大腰筋の作用と応用

運動連鎖道場in沖縄第2回


症例紹介


2月よりスタートした運動連鎖道場の第2回目になります。
今回のテーマは股関節と骨盤になります。

「一般的な理学療法の考え方」
⒈硬くなっている部位をほぐす
⒉筋力が低下している部分を強化する
⒊動かない部位をリリースすることで動くようにする
⒋動かない方向に動かすことで可動域を改善する


運動連鎖アプローチ®による考え方
⒈苦手な動きよりも得意な動きから引き出していく。
⒉得意な動きを促すことで苦手な領域に効果を波及させていく
⒊筋力が発揮できない必然性を紐解く。
⒋必然性を解除することによって、自然治癒力・自己修正能力を促していく。



今回は、お手伝いいただいている道場生の一人が腰椎椎間板ヘルニアにて4ヶ月前より発症しており、休職するほどの重症でした。L5/S1高位の右寄りのヘルニアで、右側の方が症状が重いとのことでした。
前屈みの姿勢でないと起立歩行動作ができないようで、夕方になると痛みが増すようです。
また同じ姿勢ととっていると腰痛がひどくなります。

まずは発症より4ヶ月ということを考えると急性期はすぎており、ある程度の炎症症状は軽減しているはずですが、遅々として、すすまない回復においては著しくQOLは障害されます。

症例における経過と症状の統合的解釈
⒈荷重によって症状が悪化する。長軸上のプレッシャーにより症状が悪化する。
⒉急性期はすぎており代償動作により、機能的な回復が遅れている可能性がある
⒊適応能力は低下しており部分的な変化が全体に波及しにくい状態にある。

《評価》
⒈神経症状:坐骨神経症状による右側の要臀部に痛みあり。SLR陰性。荷重による誘発。
⒉筋バランス:左右バランス
左外側荷重によるTFL緊張。左膝外旋位。
右膝内旋位:ただし外旋からのheel outによる内旋。よって左膝は代々に対して下腿が側方移動しており、いわゆるステップアウトしている。これは左足外惻荷重によるウエイトシフト制限により、右側患側に押されている状態であり、右腹部への腹圧低下、右背部筋緊張、がみられる。また右足部のアーチ下降が顕著であり、足部が潰れることによる、右膝の屈曲位、大腿四頭筋の持続的な過緊張、右腰部への荷重圧迫がかかりやすく、症状発現につながっている。

『アプローチ』
ニュートラル姿勢:前屈みの右腰部を後方に引いた姿勢。先ずは荷重下にて左下肢のTFLリリースによる、左足中臀筋の賦活を意図し、右膝のマルアライメントの内旋代償の改善を確認する。そこからマルアライメントのファーストステップであった外旋位を修正すべく、足部のアーチ下降にアプローチ。床反力が下肢の長管骨の中を通過するための条件が整うことで、右大腰筋の促通のための条件が揃ってくる。同じ姿勢での体勢は腰部に負担がかかるため座位に移行し、大腰筋の促通。そこで下部腰椎の促通は得られたが、中部腰椎由来の大腰筋については賦活されない状態であった。その原因としては右足部のアーチ下降による膝屈曲位が考えられ、膝伸展を促すために大腿四頭筋への促通を試みた。長らく屈曲位にて支持していたこともあり、伸展保持に伴う連鎖が難しく難儀な状況が見られた。やなり足部の硬さが顕著であるため、即効的な変化は難しく、継続的なアプローチが不可欠と考えられる。
以上により前屈みな姿勢を伸ばすための連鎖は整ったが、いざ腰を伸ばした姿勢をとると諸に椎間板への圧縮が生じるためか、神経に障ることによる激痛が生じる。しばらくインターバルを空けると楽になるが、まだ直立姿勢をとることによる神経への負担を回避であるほどの、周りを支持する筋群のボリュームが足りない。
次に側臥位にて股関節の外旋運動に伴う深層外旋六筋のエクササイズにて、TFLコントロール下にて中臀筋及び大臀筋のノリガーポイントの解除と、大腰筋の促通を意図した。


やはりかなりの廃用と過用、誤用が混在しており、エクササイズにより固める作用から、分離した使い方が再構築されることで、安静時には緩むことになり、それが返って姿勢保持のための新たな戦略となるため、直ぐには適応できない状況が観察された。

計画的に積み上げていくリハビリの作業が必要な症例と言える。
スポンサーサイト

コメント:0

コメントの投稿

トラックバック:0