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「スポーツリハビリテーション」と「アスレチックリハビリテーション 」

ACL損傷の予防~トレーニングの視点から~
モーグル競技におけるACL損傷が多発した時期に、いかにACL損傷を未然に防ぐことができるか?
まずその原因は何なのか?
数年前にこのような取り組みを協会あげて開始したようです。
リハビリではKnee-in Toe-outという機序が定説となっており、コンタクトの外傷であれば前述の機序で、自損においてはtoe-in knee-N~outという可能性もあります。理学療法士においてもビデオ解析によって、損傷パターンがアライメントという観点からでは、必ずしもknee-in toe-outパターンとして言い切れるものではないとされています。
つまり理学療法ではアライメントという文化があり、その切り口において語られ完結することが多いのです。このような理論が発達していった背景には、バスケットボールにおけるACL損傷のスポーツリハビリテーションが起源だからです。もちろん一つの結論は原理原則となり考えるベースとなっていきますが、例えばモーグル競技の場合、斜度が30°近い雪原において尚且つ凸凹のコブが連続している中で、果たしてpivotやtwistingといったドリルで網羅できるか?と言われると全く違った要素が山ほどあることは想像に硬いです。
膝が内側に入らないようにスキー板をコントロールしなさいという次元では、語れない落ちるという表現が近い競技なのです。つまり、原因をACLの走行におけるバイオメカニクスというクローズなモデルだけではなく、フィジカルコンディション全ての多変量の要素を抽出して、尚且つ予防のためには雪原というサーフェイスにおける対応といった要素も加味しなければなりません。どうやらモーグル競技のビンディングや板は特有のmobilityがあるようで、その辺りも考慮した上でのプロジェクトのスタートだったようです。最初はランディングにおいての受傷を想像していたようですが、実査に起きた機序としては滑走中の左へのカーブを切ったと場面だったようで、それを関係者が6時間見続けて議論した結果「わからない」ということからのスタートだったとのことでした。
アスレチックリハビリテーションとスポーツリハビリテーションの違いは、今までは何となくその時々で使われていて、明確に定義分けされていないようでしたので、別段気にもとめていなかったのですが、このニュアンスの違いが実は大きいことが改めて思います。このニュアンスレベルの方向性の違いは、例えばスポーツリハビリテーションは理学療法が起源であり、アスレチックリハビリテーションはスポーツ分野からの発祥ということの根本的なスタートの違いがあります。
それはalignmentという医療的な視点での身体構造からの派生としての、ダイナミックalignmentからのパフォーマンスに発生要因を帰結させる事が出来ました。そこでスポーツリハビリテーションにおけるアプローチでは、膝関節の筋力や可動性といった視点だけでなく、予防のためのエクササイズとしてpivotやtwistingが導入されました。また期せずしてエクササイズにおける効果としてOKCとCKC理論が登場し、よりCKCの効果が高いといった知見も出てきた時期だったのです。これが私が理学療法士になった約30年前のことです。
しかしながらこのダイナミックalignmentといった視座を与えてくれたのは、バイオメカニクスだったのです。バイオメカニクスとは体育系であり工学系であったりします。つまり当時はリハビリテーションの中で、そのようなバイオメカニクスを研究して新しい知見を出してくるといった流れはありませんでした。その知見を応用することができたのが、理学療法士だったのです。当時はスポーツにおけるバイオメカニクスにしても身体におけるバイオメカニクスにおいても、それほど多くのソースがありませんでしたので、だれもが同じようなツールにて物事を語れた時代でもあります。 ほどなくしてインナーマッスル、コアマッスル、体幹、という概念が登場するたびに、最早、理学療法士独自のと言っている間もないほどに世界は情報化社会となり、いつのまにかボーダレスとなって我々も知らないうちに医療現場に体育や芸術からの知見が融合しています。
