胸椎の生理的後弯を獲得するためのボディワークⅡ

呼吸ー胸郭ー胸椎連鎖

運動連鎖道場大阪の第三回!徹底的に胸郭と胸椎の連鎖を実技にて繰り返しました。
胸椎の後弯の重要性については前記事についても述べたが、改めて胸椎のアライメントが崩れる要因について列記する。

⑴心理的ストレス
⑵不規則な生活習慣:昼夜逆転、睡眠不足など
⑶内臓の不調:胃腸、心臓など
⑷足腰の筋力低下、体力低下

こうしてあげると、ほぼ何かしら生活全てが含まれていると言えます。つまりのところ、この全ての要因にて胸椎のカーブは失われるわけで、いかに胸椎のコンディショニングを保つことが難しいかを物語っています。

よって根本の原因はあらゆる生活習慣にあるわけですが、結果的に起こる胸椎の可動性の低下を取り除くことで、大元の原因に対しても何かしらの好転反応を引き出すきっかけになります。実はもう1つダイレクトに胸椎のアライメントを崩すことになる要因があります。

⑸間違った姿勢への認識

これは姿勢が悪いイコール猫背

という認識が広まっていることによるマイナス面です。姿勢はいいに越したことはありませんので、それ自体は良いのですが、問題は姿勢を良くするイコール胸を張る!という認識の問題です。これは、何故に良くないかというと、胸を張るイコール胸腰移行部を反らせる!となりがちです。鳩尾を張ることで確かに胸を反らせることになり、姿勢はよく見えます。しかしながら、その結果、胸椎のアライメントはストレートになります。猫背というのは矢状面から見た時に、骨盤と胸郭のパーツが前後にシフトすることによる、カウンターウェイトの作用があるのです。つまり頭頸部は屈曲位で目線は真正面よりも下向きになります。

欧米人を見ていると、頭頸部の前方位によるシフトが見られるものの、横から見た姿勢は頸胸移行部以下は比較的重力線上に揃っています。その分、頭頸部にて一気にシフトさせるバランス戦略をとるため、ヘッドフォーワードという概念が提唱されることになります。

しかしながら日本人の場合には、身体全体が屈曲位にならがちで、全体として丸くなることになります。ようは欧米人は膝の屈曲という戦略にて屈まないことにより、腰部骨盤のアライメントは重力線上に乗りやすくなり、骨盤後傾位という現象が比較的少なくなります。

日本人は骨盤後傾位からの矢状面上での、かがんだ姿勢となりほの結果の猫背となります。よって姿勢が悪い人を見て、胸を張るというワンポイントのみの姿勢改善はありえないということです。他の身体部位における条件やアライメントも同時に変わらなければ、本来の胸を張るというという結果も得られないわけです。

ただ、胸を張るというのは、心理的な効果としての効能もあるてめ、そういった精神論も含めて、良い姿勢イコール胸を張る!という結びつきになったのでしょう。

欧米人に多いヘッドフォーワードは、矢状面にて整っていながら何故にそのようなウェイトシフトが必要なのでしょうか?

これは日本人のO脚が多いこととは違って、欧米人はX脚が多いことも関係しています。何れにせよ膝のマルアライメントであることからも、姿勢を制御するためにも何かしらの代償が必要になります。それが骨盤の前後傾に表れてくるのです。O脚には骨盤後傾となりがちですが、X脚は前弯であればまだ良いのですが、これが直立になると腸骨は極端に開いてしまいます。純粋なX脚においては膝の屈曲戦略を使いにくいところがあり、結果的に股関節のストラテジーにて対応することになります。これが骨盤全体の前方シフトになり、頸胸移行部の過度な屈曲を伴うヘッドフォーワード
につながります。

日本人は膝の屈曲というストラテジーを使うことにより全体としてお辞儀姿勢になるのです。このお辞儀姿勢は、奥ゆかしさや、遠慮がちな気質とリンクしているのかもしれません。

つまり胸を張るとはマインドそのものの表象でもあるので、身体のみの変えるということだけでは、改善しないものと考えられます。

つまり背中が丸くなるイコール姿勢が悪いイコールお年寄りという連想があり、年齢との絡みもあって、できるだけ年に見られたくないという心理も働き、先ずは胸を張るという方法をとりがちです。そうすると他のパーツは曲がる連鎖になっているのにもかかわらず、胸のみが伸展することになります。結果的に良い姿勢と思っていた意識が、胸を張るというポイントのみのアプローチにとどまることで、胸椎のアライメントがストレートになってしまうのです。

まとめると、良い姿勢のイメージが胸を張るということにより、意図的に胸を張ることでストレートになってしまうのです。胸を張るという考え方そのものは間違いではないのですが、そのメカニズムを理解して取り組まなければ、正しい胸の張り方に行き着かないのです。

つまりは、膝の戦略としての伸展を高めることこそが最初に取り組むべき視点なのです。
この膝の伸展のためには回旋へのアプローチ、つまり水平面の制御の幅を広げることで、股関節と足関節の前額面への制御幅へつなげ、結果的に膝関節の内外反である非生理的な代償を抑制し、結果的に膝関節の伸展が獲得できるというロジックです。


以下に胸椎後弯を獲得するためのprotocolの一例を列記します。
①立位での上肢リーチング→呼吸にともなう肩甲骨のプロトラクション→リトラクション→胸郭の拡張と収縮→胸椎の生理的後弯→全身の伸展運動にともなう胸椎の伸展(呼吸ー胸郭ー胸椎連鎖)
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②四つ這いにて呼吸に伴う、胸椎の生理的後弯の影響が残っている範囲にて動かす
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③四つ這いの呼吸によるワークから上下肢をシングル→対側上下肢→一側上下肢に胸椎の屈伸の延長線上に上げ下げする。

④両膝立ちにて繰り返し;上肢のパターンを同側、シザースなど変化をつける

⑤supine:両膝を立てた肢位にて上肢を天井に向かって上げ下げすることで胸椎の後弯を促す

⑥シットアップ:⑤から胸郭の屈曲の延長線上に頭頸部を床より浮かせる (正面→斜め)へ展開
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⑦スクワット:呼吸ー胸郭連鎖からの浅い屈伸→深く→四股踏み

⑧ジャンプ:スタティックな動的エクササイズからプライオメトリックエクササイズへ
      呼吸ー胸郭ー胸椎連鎖に伴う浅いジャンプからの着地。
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⑨呼吸ー胸郭ー胸椎連鎖に伴う連続ランジからの体幹側屈運動

⑩呼吸ー胸郭ー胸椎連鎖に伴うランニング・ジョギング
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