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ヒジ関節における「肘筋」の役割について

肘筋
肘筋4 エッセンシャルキネシオロジー:南江堂P111より引用
起始:上腕骨外側上顆の後面
停止:尺骨の肘頭
神経支配:橈骨神経
作用:肘伸展
他:肘の回内外における安定性に関与
自分で検証してみると、この肘筋は肘を張って回内位から手関節を尺屈に保持するときに収縮します。
短い筋ですので膝窩筋のように固定に働く筋であろうことは予想がつきますが、ポジションとして作業姿勢における頻用する動作において特化して進化したものと考えられます。
violin.jpg
私家版楽器時点より引用
具体的には🎻バイオリンを弾く時の肘の張った姿勢において、最も肘筋の働きが分かりやすくなります。
演奏もクライマックスに入ってきて、全身を使って弦を弾く時に、特に動員されてきます。
作業をするということは、関節の自由度を減らして合目的な肢位に保持することに他ならない。
最終的に手によって作業を遂行するために上肢帯は協調するわけですが、手先の作業ではなくモーメントアームとして腕全体を剛体モデルに転換する場合に、この肘筋が発揮されるということです。
やり投げイラストレインより引用
やり投げ動作はモーメントアームを発揮する最たるパフォーマンスであり、原始時代には狩猟において威力を発揮したものを思われます。弓をひく動作なども肘の固定が求められますね。現代においては生きるためにモーメントアームを使うことは少なくなりましたが、スポーツや格闘技においては多様されています。特に格闘技でブンブン振り回すタイプのパンチは、ブーメランフックやハンマーフックなどと形容されます。
このブーメランフックは、アームが最も伸びた位置でも最大のパワーを拳に伝えることができるため、相手にとっては脅威となります。普通のフックはある程度近い距離から、肘を畳んで身体の回転を利用して、短くショートアッパー気味に決めます。つまり振り回すことにより大きな遠心を利用するのではなく、短く小さく振ることにより一瞬にパワーを集約させることになります。ショートアッパーの場合には肘筋の作用は限局的で、大胸筋や上腕二頭筋など屈筋群にて肘を固定することによる。
何かを押したりするときもこの肘の固定は不可欠であり、完全伸展位にてロックすることは返って力の伝達がしづらくなる。よって多きな力をアームに伝達するときは軽度屈曲位となります。この時に関節をつなぐ短い筋肉にて留め金としてに作用により、長い筋肉や大きな筋肉の効率性を高めているのです。
このように肘のモーメントアームとしての固定位は、上肢肩甲帯の全てのパーツが相拮抗するバランスを演出しており、主動作筋も拮抗筋も協調的に作用しています。つまり筋の長さも極端に短縮していたり伸びていたりということもなく、関節包も肩関節で言えばZERO ポジションのような、緊張のないメカニカルストレスのかからないポジションとなっています。
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