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脳卒中片麻痺にピラティスを応用する基礎理論⑵

Category: bodywork
大臀筋とピラティス
臀筋を膨らませる!!
ピラティスを脳卒中に応用する基礎理論として紹介した第二弾になります。
この中でpelvic clockというエクササイズを冒頭に紹介したが、詳しく解説したい。
大臀筋の筋力低下と萎縮は脳卒中に限らず、実は整形外科疾患においても珍しくない。
特に膝関節の安定性stabilityを語る時には、大臀筋の機能は欠かせない。
大臀筋は主な働きはOKCにおける股関節伸展です。
CKCにおいてはスクワットなどエクセントリックな収縮となります。
つまりスクワットにおける大臀筋の作用は骨盤の前傾位いおいて、より伸張性を発揮できることになります。
しかしながらsupineにいて単独に大臀筋を収縮させると、骨盤は後傾します。
pelvic tilt に代表される腰痛体操において大臀筋を効かせるのと同じで、また脳卒中のリハビリや高齢者における運動療法にてbridgingのエクササイズにおいても骨盤は後傾しながらのアライメントになります。
ピラティスなどではその骨盤の後傾に伴うブリッジングを制御するために、膝を遠くに押しながら、または背骨を伸張させながらというcueが出されることになります。このように高齢者や腰痛予防のための、pelvic tiltの大臀筋の単独収縮という視点においては骨盤後傾となりますが、ボディワークにおいては、その骨盤後傾の影響を抑えることで制御するエクササイズになっています。
この辺りが筋力トレーニングとボディワークの違いとなります。
さてこの大臀筋の左右差に対して
通常の「ペルビッククロック」において臀筋にフォーカスを当ててエクササイズを行います。
大臀筋ペルビッククロック
・姿勢:仰臥位膝伸展位で行う。踵での代償動作を抑制できる。
・モニタリング:臀部にフォーカスを当てる.両手で骨盤を挟んでモニタリング。
① 前後傾
② 左右:Cue臀部を膨らませる.左右交互→左右同時
③ ラッピングセイクラム(仙骨):開閉(in-flare. out-flare)
(理論的背景)臀筋を収縮させる、締める、固くする、入れる、いずれも骨盤の過度な後傾を引き出すことになります。単独の臀筋の収縮であれば、それは筋トレになるわけで、狙っているのは骨盤輪のコントロール、閉鎖力force closureです。閉鎖力とは閉鎖位force coupleに戻すための力のことであり、相拮抗する作用が同局面において働くことで、平衡が保たれます。
臀筋も骨盤輪ペルビックリングを締めるためには、水平面の作用が必要であり、そのベクトル上に大臀筋が存在しているのです。
しかしながら股関節伸筋である大臀筋は、矢状面における作用であり、これをお相撲さんの廻しのように効かせるためのノウハウが必要となります。
筋肉とは起始と停止があり、主動作が説明されています。しかしながら忍犬の適応力というのはすごいもので、脳細胞もそうですが、思いもよらない新たな可塑性を見せることがあります。筋肉も例外ではなく、筋繊維の方向や解剖学的な優位性があるのですが、二足歩行への進化の過程で、四つ足にはなかった機能を身につけています。改編したといった方がいいのかもしれませんが、帳尻を合わせるような可及的な措置ですね。
例えば肩関節などは上肢の自由度を優先させるために、臼蓋に関節唇を分厚く張り巡らせることで、上腕骨頭を覆っています。だから無理もきて脱臼しやすい、故障しやすい。腰椎もそうですね。本来なら胸郭と骨盤は近い距離にあるのが、二足直立になるにあたって骨盤は縦長から横になり、ウエストができることで腰部は脆弱になりました。
その代わり回旋動作が加わりカップリングモーションが多様となり動きも自由度が増しました。しかしながら腰痛という宿命を背負います。
股関節内旋もそうですね。そもそも主動作筋らしきものがない。無理やり外転筋である中臀筋の、それも前部繊維を使って、無理くり運用している感が否めません。
このように二足直立になるにあたって骨盤も横から縦に直立を強いられ、その結果上下の剪断力が入ります。この剪断力こそが不安定性を助長する最大の因子なのです。
よって廻しや帯や、ベルトに腰のコルセットが全て水平面の締縄であるように、人間においても自身の機能にて水平面の締作用を生み出す必要があるのです。
一番ベクトルとして一致しているのが腹横筋です。しかしながら腹横筋は腰部がメインであり、ペルビックリングとしては不十分です。そうすると骨盤をグルッと取り囲んでいる筋肉は見当たらないわけで、よってとりあえずの、代用が必要となります。
そこで直接的に腸骨に付いている筋肉は何か?となると大臀筋や中臀筋、小臀筋などになるのです。
よって臀筋群を組み合わせて水平面の作用に転換しなければならないのです。
その具体的な方法が
臀筋を膨らませる!という魔法のキューになります‼️
膨らませるという言葉のイメージは風船のように膨張させる!これは誰もがイメージできます。
筋肉も知識としては伸筋などと覚えていますが、実際に詳しく起始や停止部を実感できることはなく、意識するといってもかなりファジーなのです。
臀筋を収縮させてしまえば、これは意図する水平面にならず、硬く締めるというキューは目的と違ってしまうのです。
しかしながら臀筋を作用させなければ、ペルビックリングの安定性を得られません。たしかに骨盤を思いっきり後傾させて、固めてしまえば固定力は得られますが、固めるという合目的な戦略に過ぎず、全体の機能として統合されなくなります。
過度な固定は可動性を失わせ、その結果動くという目的からは外れてきます。
膨らませる!というマジックワードは、筋肉を単独に収縮させて固めるという趣旨とは違うことが、最大のメリットであり、誰がやっても最大収縮にはならないのです。
よって前後傾には作用しにくく、骨盤の背面と前面の絶妙なコンビネーションを生み出すことができるのです。
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