内在的運動連鎖と観察的な運動連鎖

内在的運動連鎖と外部観察的な運動連鎖のバランス

なんてことはない振り向き動作ですが、上肢帯の重さを軽減させたこの頚部回旋動作における楽さは必見ものです。観察的な動きとしては頚部の回旋、内在的には頸椎の回旋さらには頚部周囲の軟部組織の伸長などがあります。さらには胸椎や腰部の回旋、身体軸の変位なども多分に影響してきます。
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運動連鎖アプローチ研究会では外部観察的な運動連鎖と内在的な運動連鎖を提唱しています。外部観察的な運動連鎖はいわゆる動作分析として従来から実施されているものです。四肢や体幹の時間的空間的な変位を刻々とおっていきます。動作分析は理学療法の分野で古くから重要視されてきたこともあり、すべての理学療法士が学生時代から慣れ親しんでいます。しかしながら、この慣れ親しんだ理学療法ツールが臨床では武器にならないという皮肉な結果を招いています。いや、そんなことはない!!と思っている方はたくさんいると思いますが、これは関東の理学療法士か昭和大学系列の信望者に限定されます。実は理学療法には地域性があります。当たり前と思っている理学療法が地方ではまるで通じないということは、あちこち行っていると多々あります。これは環境による影響といえます。その病院や地域の指導的な立場のPTの価値観と流れが脈々と受け継がれているからです。
 スポーツにおいても既存の殻を破って新たなステージに上がるのは並大抵なことではありません。男子バレーがめでたくオリンピックに出場が決まりましたが、それこそ人間力から構築しなおしたことの記述があります。挨拶や礼儀など!!まるで高校バレーのごとくです。実業団のバレーは概して選手個人にコート以外の生活は任されていることが多く、頭ごなしに生活全般についてはあれこれいいません。大人だからという言い分でしょうが、人間はいくつになっても教育されないと甘えてしまうという習性があります。
 話が飛びましたが、観察的な運動連鎖を臨床に生かすことの難しさは分析と評価という観点からはいいのですが、目の前の患者の愁訴に直結しなければ意味がありません。最近外来メインのクリニックが増えてきており、総合病院や入院メインの病院では比較にならないくらい即時的な結果を求められます。手術後や高齢者中心の患者、もしくは下肢・体幹が構築学的な変性が強ければ強いほど、連鎖は単純化して考えられますので理論的にストーリーが組みやすくなります。しかしながら、原因不明の腰痛や整形外科的なテストや画像診断ではすでに結果がでており、あとは保存的に加療するのみといった時に、初めて機能的な理学療法評価(診断)が必要になってきます。診断とカッコ書きにしたのは本来は我々も診療ブースをもって、医師と同時進行で診断をするべきなのです。評価をするとなると診断よりも核心に触れることができなくなります。理学療法評価はMMTやROMに代表されるように筋力と柔軟性に特化してみることができ、それは現象でしかない可能性があるのです。筋力とROMが落ちているから機能障害が引き起こされた??。その程度のことでは、診断にはならないでしょう。しかしながら、逆に考えればPTはROMとMMが得意技なのです。この得意技を本来はもっとアピールすべきなのです。このROMとMMTでは治癒や原因に直結しないということをわかっているようで、多くのセラピストはさらに探究してROMとMMTに興味を持つことはありません。しかしです、実際に治療ツールとしては筋力強化とストレッチがメインとなることは多々あります。本当に機能診断を依頼されたと過程した場合、周りが納得するような説明と結果を出す必要がでてきます。医師が行う診断と同じではしょうがありませんので、理学療法ならではの独自な観点からの評価方法が必要です。経過観察的な対処方法や生活上の指導だけでは、おそらく信頼はえられないでしょう。我々が医師を評価するときの基準としては、適格な診断力と対処と指示だと思います。もし同じように医師が評価されるように我々PTの機能診断力も医師や看護師からみられる立場となったのならば、名医と呼ばれるセラピストはどのようなタイプでしょうか?
 筋力でも、どれぐらいしたら回復が見込めますという患者がその気になる説明が不可欠です。患者さんの自己責任もありますが、治癒の責任を患者比重にしすぎるのはセラピスト自身の責任逃れともいえますので、やる気も含めてマネージメントすることが我々の責務なのです。
 さて、話を本論に戻しますと、観察的な運動連鎖は内在的な環境が整った後に、実用性のある身体活動につなげる時に不可欠となります。最初から観察的な運動連鎖に対してアプローチした場合、内在的な運動連鎖がどこまで改善するのか?観察的な運動連鎖に最近はbodyworkが加わりコアーをコントロールする術ば確立してきました。コアーは身体運動において最も核となる部位であり、ルーチンとしてアプローチしても何かしら良くなる可能性があるといえます。観察的な運動連鎖としては姿勢、アライメントや動作分析が基本となり姿勢制御、ストラテジーなどの動的な評価が加わってきます。往々にして最初からこの動的なアプローチでは難しい場合が患者レベルでは多々あります。しかしこの観察的な運動連鎖に、軸と和風洋風の身体機能を加味するとさらに治療効果は向上してきます。そして新たなカテゴリーが体幹です。脊柱のダイナミクスへのアプローチをすることで、多くの治療効果が期待できます。では内在的な連鎖を整えることでどこまで外郭的な構造にまで波及するのか?動的な動きの前に下準備の必要な段階にある患者さまは沢山おられます。しかしながら、そこには意識性と能動性が入ってこなければあまり意味をなしません。最後はフィットネスにつなげなければ身体運動にはつながらないからです。この内在的な運動連鎖を整える手段として体幹を構成する横隔膜呼吸を誘導すること、脊柱のaxial elongation、そして分節的な動きであるアーティキュレーションというピラティスの最も得意とする概念を導入していきます。さらには脊柱カーブと軸ですね。この脊柱に対しても髄核連動という発想を取り入れることでさらに効果は倍増します。さらにstaticになると運動連鎖アプローチ研究会でも提唱している、筋膜の流れ、関節の内圧評価、ニュートラル評価が加わってきます。さらに同じ系統の評価としてトーマスマイヤーが提唱している流れ、つまりのところ筋膜と筋連結に対してのアプローチ、身体呼吸などの身体内圧評価などの除重力下での調整があります。
 このように内在的・観察的な運動連鎖に関わる諸因子を列記するだけで、これだけの項目があがります。問題はルーチンワークでやることを決めてアプローチするのではなく、必ず施術の部位と順番に意味を持たせる必要があります。性格的にいつもここはルーチンでアプローチしようという発想では、納得がいかないので治療効果がかんばしくありません。時間がかかり効率も良くない、理由を考えながらアプローチするというのが私には合っているようです。この理由を考えて施術という流れがリズムにのって、お互いがリズム性をもつことでセロトニンが分泌されて心地よくなるような治療ができればいいですね。リズム性のある指導というbodyworkerの得意なノセル技術をリハビリの現場にも応用すること、それも個別性をもたしながらstaticからdynamicへと流れを切らせないでといのが当面の目標になりそうですね。





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