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脳卒中片麻痺にピラティスを応用するための基礎理論

Category: bodywork
脳卒中片麻痺患者に対してピラティスを応用して機能回復を促すためには、脳卒中機能について説明していきます。
原則ピラティスを応用していく場合、下記のブルンストロームステージⅣ以上が望ましいといえます。
つまり、共同運動という反射的なパターン運動から、動きが分離して自由度の兆しが見えている状態です。
具体的にいうとピラティスでは主に下肢が対象となります。
上肢は少なくともオンエルボーにおけるプランク姿勢を、胸の下に枕やクッションを敷いてサポートできるレベルが必要となりますので、やはりステージのⅣ以上が必要となってきます。手指においてはポジショニングの段階で、他動的に指を伸展させてしっかりと床面に掌が接着した状態にセッティングします。
 下肢におけるステージⅣ以上の特徴は、膝が屈曲できるということです。脳卒中において膝が随意的に屈曲できるというのは結構難易度が高く、また体重支持の役割においてまず必要となるのは伸展パターンであり、伸展筋の筋緊張ということになります。立つためには大腿四頭筋や臀筋の筋肉があれば足は装具にてサポートできます。よって膝の屈曲は確かに正常歩行においては屈曲相が必要ですが、屈曲筋がそこまで必要かと言われると、実はハムストリングスの筋力がなければ脳卒中の片麻痺患者は歩けないという論証はない。膝は随意的にそれほど曲がらなくても可動性があって、後は装具にて背屈をつけておけば大腿四頭筋によって支持できるという程だからです。
 つまり歩行においてICからLRにかけてが基本的な歩行における条件であり、立脚後期における蹴り出しは、ぶん回し歩行か、骨盤挙上による代償によって補えるということです。
 よってリハビリにおいても膝屈曲運動レッグカールなどの類のエクササイズや運動療法はほぼ見られず、体幹と骨盤の安定性と足部は装具、後は支持力としての臀筋といったところです。大腿四頭筋でさえも伸展パターンの緊張が上がってしまうということで、脳卒中リハビリにいては主ではなく、むしろ伸展パターンの筋緊張によって支持はできるでしょうというスタンスです。
 ではハムストリングスをエクササイズすることの壱岐はどこにあるか?それは立脚後期の蹴り出しにおける膝の安定性にものすごく関わってきます。蹴り出しは爪先立ち状態となっていますので、踵は浮きます。つまり膝は軽度屈曲位いて股関節伸展の足関節底屈という空間の中でのポジションにて、伸筋と屈筋のボリュームを調整しながら安定させなければならないのです。特に脳卒中における膝屈曲の難しさは、レッグカールに見られるうつ伏せでの屈曲です。
そして求心的な屈曲はまだいいのですが、エクセントリックな屈曲においてのコントロールは本当に難易度が高いのです。

しかしながらピラティスにおいては、この屈曲位を保持するまたは促すためのエクササイズがいくつかあります。
そこにコアーコントロールを入れることで、すでにピラティスコンセプトになるのです。

○ブルンストローム・ステージ(Brunnstrom stage)とは、片麻痺の回復過程をステージ化した 評価法。ステージI~VIまでがあり、上肢・下肢・手指で評価を行う。

<上肢・手・下肢>
I:随意運動なし(弛緩)
II:共同運動またはその要素の最初の出現期(痙性発現)
III:共同運動またはその要素を随意的に起こしうる(痙性著明)
IV:基本的共同運動から逸脱した運動(痙性やや弱まる)
V:基本的共同運動から独立した運動(痙性減少)

VI:協調運動ほとんど正常(痙性最小期)

<上肢>
I:弛緩期
反射的にも随意的にも運動・筋収縮がない状態。
II:痙性発現期
多少の痙性と共同運動パターンの出現期で、連合反応あるいは随意的におこる筋収縮がみられる
状態。
III:痙性極期
随意的に共同運動またはその一部の要素による運動を起こすことができる状態。
共同運動パターン(屈筋共同運動・伸筋共同運動)が最も強くなる時期。
IV:痙性(やや)減弱期
共同運動パターンから分離しはじめた状態で、下記の運動が可能となる。

1) 手を腰の後ろに回す
2) 腕を前方水平位に挙上する
3) 肘関節90°屈曲位で前腕を回内・回外する

V:痙性減少期
共同運動パターンからかなり分離した運動ができる状態で、下記の運動が可能となる。

1) 腕を側方水平位に挙上する
2) 腕を頭上まで挙上する
3) 肘関節伸展位で前方または側方水平位で腕を回旋する

VI:痙性最小期 単一の関節運動が自由に可能となり協調運動もほとんど正常になる。ほぼ正常な動作ができる状態。

<下肢>
(各段階の麻痺状態は上肢と同じ)
I:全く随意性がみられない状態。
II:多少の痙性と共同運動がみられる状態。連合反応としてレイミステ反応がみられる時期。
III:痙性が最も強い状態。屈筋共同運動・伸筋共同運動パターンが最も強く現れる時期。
IV:痙性がやや減弱し、共同運動パターンから分離し始めた状態。下記の運動が可能となる。
1) 坐位での膝関節伸展
2) 坐位で膝関節を90°以上屈曲して足を床の後方へ滑らす
3) 坐位で踵を床から離さずに足関節を背屈する

V:さらに共同運動パターンから分離した状態。下記の運動が可能になる。
1) 立位で股関節伸展位で膝関節を屈曲する
2) 立位で足を少し前方に出し、踵を床につけたまま足関節を背屈する
3) 坐位で股関節を内旋する

VI:協調運動がほぼ正常にできる状態。下記の運動が可能になる。
1) 立位で膝関節伸展位のまま股関節を外転する
2) 立位での足踏み

<手指>
I:弛緩状態で、手指が全く動かない状態。
II:自動的に手指の屈曲のみがわずかにできる状態。
III:随意的に全指同時握り(集団屈曲)や鉤握りができる状態。しかし随意的な伸展はできない。
IV:集団伸展が一部可能となり、横つまみができる状態。
V:集団伸展が充分にでき、対向つまみ・筒握り・球握りができる状態。しかし動きは不器用で実用性は低い。
VI:全ての握りやつまみが可能となり、巧緻性も改善し完全な伸展ができる状態。個別の手指の運
動はできるが健側に比べ正確さは劣る。
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