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側彎症のリハビリは何故難しいのか?効果を出すためのポイントとは?

側弯症に対する脊柱の積み上げ理論

側彎症に対する考え方とアプローチについて二度にわたり連載したが、今回はさらにボディワークへの応用について述べたいと思います。
側彎症は基本的には前額面のS字カーブと、回旋のカップリングを伴った脊柱の変形と言えます。
S字カーブを呈することからも、傾きの修正が働いていることもわかります。
逆にS字カーブ以上の大きな彎曲が基本的には見られにくいのは、腰椎、胸椎、頚椎のカップリングがそれぞれの群で重なりもありつつも、明確に色分けされていることも要因であり、腰椎、胸椎というカテゴリーの中で二度の彎曲を呈することは基本的には少ないと言えます。
S字カーブは本来は矢状面においての彎曲であるように、その特異性を表している。
おそらくS字カーブ以上の彎曲においては、既に正中重力線上に保持する機能が損なわれている状況であり、外観からも明らかな変形や傾きとなって現れるでしょう。
では具体的なアプローチについてボディワークの観点から述べていきたい。
例えば胸椎右凸、腰椎左凸のS字カーブとすると、原則は脊柱の下位から積み上げていきます。
①下部腰椎:左下肢の重みを利用しての伸長。骨盤の下制を意識する。
②胸腰椎移行部:左腰椎中上部、下部胸椎のフライエットⅠに対して、フライエットⅡの回旋を加えながら伸長する。この時のフライエットⅡは、左片側の前方への回旋を意識する。
③胸椎中上部:右凸のフライエットⅠに対して右側をフライエットⅡに回旋させながら、左側胸椎をフライエットⅠに促しながら凹面を伸長させていく。つまりシリンダーのように軸回旋を意識する。②の下部胸椎と上部腰椎との違いは、片側の回旋か、軸回旋であるかということである。
①から②③へと積み上げていくということは、②③と進めていく中で、①の効果をキープしながら②を、①②の効果をキープしながら③~へと繋いでいくことが重要であり、最初はセルフでコントロールすることは困難であると言える。セラピストやイントラの手でサポート、タクタイルしながら順序立てて繰り返すことが不可欠です。
エクササイズにおいては、マスとしてブロック毎に、群として効かせることが限界であり、その群においても、例えば下部腰椎に対して、左上肢の誘導にて右側屈へ傾けたとしても、胸椎の上・中・下部を連綿と介しながら、腰椎の上・中部と下っていき下部腰椎と腸骨の狭まったスペースを拡げていかなければならなくなる。つまりあまりにも間に介在するマスが多すぎて、狙った部位にスペシフィックな介入による効果が入っていかないのです。
よって下部腰椎は下肢末梢からの、重みを活用してのストレッチが有効なのです。
下位から積み上げていく」の原則に則り、胸椎へと登っていくときに、この積み上げということは下位腰椎の伸長効果を持続しながら、さらに胸椎へのアプローチを加算させていくことが大切です。
ブロック別にフォーカスを当ててアプローチすることは、基本的には間違いではありませんが、大切なことは土台を決めて安定させながら、さらに積み上げていく必要があるのです。
側彎症の体操療法などが難しいのは、この積み上げ理論が無いからです。
単純に凸側に枕やボルスター、ボールを挟んで伸ばすだけでは、脊柱全体の撓み(たわみ)も手伝って、効果が分散してしまうからです。
また側彎症を前額面だけに目を奪われていては、回旋のカップリングのメカニズムを理解して的確に分節レベルで調整しなければ、二、三椎間のブロックレベルで変位が修正されなくなります。
よって徒手療法レベルにて脊柱を一分節レベルにて調整できるスキルも必要となってきます。つまり一椎間にて変位が固定化されているだけで、その上下椎間も含めたブロックで不動となってしまうのです。 
そのためにもエクササイズにおける限界は、①②③のマス範囲になります。このマス範囲においても、効果の積み上げと側屈回旋のカップリングの変換点を評価すること。
この分岐点は分節レベルであり、側弯とは大略的に見ればS字カーブということで、胸腰椎に二つの凸面になりますが、その凹凸の内訳は回旋側屈、さらには前後の辷りも混在してしているのです。
つまり分節レベルで、イモビリティもあればハイパーモビリティもあるのです。
ではその分節レベルにて得意なアプローチは何かと言われると、徒手療法になります。
しかしながら徒手療法にて側彎症が治るかと言われると、治りません、他動的なアプローチはモビリティを介して可動性を出すことには長けていますが、側弯のように構築学的に変位を起こしていて、機能障害の機序に姿勢制御作用の割合が大きく占めていることを考えると、重力作用をコントロールしながらのアプローチが不可欠だからです。そして骨関節の変位を、筋活動を伴った関節運動に落とし込ま無い限りは、その病態の背景に迫れないのです。
そしてアシスト、タクタイルとしての、適切な分節評価(分岐点、変換点)とアプローチ(変化のモニタリング)をしながらの動きのコントロールになります。
まとめますと
①重力コントロール
②積み上げ理論
③分節レベルの変換点への楔(くさび)
以上の原則を踏まえながら、運動療法を組み立てていきます。

pilates を用いた側弯症に対するアプローチ例
Ladder Barrel:Side Sit Up
ラダーの最下段で、左下肢を伸展位に置き、右体側(腰部)がベレルに接するようにポジショニングする。
  step1: 左下肢の重みにて左下部腰椎を伸長させる。
step2: step1を保持しながら、胸腰移行部をフライエットⅡに回旋させながら側屈させる
   step3: step2・3を保持しながら、左手を頭の後ろに回し、右側をフライエットⅡ、
       上部〜中部胸椎をフライエットⅠに回旋させる
step4: バレルに脊柱が屈曲するようにバレルにもたれかかり、緩やかに伸長させる

Chair:Mermaid Seated and Kneeling
step1 右手をバーに置いて、左下肢の重みにて左下部腰椎を牽引する。
step2 step1を保持しながらバーを押しながら胸腰移行部をフライエットⅡに回旋させる
    step3 step2・3を保持しながら、左手を頭の後ろに回し、上部〜中部胸椎をフライエットⅠに回旋伸長させる

Ladder Barrel:Short Box Series
    頭上にドゥエルを挙上し、フラットバックからCカーブを作り、フライエットⅠに左回旋してヒンジバック
    を繰り返す。
    
側弯に対して片側のみを実施し、上記行程を3times繰り返す。
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