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運動連鎖からみた筋膜リリーステクニックの新展開

運動連鎖パルペーションテクニックに新たなオプション

昨今の筋膜事情の進化は、本当にすさまじく医師が本腰を入れ出したらあっという間に治療に昇華するんだと実感します。
つまりエコーなどの機器から書籍から研究から製薬会社との共同など、社会のシステムがガラガラと動いていくのが見えます。理学療法士もエコーをみながら施術することが当たり前の時代になりつつありますが、理学療法の業務のなかに必然性があるわけではなく、世界的な兆候のなかで導入せざるをえないといことです。
診断と治療がセットになって初めて意味をなすことを考えると、ダイレクトに穿刺ができる医療はまさに治療となります。
筋膜は思えば理学療法においてはアナトミートレインを発端として爆発的に広がりました。
しかしながら理学療法の特徴は理論が出ると、そこにのっかってコンセプトを一部の人が作って披露するといった学術レベルにはいかないループにて繰り返し行われてきました。
運動連鎖アプローチもある意味私の感性と経験則が最優先されており、ある意味興味によって実践されていると言えます。
筋膜リリースは医学の分野にバトンタッチされ、医師が主導として進める治療法へと我が国では役割が移ったのです。
つまり、いままでは理学療法の解剖と運動学を主とした専門家としてのアイデンティティであったものが、理論ありきではなく医学における診断と治療が並列の関係にて成り立っています
私自身も実際に注射にてリリースを受けている患者を理学療法士としてフォローしていますが、患者自身の自覚的にも他覚的にも明らかに滑りが良くなっていることがわかります。それが肩甲背部などの比較的薄い部位においてもその効果は顕著であり、徒手的にリリースをしたとしてもここまでの効果は期待できないでしょう。つまり筋膜もより深層があるわけで、たとえ浅層であったとしても浅筋膜を介しての施術になるので、間に媒介している組織を損傷してしまう可能性があるのです。
ここでスキルアップにて使った資料の一部を披露しながら話を進めていきます。
筋膜
従来の痛みの定義は三円環に記したカテゴリーですが、現在ではそこに筋軟部組織性疼痛が加わります。
ここでいうfasciaとはイコール筋膜ではありません。
あくまでfasciaというのは繊維性結合組織の総称であり、筋膜はmyofasciaになります。
つまりfasciaとは、皮膚から皮下組織、筋肉、靭帯、腱そして骨膜まで含む総称なのです。
膜の変遷
次に我が国のfasciaの歴史についてスライドにまとめてみました。
年表からみてもMPSという概念がでてきたのが2010年
医学界全体をみればつい最近のことです。そして2014年に注射によりリリースの効能が明らかになってきたのです。
このころより、医学界において筋膜へのリリースに注射を使うということが広まっていったということです。
この筋膜のリリースに限らず、神経の癒着であれば神経系のモビライゼーションがあります。
つまりそれぞれの軟部組織の階層性に沿って、リリースの対象が違い、テクニックや方法が変わってくるのです。

私自身も実際に医師の診察時にリリース効果を眼にする機会を経て、その効能に理学療法だけではリリースできない病態があることを実感します。確かに歯科の領域にてトリガーポイントを注射すると劇的に開口が良くなることを体験として知っているが故に、針の威力はわかってはいたものの、そこに生理食塩水を注射にてエコー下にて入れることで、筋膜を確実に剥がしていくことができるのです。ここでいるmyofasciaとはトリガーポイントとほぼ同義であり、癒着部位が必ず放散痛があるかどうはわかりませんが、この辺りは今後の検討課題となります。

もちろんその部位の筋膜の癒着が愁訴の直接的な原因であるかどうかは、わかりませんが感覚として明らかに弛んでその効果持続が実感できるのであれば、やはりそちらに患者心理として流れていくのは明らかです。
そのエコーでみるのが組織の回復状況であり、復帰の時期を判断する評価として使用することも一考ですが、もはやこれは医師の仕事です。また癒着があるところを見つけてリリースしまくるのが理学療法の仕事かと言われると、またそれも違います。あくまで注射でリリースできるところ、さらにその注射の効果を拡散するために理学療法にてフォロー、軽度なリリースと重度な癒着は診察に回すなどの分別ができることが求められてきます。
 本来、アナトミートレインがでてきたころは、ムーブメントにて応用しようという風潮があり、理学療法とロルフィングの専売特許のような感じでした。しかしながら、ここにきてMPSという概念が我が国で唱えられ、神経ブロックでなくても筋膜レベルでも十分に効果があることがわかってきたのです。もちろん程度にもよりますが、筋膜レベルにてリリースできることで神経性の痛みも改善することがあるということです。コンパートメントの絞扼性の神経障害などは尚更この対象となるでしょう。
 では実際に理学療法もしくは運動連鎖アプローチ®︎ではどのようにリリースにおける位置付けを担うべきでしょうか?
 もともとは運動連鎖の本文は外堀から埋めていくことで、天守閣をいきなり責めるわけではないということです。
天守閣を一気に攻め落とすのが、医師の大きな役割であり、外科手術や投薬などもそれに当たります。我々理学療法士はその因果関係を明らかにして、実際に放散痛のおこる関係性を突き止めます。
またリリースには物理的な力が最低限必要となりますが、運動連鎖のパルペーションテクニックは階層性に対して分けてアクセスするテクニックがありますので、ある程度は媒介とする組織に対してダメージを軽減させられます。
改めて本日みたクライアントの階層性をみていくと、あるレイヤーで遠位と近位の滑走性の違いを感じます。
結果と原因があることを考えると、運動連鎖においては同時に離れた二点を触診したときの反応のある部位からアプローチをします。膜の滑走障害のある部位は芯にトリガーポイントがあることもあります。しかしながら必ずしもピンポイントで指圧にて押して放散痛がでるタイプばかりではありません。
 筋膜が硬く面で感じることもあり、このような場合には面圧にてレイヤーを押圧して、全体的にしごくように手とレイヤーがずれないように、遊びが生じないように少し弛んだスライドのようなイメージにて擦過します。
ここが一番肝であり、どの階層性にアクセスするかというところがパルペーションテクニックの醍醐味となります。

つまり筋膜へのアプローチは、トリガーポイントのようにツボのような押圧にて寛解させるケースと、癒着などの滑走障害に対してリリースするといった2通りがあるということです。この滑走障害においても膜として連動しているので、レイヤーを深化させれば離れた関連部位が響いてきます。
その時のパルペーションテクニックは物理的には硬さとしての相違はあるものの、反応としてはリアクションに同時性があるというものです。
今までの運動連鎖パルペーションテクニックは脳に対する感覚入力がメインとしたものがベースだったので、ほぼ触感的にも共鳴することを常としていました。
物理的なリリースが有効である現代においては、運動連鎖パルペーションテクニックに新たなオプションが加わったということです。
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