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肩関節の運動連鎖アプローチの疑問と質問 「肩関節編」

○歩行時に肩甲骨を誘導するアプローチが、何処が解らないか気づけないほど理解できていません。全体を診ながらとの事でしたが、何処を中心に観察すれば診やすくなるか教えていただきたいです。

アンサー
観察的な動作分析は特定の部位を見て評価します。ところが肩甲骨を誘導しながらの分析は、傍についているのでセラピストは全体像が見えません。よって評価は重心の移動と加速度を感じることになります。つまり運動学ではなく運動力学、kinematicではなくkineticを見るのです。正確には物理的な指標は測定しないと数値化できませんが、アナログにて感じることで補います。正解か不正解かは、肩甲骨の操作による動きを比較することで相対的な変化と、患者さんの自覚的な歩きやすさと擦り合わせていきます。目で見るのではなく、体性感覚にて感じることです。


○肩甲骨の挙上下制のスライドでアウターとインナーの関係性が記載されていましたが、他の方向の運動の際のアウターとインナーの関連性も教えて欲しいです。

アンサー
肩甲骨のインナーは動きに特化しているわけではなく、すべての動きにおいてインナーとアウターの関係は同じです。例えば腹横筋が回旋だけに効いているわけではなく、全ての動きに対応する様に、肩甲挙筋や肩甲舌骨筋、小胸筋は一応の筋繊維の方向はあるものの、あくまで肩甲骨上部の安定性に関わっているということであり、一筋肉として見れば挙上や前傾に作用するということです。肩甲骨の安定性に寄与するのは、メジャーなのは前鋸筋と菱形筋であり、肩甲骨を胸郭にスタビライズさせる作用があります。前鋸筋も主動作は外転ですが、肩甲骨の安定性という観点からいうと、肩関節の屈曲、外転時に下制位から挙上位まで、全てのフェイズにて効いています。

◯また、対応するアウターの過活動を緩和してもなかなかインナーに反応が見られない場合は筋連結や筋膜のラインを意識して促通していけばいいですか??

アンサー
インナーを直接触診して刺激を入れるか、体幹との筋連結、前鋸筋と外腹斜筋などに着目してアプローチするか、または姿勢制御の観点から反応する四肢体幹の動きを試しながら、アプローチするなどの方法があります。


○腱板損傷や肩関節周囲炎の症例を担当するとき、スムーズに疼痛が緩和し、可動域が拡大することもあれば、難渋するケースもあります。
症例によって問題点は様々だと思いますが、まず着目すべき視点などはありますか??

アンサー
夜間痛の有無を必ずチェクします。極端にいうと夜間痛のあるうちに、いくら肩関節のインナーマッスルを促通しても効果は薄いです。夜間痛は急性期のみならず慢性期においても継続することがあります。これは日常生活の中にセーブしていたとしても何かしらの原因があるか、さらには普通に立っている寝ている姿勢そのものが負担になっている可能性があります。具体的には、肩甲骨が挙上しているいわゆるイカリ肩になっていると、上肢下垂位での大結節部も突き上がります。そうすると棘上筋は鋭角に曲がることになり、伸張ストレスが常にかかるようになってきます。つまり肩凝りテストでいう、下制テストにおいて下がらないという現象です。常に肩が上がって僧帽筋上部繊維にて引き上がっていることで、常に肩峰下にメカニカルストレスがかかり続けるのです。


○分からなかった点は、小胸筋と大胸筋の部分です。
大胸筋の緩みやすい位置の選び方、小胸筋の促通方法がイマイチ分からなかったので、もう1度教えていただきたいです。

小胸筋の促通方法ですが ①ダイレクト法:小胸筋の走行をイメージしながら肩甲骨をactive assistにて前傾させます。
②筋連結法:小胸筋ー胸骨筋ー腹直筋の連結を評価してリリース、または促通します。③アウター・インナーバランス法:大胸筋のリリースもしくは大胸筋の胸骨繊維と鎖骨部繊維のバランスを評価して、効きが悪い繊維について促通して大胸筋のバランスを整えることで、小胸筋の働きやすい環境を整える。④筋バランス法;前鋸筋、肩甲下筋によるプロトラクションを促通して大胸筋による骨頭の前方への牽引力を抑制する。⑤鎖骨調整:鎖骨の変位を修正して大胸筋の鎖骨部繊維のspasmを軽減させる。⑥大胸筋ー上腕二頭筋調整:上腕二頭筋長頭腱の結節間溝への調整にて大胸筋の安定性を高めて筋緊張を軽減させる。


○質問確認として…
午前の最後に肩こりの評価をしましたが、午後にアプローチについて触れたのでしょうか??

アンサー
アプローチ方法は小胸筋、肩甲挙筋、肩甲舌骨筋の触診と促通をしましたが、それが肩こりのリリースにつながってきます。また前回はやっていませんが、次回やる胸鎖乳突筋の調整や頭部顔面の調整なども有効となってきます。
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