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脳卒中片麻痺における歩行戦略

合目的な歩行戦略を選択する!

脳卒中片麻痺患者の歩容を見るにつけ、大半は麻痺側➡︎健側パターンとなります。

しかしながらごく稀に

麻痺側による蹴り出し、送り出しの戦略が見られるケースもあるあります。

とちらかというと蹴り出しというよりも送り出している!

ボディを運んでいる!

という表現が正しいかもしれません。

つまり正常歩行ですと、上下に左右に重心移動が見られますが、脳卒中片麻痺患者の場合は合目的な歩き方を選択していることが多いということです。


よってヒールオフにおいても、本当の意味での前足部と後足部の回内外における機能的役割が見られるわけではなく、重心を移動させるという合目的な役割のために足部をあるストラテジーに固定して使用しています。

とくに見られるのは足関節の背屈位での固定です。背屈位で固定することで床面と足底は水平になります。まるで氷の上を滑るように歩く!そんな表現がぴったりときます。

結果的に足関節の底屈制限と、足趾のIP関節の屈曲が過剰となり、MTPからの把持が使えなくなります。膝も軽度屈曲位となり、結果的に体幹の麻痺側への傾きも見られるようになります。

つまりのところ足関節背屈位という固定の戦略をとることによって、ICからLRを膝のダブルニーアクションや足関節の底背屈の絶妙のタイミングによるコーディネーションを省いて、ボディを運ぶというための合目的な戦略であるということです。
よって厳密な意味でのTSt(蹴り出し)はできておらず、ヒールオフにおける前足部から足趾における蹴りだしは、送り出しという和服姿にて畳の上を歩くような所作となります。

つまり早く歩ける、歩行速度を稼ぐという意味での合目的な動作に転換する事で、目的とする活動とその先にある参加に結びつけるという事です。

特に脳卒中片麻痺の患者さんにおいては、麻痺が残ることを考えると、正常を目指したとしても、正常にこだわることは患者の生活を考えた場合には、必ずしも正しいとは言えません。

正常にこだわるあまり、杖も装具も拒否にしたとしたら、生活範囲は格段に狭まることは容易に想像できます。

川平法においては治療者か、患者の目的を達成せるための手段としてとことん寄り添った結果が、合目的な手段に最も早く行き着くために、集中して繰り返しやるべきことを限局させ、だからこそ特化して機能を伸ばせるようになっています。麻痺があるということは、同時に廃用にも考慮した方法論でなくてはならないわけで、そのためには質とともに量を両立させるコンセプトである必要があります。量とは負荷、回数、時間の要素があります。動きの質についても達成するためには、繰り返しの回数と、そして目的の四肢の動きの軌道を限定しての促通が不可欠となります。歩行においても健側にウェイトシフトするための中臀筋を促通しての歩行練習が行われ、そのためには麻痺側の挟み歩行にならないように、外転外旋を促通します。そのためには足部の内反さえも利用しての股関節外転外旋を繰り返します。
本来の考え方であれば、内反などの筋緊張を抑制して、正常パターンへ誘導することを旨としています。能動的な動きさえも抑制して無意識化の反応のみを追っていた時期もありました。しかしながらそれは、治療者目線での思考であり、患者や生活目線での自立という視点が抜けていたのです。リハビリテーションという語源の根本が、理念からいつのまにか逸脱したことにより起きた事象です。そしてこの悪しき習慣は、国が主導とする改定によって是正されることになるのです。医療と介護、疾患別リハビリテーション、急性期、回復期、地域包括ケア、365日、リハビリ実施計画書などなど、制度により診療報酬という枠組みからも、そして人口動態や多くのデーターベースから導き出される数値を根拠として改正されてきたのです。そのどれもが学術とこだわりという名の治療方法によって、全くもって世の中のニーズを汲み取らないままに歩んできたため旧態依然としたクローズの世界となり、全くもって外部からの監査や評価を受けないままに培養されてしまっていたのです。
 無理もありません、全くもって知名度もない理学療法士が医者に追いつけ追い越せと、まず医学として認められるために学術にて追いつくしかなかったからです。

 長らく学術中心としてセラピストが我々の未来を変えてくれるものと思っていたものが、個人のスーパースターは目標とはなりましたが、我々の人生や身分までも依存することは全くもって時代から取り残される一方だったのです。

新たなステージとなった現代、政治力と世間への認知してもらうということにおいては、政治家を排出し、そして筋膜リリースにて竹井先生という稀有な存在を生みだすことになりました。内向きではなく対外的な世間への嗅覚を養うということ。それが30年以上の積み重ねと経歴によってこそ為し得たことであることを考えると、それは普通に考えられるキャリアをまず歩むことから始めなければなりません。
理学療法士だけでは変えられなかった視点や価値観を、いとも簡単に外部によって覆されてきたこの歴史から何を感じなければいけないか?決断と決定を先送りにしてきたことの結果であり、我々がパラメディカルのトップにいるんだという自負が、時代の変化を読み取れず実は井の中の蛙であったということのようです。

話が脱線しましたが、

ボバース法における歩行においても、ステージ2や3の片麻痺患者を想定していることが多く、臀筋収縮による骨盤後傾の固定による合目的な進み方がみられます。本来の正常歩行は骨盤直立から前傾に保持しながら、腰部からの回旋により股関節の前後のスプリットにより歩んでいきます。つまり臀筋で固めることにより支持することに特化させ、まずは二足直立からの足の運び出しを達成するのです。よって揃え型の歩きになります。

吉尾先生は大腰筋を遠心性にハンモックのように鼠蹊部にひっかけて、その張力によって骨盤から前方に平行に滑り出すイメージにて歩行を確立させます。臀筋か大腰筋の違いはあるものの、支持力か推進性かということにおいては視点と着眼点に相違があったと言えます。

川平法では麻痺足の内反尖足による床面との擦り遊脚にスポットを当て、
ボバース法では臀筋下部の収縮により、麻痺側の立脚期において膝から前に出ることになります。推進性よりも支持性に特徴があります。
吉尾先生の大腰筋の伸張性による歩行は骨盤から前方にでることにより、股関節や膝関節をスケートの氷面を滑るように用いることになります。

私の場合は、上半身のモーメントアームを活用して推進性を高め、麻痺側の蹴り出しをいかに引き出すかという着眼点になりますが、これは合目的という点においては不十分と言わざるを得ません。あくまで理想の動きを再現しようとする視点ですので、今現在の潜在的能力を現実的に判断し活動と参加そして、何より患者のニーズからボトムダウンに落とし込むこと、そして歩行速度というわかりやすいエビデンス指標に帰結させることが望ましいと言えます。
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