道場生からの質問コーナー

Q歩行時の肩甲帯の誘導の件で、難易度別に4パターン程ありましたが。山本先生はどのように使い分けをしているのかが気になりましたので質問させて頂きます。

A
脳卒中の患者におていは、特に歩行介助のときに肩甲骨の動態をモニタリングしながらハンドリングします。歩行時には姿勢制御が刻々と変化していくので、肩甲骨をあるポイントにとめておいて歩いてもらうというわけにはいかないことが多ああります。つまり重心動揺計の描く軌跡のように、コントロールとは常にエラーの修正の繰り返しといえます。その動態を感じながら細かい修正を加えていきます、原則としては胸郭の上に肩甲骨が張り付いているということであり、そこは変わりません。また上肢肩甲帯の重さが過負荷となっている場合においては腋窩から歩い程度のリフトは必要です。少しでも運動連鎖として筋肉の安定性が働いそうな反応が得られる範囲でのアシストであり、単に他動的に上から吊っているわけではありません。また介助しながらも前鋸筋や菱形筋、もしくは肩甲挙筋などに指が届く範囲にて感覚入力することでより肩甲骨が姿勢制御に働きが導き出されるかどうかも確かめながらアシストします。また座位における姿勢制御をみるときにも、左右座面を移動させながら、肩甲骨が胸郭から相対的に挙上位となるようにアシストします。この時にも完全に体重を支えるのではなくあくまで反応としてのタイミングを重視していきます。


 
Q実際に実技を患者・利用者に行ってみてわからなかったこと
 《足》
  ・施術後もアーチのたわみが出ないことがあり、その後どうすれば改善するのか分かりませんでした。
  ・強い外反母趾の方も同じように施術してもよいのか(特に痛みがある場合)
  ・足にも色々な形があり同じ施術でよいのか悩みました。また、ハイアーチやハンマートゥの方など対応できませんでした。

A足部アーチのたわみがでない場合には、あらゆる連鎖をさらに試みていきます。足部のストラテジーとして内側アーチ、横アーチ、外側アーチへのアプローチがそれぞれにあります、また足部内在筋の促通にて、特に横アーチと外側アーチの促通ができます、また足趾からのアプローチにて後足部のモビリテイーとアライメントの修正をこころみます。他にも距骨下関節と膝および股関節の連鎖など、その人がどの法則性によって支配されているか反応するかわかりませんので、あらゆる可能性を試していくことです。脊柱のS字カーブと足部アーチとの連動性もありますので、一つ一つ紐解いていくしことです。
 また外反母趾で痛みがある場合においても、荷重時に痛みがあるのか炎症がひどいのかなどの状況によりますが、おしらく荷重することによって既に関節に痛みがでるか、それとも外反部位が当たって痛みがでることもあるでしょう。おそらく質問の内容からすると前者であり、荷重そのものが既に母趾球の構造的な強度として耐えられなくなっているものと思われます。直接的には包帯などのバンデージによって多少のアライメント矯正につとめ負担を物理的に軽減することが、治療の第一選択になると思われます。
 もともとの足の形態による影響も否めません、足幅が狭い、足趾が長い、踵が小さい、などなど機能的にはどうしようもない元来の足型というものがあります。ハイアーチなどの特性がある人において、単に足のアーチを変えようということではなく、どのような問題や症状が足部と関連しているかということが大切です。そしてその症状を起こしている原因について足部が大きく関係しているということが理解できることで、身体の症状をおこしている部位と足部との連鎖からのアプローチが選択しとしてクローズアップされれば効果が直結することになるでしょう。ただハイアーチにおいても足部内在筋の機能低下によりたわみが無くなり、足底腱膜への負担が増大していることがあります。機能の固定化は長い年月にて、あらゆる階層性が積み重なっているわけですので、一つの方法のみで解除することはむしろ珍しいと考えたほうがいいでしょう。足型から既に個別性がある場合においては、インソールなどもですが靴そのものを考えなければいけません。物理的な構造的な問題ですので、そこは靴によって大きく左右されることは間違いありません。
 
 Q《股・骨盤》
  ・セミナーのときもそうだったのですが、評価ができても、そこからどこを調整するのを見つけるのが難しいです。
  ・利用者は立位保持困難な方や、意思の疎通が図れないかたがほとんどですので、評価自体が難しいです。

A運動連鎖のパルペーションテクニックは身体の反応をみることで、語らずともその状態を評価することができるようにするために生まれました。つまり、確かにコミュニケーションがとれなければ実際にどのように感じているかはわかりません。しかしながら、全てはどのような目的にてどのような課題があり、そのための手段として意思の疎通ができたほうがいいのですが、できないまでもどのような手段が考えられるかという思考が大切になってきます。姿勢制御の反応をみていくことで、ハンドリングによる効果を感じることはできるようになります。劇的に車椅子レベルの人が歩き出したりというような事象は起きないと思いますが、それでも一つ一つ課題を書き出していって、長期スパンでみていくこと、中期スパンでみていくこと、そして短期的に常に変化を出していくことなど高齢者においては即効性を求めるというよりも持続性と月単位での変化を指標とすることです。私人も100歳近い人を何人かみていますが、なかなか変化は難しいものです。生活不活発そのものをどうするかということが大前提にありますので、生活動作や身体機能そのものが第一義的ではないことが多いからです。包括的にリハビリテーションというものを考えていくこが不可欠であり、運動連鎖はその一端を担う手段にすぎないということです。
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