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脛骨捻転が姿勢制御に与える影響

コアトレーニングでは膝の捩れを修正することはできない!
脛骨の捻転は、例えばO脚矯正といった触れ込みにおいても絶対に治せないものであり、まさに骨そのものが捻れている状態である。骨そのものが変形しているため、筋肉によるコントロールや荷重コントロールも困難である。
私自身の経験からもミクリッツラインから膝の中央線が離れていると、足部の外側荷重になりやすく、いわゆるO脚への助長となる。また荷重時にラテラルラインへの負荷が増すため、TFL.ITT.peroneusへのテンションも高くなります。つまり足部は凹足になりやすく、いわゆるハイアーチタイプの足になりやすいのです。
やっかいなのは、ラテラルラインにもたれかかるように立つため、荷重が片側の下肢に偏り、アンバランスとなることです。OAでは脛骨は正常値とされる値よりも内捻することがわかっており、つま先が内側に向きやすい。一方で股関節を外旋させることでつま先を外側に向ける、いわゆるガニ股になることもある。その場合にはワイドベースにて立つほかなく、前額面の動揺が大きくなります。
そして最も難しいのが、骨幹そのものが外に出て張り出す、いわゆる彎曲していることが荷重感覚を難しくしているのです。
骨幹が彎曲していると骨の荷重伝達はミクリッツラインに沿わなくなります。脛骨の基部がすでに外側に偏位しており、大腿骨の骨伝導との、不一致につながります。もし足部の荷重位置を外側への偏りを修正すべく、中央もしくは舟状骨のあたりに戻そうとしても、脛骨の内側には空間が広がっており、内捻の内反ですので足部は相対的に外反することになるのです。つまり相対的な外反足になり、その外反は足関節、距腿関節で過度に適応するのです。当然モーメントとしては回内ですが、足部はハイアーチのアライメントに留まります。つまり荷重を足部のレベルで修正しようとすると、ミクリッツラインは膝関節の内側を通るため、内側への負担がかかります。しかしながらそのままの外側荷重においても、膝の内反変形を助長しOA changeを来しますし、脛骨の捻転、外彎では既に荷重面を内側に戻すことも困難です。内反膝には外側荷重する事で関節面を合わせる作用があるのですが、立位や歩行時にはスラストという物理的な力が作用します。アライメントからみると外側にかかるのは必然であり、重力がなければ何も問題になりません。しかしながら荷重すると脛骨はたわむ為、結局はスラストおよび内反の助長、内側関節裂隙の狭小、そして軟骨の磨耗に繋がるのです。
このような一連の現象から、荷重感覚は荷重点を変化させることにおいて、骨伝導が全く変化してしまう為、限りなくコントロールが難しいと言えます。結果的にこの脛骨の捻転が下肢骨盤に波及し、姿勢やバランスに連鎖してくるのです。この荷重感覚の表象は、脛の問題であり、体幹トレーニング においてもポジショニングを変える必要があります。つまり体幹トレーニングにおけるコアも、骨の捻転はコントロールできないというこのなのです。
以下に脛骨の捻転に言及した論文は抄録について紹介する。
⑴歩行時足角と下肢捻転角の関係
白尾 泰宏
Vol.41 Suppl. No.2 (第49回日本理学療法学術大会 抄録集)
キーワード: 足角、大腿骨捻転角(femoral neck torsion:FNT)、脛骨捻転角(tibial torsion:TT)
歩行中の進行方向に対する足部の角度(足角)は7°~13°外旋が正常であるとされている。この研究では足角とFNTおよびTTとの関係を調べている。FNTはcraig test、TTは腹臥位膝90°屈曲位で,脛骨内果と腓骨外果の中央を結ぶ線と,大腿骨顆部中央を結ぶ線のなす角度をゴニオメーターを用いて測定。
対象は健常成人22名44下肢(男性11名、女性11名、平均年齢31.4歳)
足角と相関係数の検定では、足角と大腿骨捻転角には有意な相関がみられた(rs=-0.4719 P=0.0017)が、脛骨捻転角では低い相関はあるものの有意差はみられなかった(rs=0.02896 P=0.8387)。
各測定項目の平均値は足角(男性9.43±5.1°女性6.36±3.51°P=0.0258)、FNT(男性15.27±6.13° 女性23.88±8.34°P=0.00036)で有意差がみられたが、TTでは(男性15.02±3.35° 女性13.2±3.38°P=0.0967)有意差はみられなかった。
男性のほうが足角は大きく、股関節の前捻角は女性が、脛骨の外捻は有意差はないものの男性が平均では大きな値となっている。
⑵CTに よる膝回旋・脛骨捻転角測定
特に正常者における各種脛骨近位端横軸設定に よる比較検討と変形性膝関節症例との比較
昭和大学医学部整形外科学教室 石川勝
昭和会誌 第60巻 第1号 〔61-68頁,2000〕
キーワー ド:下 肢のアライメ ン ト,膝 関節 回旋,脛 骨捻 転,脛 骨横 軸設定,変 形性膝関節症
40肢 をcontrol群 とし,変形性膝 関節症76肢(以 下OA群)の 膝関節外旋角, 脛骨外捻角を測定比較した。
これらの数値に影響すると考えられる年齢、膝関節外側角と変形性膝関節症例 では高橋分類との相関関係を調査。
関節外旋角では
control群10.14° ±3.29°,
OA群8.29° ±4.59°
OA群 がやや低下していたがその有意差は認めなかった.
脛骨外捻角は
control群23.4° ±8.43°
OA群 は17.6°±6.94°
と低下 してお りその間には有意差を認 めた。
しかしcontrol群,OA群 を10才 ずつに分けてその脛骨外捻角を比較してみるとその間には 有意差は認めなかった.
またcontrol群 で年齢と脛骨外捻角の相関関係をみると強い相関を認めた.
OA群 では年齢と脛骨外捻角には相関はほとんど認めなかった.
このことから正常者では脛骨外捻角 は年齢とともに減少し,膝 関節OA例 では変化の大きい数値 をとる場合 が多いといえ。.OAの 進行度と膝関節外側角(FTA)は強い相関関係を認めた。 のほかの膝外旋角,脛骨外捻角,年齢, FTA,OAの高橋分類では相関を認めなかった。
⑶脛骨捻転角度と腓腹筋の捻じれの形態的変化について
比嘉 俊文, 益野 奈菜, 仲西 孝之, 荒木 伸
Vol.36 Suppl. No.2 (第44回日本理学療法学術大会 抄録集)
キーワード: 脛骨捻転角度, 腓腹筋, 捻じれ
本研究の結果から、腓腹筋は近位になるに従って外側への捻じれを呈しており、脛骨外捻が小さい、すなわち内捻傾向にある者ほど腓腹筋の捻じれが大きいことが示された。入谷は内反膝の歩行 特徴として、脛骨内捻による toe-in で、歩行時に小趾球方向で蹴り出すと報告しており、歩行時の進行方向とつま先の向きに拮抗した下腿筋群の適応が考えられる。
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