もはや起源が何だったのか?時系列も他業界の変遷など、多面的に見ることさえも難しくてなっています。日々変わる可能性のある時代において、みずからが所属している団体においても今何が起きているのか把握することが容易でない状況だからです。よって理学療法士が語ったからと言って、それが業界のスタンダードでもなく常識でもないということなのです。
こだわりは停滞であり、一歩を踏み出すフットワークを鈍らせることになる。
しかしながら糸の切れた凧のように、繋がっていないとどこに飛んでいくのかわからなくなって、やがて大海の中で浮遊することになりかねません。
つまりスポーツリハビリテーションにおいても、元々はバイオメカニクスなどの他分野からの研究結果を、臨床にて応用する転換するという作業を繰り返すことことによって、発展してきた経緯があるのです。
体幹においても力学的平衡理論によって剛体モデルとしての体幹が生まれましたが、今やその体幹は日本独自の発展の仕方を遂げ、運動療法ではなく体幹トレーニングとして広くて社会に浸透しています。海外からはコアマッスル、コアエクササイズ、コアトレーニングという表現になりますが、この体幹における広がりは日本独自であり、間違いなくリハビリ主導での推進ではなく、トップアスリートがトレーニング専門のトレーナーについて、コンディショニングのひとつとして取り入れたことによります。
競技成績との相関は誰も分かりませんが、飛躍的にパフォーマンスが向上した選手のコメントや、メデイアなどの取り上げにおいての露出によって市民権を得たのです。
理学療法においては体幹トレーニングが紹介され出した頃には、あれはインナーではない‼️ということで、理学療法の考える体幹とは定義が違っていたのです。
インナーマッスルとなれば腹横筋真っ盛りで、ドローイン一辺倒でした。元来はコアエクササイズ、コアコントロールと広がりを見せた時に、スポーツにおいて延々とお腹を凹ませながらできるわけがありません。さらには柔軟性のある競技において、腰部を固定化すると言ったニュアンスに近かった理学療法理論では、応用しようがなかったのです。結論としては合目的にインナーを効かせるためのクローズな方法論であり、人が動くということにおける一つのピースにしか過ぎないのです。
人間というのは後になってみると「それは当たり前だよな」ということであっても当時は「これしかない」と思い込むことは度々です。不思議なことに一度思い込むとその呪縛から抜けることが難しいのが人間です。そしていつの間にか市民権を得て、一般大衆の中に浸透し概ね認知されたことについては、誰も反論しなくなるのです。出たてやマイノリティーの段階では、世間は懐疑的です。一つの業界だけでしたら、まだ狭い世界ですので反対意見もちょっとした派を形成できます。しかし世論を相手にしてはたじろぎます。そしてあたかもそんな議論や論争もなかったかのように、平然と存在することになり、新しい世代はそのような経緯を知る由もなく全く新しい価値観のもとに歩み出します。一世代前の人達は当然乗り遅れることも多々あり、それが時代錯誤となっていつの時代でも揶揄されているのです。
プランク2
プランクは理学療法でしょうか?いつから使い出しました?いつ理学療法や医学会にてこのエクササイズが研究され、効果的だと言われたでしょうか?文献は?このプランクというエクササイズは、いつに間にかリハビリにおいて市民権を得た、不思議なエクササイズなのです。効果云々というよりも既に皆がやっているので、誰も何も言えませんね。
つまり体幹の代表的なエクササイズとして、今やドローインよりもプランクなのです。体幹の定義はインナーマッスルだった理学療法において、今は体幹の解釈はどうなっているのでしょうか?スポーツ業界において体幹は既に体幹トレーニングになっており、イニシアチブは完全にスポーツ業界のトレーニングになっています。そしてリハビリテーションもスポーツリハビリというリハビリ寄りから、アスレチックリハビリテーションがさらに進化を増して、動きづくりの先頭を走っていると言っても過言ではないでしょう。私自身も理学療法モード、イントラモード、トレーナーモードと最近は使い分けていますが、それぞれに持ち味があります。現段階ではストーリーがあり包括的に身体を見ることの文化であるトレーニングを指導するトレーナーが、頭一つ抜けているように感じます。つまり目的ではなく手段として最も洗練しているのはどれか?となると理学療法は個の職人カラーが出やすい、イントラは流派に哲学が強く創始者のカラーが前面に出ています。トレーナーはあくまでツールは手段であり目的は結果なのです。
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