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複合的運動連鎖症候群

複合的運動連鎖症候群の定義とは?

運動連鎖の基本として二点が一点に感じる部位を、触診の基本としています。
つまりバイオメカニクスだけでは分かり得ない、離れた部位の関係性についての因果関係を紐解く方法です。
バイオメカニクスの観点からですと、運動面をある一定の条件にして、規定しなければ測定はできません。
つまり機械論的に説明するためには、条件設定が必要となり、力学的モデルなど、剛体モデルにて計算できる形態に模写する必要があるのです。
 しかしながら、実際には機械でもロボットでもない、自由度とまた姿勢制御という多様な戦略を取捨選択しながら、同じ連鎖は二度ないとうほどに多様性に富んでいます。
また高齢者になると姿勢制御の戦略幅が狭くなり、自由度と汎用性が無くなります。
つまり足からの上行性においてもアーチが低下する回内足において、膝が内側に入るということそのものが既に修正能力が欠如していれば達成できない領域であり、傾いた剛体が元に戻ろうとする作用そのものが損なわれてしまうからです。
よって足部アーチが低下しての、姿勢変化は若年者と高齢者では違うように、既に剛体モデルでは証明できないということです。
 私のライフワークが左右差に他なりませんが、この左右差は高齢者において変性側弯を代表として、明らかな傾きとなって現れてきます。
 いきなり傾くわけではなく、誰もがその素因を持っていて、ある年齢を境に堰を切ったように溢れ出てきます。
この年齢が60歳~70歳ぐらいに兆候としてでてくるイメージです。
つまり運動連鎖から評価をすると、姿勢や見た目は直立で問題なくても、その内在的な運動連鎖は明らかに複合的に絡み合っています。
 例えば片脚起立において、Trendelenburg兆候 様に骨盤の下制が見られたとして、片脚起立バランスが悪くなる様なケースがあります。片脚バランスといっても出来るか出来ないか?と言われると出来るのですが、バレエの様な高難度なパフォーマンスになると、途端に左右のバランスの差が顕著となってきます。

この様な場合、中臀筋を見れば確かに片側性に弱化が見られるかもしれませんが、だからと言って中臀筋エクササイズをすれば改善するかというと、必ずしも著効を示すわけではありません。
 歩行のphaseで言えばMS(立脚中期)に当たる、足部の相対的回内位における骨盤のswayは、拮抗した前額面における平衡が求められます。筋力要因だけでなく、まさに重力下における運動連鎖が不可欠なのです。

 その片脚バランスにおいても前額面での偏移だけではなく、踵の後外側に荷重すると矢状面と水平面のモーメントが加わってきます。すると骨盤の回旋のみならず、下肢全体の連鎖を見る必要があります。
 
 足部の相対的回内➕後脛骨筋~大内転筋からの連動した収縮➕骨盤に対して下肢の相対的内転位下での、エクセントリックな腰方形筋~中臀筋の促通➕胸郭の拡張性➕頚椎回旋~肩甲骨連鎖➕眼球運動~後頭下筋の収縮

 これらを抗重力下において、姿勢制御下にアライメントのコントロールをモニタリングしながら筋収縮を促し連動させていきます。
 もちろん最初は臥位から始めて、徐々に立位に移行しても大丈夫です。

軽度の運動連鎖障害
     ある特定部位に対して改善のためのアプローチをすることで上行性、下降性に運動の連鎖が波及する。つまり局所のアプローチにて全体に波及して、運動連鎖が改善する身体機能のホメオスターシスが高いタイプ。若年者やスポーツ選手など、自然治癒能力が高い、いわゆる直ぐに良くなるケース。

中等度の運動連鎖障害
局所のアプローチにて隣接する部位への波及が弱いタイプ。極所の関節変位や機能障害が進んでいて、愁訴部位へのダイレクトなアプローチが返って負担になるケース。このようなケースには外堀から埋めていくアプローチにて、自然修正能力を高めることができる。愁訴部位をモニタリングポイントとして、反応のある二点が一点に感じる部位を探索する。比較的、機能障害の急性期から亜急性期に適応となる。

重度の運動連鎖障害《複合的運動連鎖障害》
 代償を繰り返し、特に誘引なく機能障害が発生するケース。身体全体の修正能力のキャパシティが減少して、ある基線を超えた時に溢れ出す現象。痛みや不動や固定期間が長く、いわゆる動かし方や歩き方を忘れてしまったという感覚が生じている。廃用や筋硬結などが身体各部に散在しており、そのために何度も目に見えない代償を繰り返して、正中を保っている。このようなケースはアライメントやバイオメカニクス的にも明らかな問題を強固に有しており、しかしながら機械論的に戻るわけではない。構造的な視点とともに上部平衡系を重ね合わせる必要がある。また姿勢制御を上乗せすることで、多種の自己修正のためのモダリティを参画させる。

以上を踏まえて複合的運動連鎖症候群の定義をまとめると、
1.複合的に外観および内在的な運動連鎖が絡み合っている。
2.絡み合った運動連鎖により、局所や、一対一のアプローチでは紐解くことができない。
3.発症機転や誘引がない。
4.将来的に変性側弯などの明らかな姿勢の偏向への序章となる。
5.運動連鎖アプローチにおいては、姿勢制御、上部平衡系、バイオメカニクス、アライメントを複合的に組み合わせて、多種のモダリティを同期させることが有効となる。 
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