考察をしています。そのさらに背景として身体感覚の気づきがあります。ジャイロキネススのスタジオに通っているうちに、インナーつまり腹横筋の存在がはっきりと認識できるようになりました。ジャイロはスパイラルですので、必然的に腹斜筋の働きが促されます。つまり腹横筋がシリンダーでその回りを、滑らかに腹斜筋が滑っている感覚が得られてきたのです。腹斜筋を意識できることで腹横筋がよりはっきりと意識化できるようになったのです。回旋ということからいうと、肩のインナーと働きとしては一致します。このような肩関節への疑問と自らの身体感覚の進化により、腹斜筋と多裂筋および肩の連鎖が生まれたのです。なんでもローマは一日にしてならず・・・ですね。では腹横筋はどのような連鎖性がみられるのか?これはズバリ内臓です。腹腔として膜を形成、内臓を覆っています。その内臓が腹横筋の働きと連鎖しており、そしてさらに脊柱と連鎖しています。第五腰椎と仙腸関節や上位頸椎と顎関節などの特殊な部位はありますが、腹横筋をコントロールすると脊柱は連動的に動いてきます。今まで、特に下位頸椎、上位胸椎の変位やimmobilityに対してのアプローチには苦慮してきました。以下の新しい連鎖を紹介します。
腹横筋~脊椎連鎖
脊椎~内臓連鎖


見事に連鎖的な関係性があることがわかります。
箱根駅伝の5区山登りで柏木選手が驚異の区間新記録を打ち出し、東洋大学の優勝に大きく貢献しましたが、まさに彼の走りは腹横筋シリンダー走法なのです。stabilityとして安定しているだけでは動力になりません。ロコモーションの場合はさらに動力源としてシリンダーの周りをスパイラルしなければいけません。それが腹斜筋や背筋が滑らかに滑走することなのです。筋膜的にも背筋や肩甲骨は背中についているので前面の軟部組織よりも分離されていません。時には後ろ向きで背中に目がついているつもりで
走るといいですよ~
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今日は私がみている長距離大学選手に腹横筋シリンダー走法を伝授しました。走りが明らかに変わることが実感できました。


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コメント:2

liam58
九州でPTのものです。
内臓との関係は、私は回盲部を手で若干の圧迫して暖めたり、側臥位にて内・外腹斜筋の停止部を押すと肩関節可動域が向上します。
 あとは患者さんに腹巻きを教えてます。
 内臓の血流改善を基に考え治療してますがいかがなものでしょうか?

山本尚司
コメントありがとうございます。すでに実践しておられるんですね。
内臓に関しては腹横筋のテンションと相当関係がありそうです。腹部の内臓の膜的なリリース感や動かす方向性によって脊椎の動きを促すことができます。腹部を施術するということからいうと、多少の観点は違えども物理的な刺激方法や結果はほぼ同じだと思います。

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