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足部アーチと脊柱彎曲の連鎖

前回の記事で足部のボトムダウンによるアーチ形成についての理論を紹介しました。

今回は何故にボトムダウンなのかということを強調していきたいと思います。

足部から上行性の運動連鎖はバイオメカニクスを代表とする理論体系が昔から説明されており、我々もそのように頭で当たり前のように認識しています。ましてや重量下ですから下から建物がそびえ立つというのは当たり前のこととして地球上に暮らしています。よって頭部からボトムダウンに下降性の連鎖にて足部アーチを形成する、もしくは影響を与えるということは考えにくい発想と言えます。建物として考えると確かにビルの基礎が崩れるといくら上階を組み立てても、基礎が直ることはありません。ということは建物的には土台をしっかりと作ってから上に伸ばしていくということになります。

人間も含めてだと思いますが生き物の不思議なところは、このように無機質ではなく有機質な存在である、もう少し言えば生命として息づいていることにおいて、重力などの物理の法則は受けてはいるものの、それだけが構造を決める全てではなく、機械論的なモデルのみでは説明がつかない現象が多々あります。というのは、ロボットが人間のように歩けないように、また人間型のアンドロイドが映画のように実在しないのは、機械論的なシステムだけではないことを物語っています。AIのように全く人間とは違うアルゴリズムで人間をある面では超えてくる存在が出てくるかもしれませんが、現在のところ人間型のロボットを作ることはできません。

このことからも演繹的に考えると、下降性の運動連鎖として構造にも上手く活用すれば足の形態においても改善を促すことができるかもしれないと考えるべきでしょう。

足部はインソールを作成していると分かりますが、本当に崩れてしまうとケーキの型のようにお当てはめた方が合理的であることは間違いありません。形だけを見ればそうですが、機能から見れば固めてしまうことによってロコモーションを犠牲にしてしまいます。この辺りは目的がなんなのか?その人の目指す活動によって方針は変わってきます。足の変形のみで本当に立てないのであればそれは立てるという合目的な判断にて、固めてしまうこともありでしょう。その時に動く歩くということにおいて歩容はある程度は目を瞑ることになります。つまり立てないよりは立てるようがいいでしょう!ということです。このように必然性に合致した時にこそ治療はお互い折り合いがついたということになります。

さて重力が抗するわけですから、そう簡単なことではありません。仮に重力が逆さまであれば下行性の運動連鎖は容易になります。ということは重さと反比例して下降性の運動連鎖の影響は打ち消されてしまうのです。

と言うことは、どれぐらい下行性の運動連鎖の確率を上げていくかと言うことにつきます。
「下行性の運動連鎖のための条件」
⑴膜系の頭頂部への収束
⑵呼吸動態:胸腔と腹腔のバルーン効果
⑶⑵の呼吸動態と骨盤輪の開閉力
⑷脊柱S字カーブ
⑸足部アーチ 


今回は⑷のS字カーブと⑸の足部アーチについて述べていきます。
足部アーチと脊柱S字カーブの関係
①横アーチ:頚椎前弯
②内側縦アーチ:胸椎後弯
③外側縦アーチ:腰椎前弯
④踵:骨盤

 この関係はリフレクソロジーやゾーンセラピーのような反射区の足裏マッサージの配列などにおいても、踵が骨盤帯そして足趾が頭部顔面へと対応しています。また歩行においても踵接地はICであり、IC〜LRにおいて、踵→外側アーチへと荷重が移行していきます。
 つまりICの踵接地では骨盤帯の閉鎖力に伴う腸骨筋が作動し、〜MStにおいては足部のpronationが最大になるphaseであり、この時に内側アーチへの荷重移行となり大腰筋が参画してきます。もちろん完全に一側のアーチのみの荷重へと明確にアーチ間で移行するわけではありません。動きの連続の中で重なりながら移行していくことになります。

老人 高齢者になると背骨が曲がってきて直立が難しくなります。運動連鎖においては姿勢制御の戦略として上下のstrategyが発動することによって、重心を下げるとことになります。もちろん高齢者の場合には運動器のみならず複合的に機能低下が起こることによって結果的に姿勢変化という表象になるわけです。
 若者においても不良姿勢を起こしますが、これは例えば蹴り出せない、TStにおいて足趾でtoe offできないとしたら、前方に進むための戦略として頭頸部を前方位に偏位させることによって前に重心を移動させようとします。つまり、つま先でしっかりと蹴れないことによる、矢状面における対応なのです。

この蹴り出しにおける代償として頭頸部の屈曲があります。つまり蹴り出しはつま先ですので、横アーチ(足趾)ということになります。横アーチの蹴り出し時に頚椎の前弯がstabilizeされることによって、脊柱の安定性による前方移動というstratagyが成立するのです。
 同じように考えるとICは骨盤帯との連鎖、そして外側アーチは腰椎前弯、内側アーチは胸椎後弯との床反力が下肢を伝播して上行して頭部へ抜けていきます。足元から頭部へ床反力が伝播する。その時に矢状面における脊柱アライメントが崩れないことが大切なのです。
 具体的なアプローチとしては、それぞれの足底部位を刺激しながら、もしくは内在筋を促通しながら該当する脊柱カーブを意識してもらい、足部と脊柱の対応部位を常に同期させることによって、脳内のニューラルネットワークに働きかけるのです。

このような一連の機序によって、実は足部だけでなく対応部位としてさらに上行性に意識することによって、結果的に下行性に足部のアーチ形成に対するstabilityとなるのです。
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