胸椎の生理的後弯を獲得するためのボディワーク

6月10日運動連鎖道場IN大阪も第三回目を迎え、今回は「脊柱体幹」がテーマでした。

体幹エクササイズはあまりにも有名になってしまったため、脊柱に対する徒手的なアプローチが省かれてしまったかのようです。つまり能動的なエクササイズの効果があまりにも高いため、徒手的な脊柱に対するアプローチの役割が低下していることが考えられます。

つまり一昔前まではここまで体幹エクササイズが動きにパフォーマンスに効果があり、なおかつスポーツ選手を中心として支持され広がりを見せるとは予想外だといっていいでしょう。当時は体幹を鍛えて・・というフレーズが聞こえるたびに、注目したものですが今では当たり前になってしまっています。

体幹を構成する要素は以下の通りです。
・骨盤〜脊柱アライメント
・腹筋背筋のバランス
・腹圧
・コンパートメント(背筋群・腹直筋)
・インナーマッスル(腹横筋・多裂筋)
・大腰筋(腸腰筋)
・胸郭柔軟性
・肩甲骨によるモーメントアーム作用

つまり体幹における効能が動きやすさや安定感とするならば、それは腰部に対する安定感でもあり、そして重心のスムーズな移動による動的な安定性でもあります。つまり効率良い身体運動ができることはイコール身体全体の負担の軽減にもつながあり、それにともなう腰痛などの症状についても軽減するというロジックです。

スポーツ選手にとっては、痛みや故障があったとしても競技を続けなればいけないこともあるなかで、パフォーマンスが向上するこが第一優先であり、そして競技力が向上することに付随して身体が効率よく動けることによるコンディショニングが向上するならば、それ以上のメリットはありません。
よって例えば腰の治療にて痛みげ軽減して、楽になるということとパフォーマンスが上がるということとはイコールではないことがありますが、エクササイズを中心とした体幹エクササイズにおいてはトレーニングによる効果が実感でき、またそれは選手自身の努力によって比例するところに価値があるのです。

楽になる軽くなるということが必ずしもその効果が持続しないことがあるのでは、姿勢制御に転換できていないことによるものなのです。何故に変換できないかというと、より自動で動くことによることでしか得られない効能だからです。

よってリハビリにおいても生活動作を優先する流れのなかで、徒手的なアプローチ、他動的なアプローチのみでは当然のごとく自立につなげることにおいては片手落ちとなります。

生活動作を高めそして在宅や地域に変えることで自立した生活につなげることのマネージメント能力が問われてくる新しいリハビリのあり方を示していく時代に突入している現在において、知識と技術のみではなく、リハビリテーションの理念を社会のなかにいかに落とし込んでいけるか、応用できるかということの創造性が求められているのです。

いわゆる職能意識が必要なのですが、この新たな職域を拡大するということの前提として、特別な技術や知識をもって認めてもらおうという押し付けがましいスタンスではなく、その理念をもって社会モデルに転換できる全く新時代の感覚です。

体幹における現状の問題点は、姿勢との関係性であり、その姿勢における脊柱アライメントであり、S字カーブなのです。S字カーブにおいて頸椎と腰椎の前弯、および胸椎の後弯が必要不可欠でありますが、体幹エクササイズによって果たしてこのカーブが形成されるかどうかということについては明らかではありません。

S字カーブの重要性は誰もが認識するところであり、そのために床反力の10倍もの力を吸収することができます。
S字カーブや足部アーチ構造は運動連鎖というよりも、衝撃吸収のためのショックアブソーバーであり、物理的な床反力を軽減してくれる貴重なパーツです。

体幹が固定性と安定性に寄与する効果は、まずは水平面や前後左右ん安定性ということになるでしょう。あわせて上下の衝撃吸収においても大切であることは間違いない、その体幹機能としては大腰筋を軸とした長軸上の安定性ということになります。つまりS字カーブの前弯においては腰椎前弯においては大腰筋が、骨盤においては腸骨筋と腰方形筋、骨盤底筋が、頸椎前弯においては頭・頸長筋が、胸椎においては横隔膜、胸横筋と肋間筋の作用による胸郭の開閉による胸椎の後弯が形成されます。もちろんコンパートメントであり脊柱起立筋や腹直筋のリラックスは不可欠です。

アライメントを物理的に形成するという視点のみならず、自律神経の調節による腰背部筋群の筋緊張の正常化ということが前提にあることが現代人においては大切です。ジュニアのスポーツ選手などにおいては、脊柱のハイパーモビリティによる固定性を形成するための観点が必要ですが、一般成人においては胸椎や胸郭の柔軟性欠如が顕著となっています。

そして胸椎は交感神経節を有する部位であり、この胸椎の固定化は自律神経の緊張の表象でもあります。よって、自分自身の経験においても胸椎の可動性を優先することで、全身の血流の改善とポカポカした感覚を得ることができます。大阪の道場においても、皆が姿勢がまっすぐになったという実感を得ることができました。

このエクササイズにおいては大切なポイントがいくつかあります。それは、胸椎のモビリティのみをターゲットとすることです。あくまで胸椎の可動性を能動的な動かすのであって、極端に大きく屈伸するこはありません。胸椎の屈伸の可動性は全体として30〜40度とそれほど大きなものではありません。そして胸椎の後弯が生理的なアライメントであることを考えると、それ以上伸ばすことは必要がありません。つかり上肢の挙上においては、180度上げることそのものが胸椎の伸展が不可欠であり、胸椎が緊張してストレートになってしまっていることを考えると、まずは後弯に安定性が得られてから伸展に広げていきたいものです。

このエクササイズの原則は、立位、座位、四つ這い、膝立ち、仰向けなどあらゆる姿勢にて行う必要があります。日常的にあらゆるストレスにおいて交感神経の緊張による肩甲背部筋の緊張による、胸椎の伸展が強いれらる現状において、自由度と汎用性を身につけどのような姿勢や場面においても、胸椎の可動性とアライメントの安定性を再現できることが必要だからです。
IMG_1016.jpg
四つ這いでの胸椎後弯アライメントエクササイズ。あくまで胸椎後弯の円弧の延長線上に上肢挙上があるため必然的に水平にまでは挙げないことになる。吐いて屈曲、吸って上肢挙上、これを上肢下肢を順番に行い、さらに対側の上下肢の挙上につないでいく。


スポンサーサイト

コメント:0

コメントの投稿

トラックバック:0