運動連鎖アプローチ スキルアップコースin姫路報告

運動連鎖アプローチ
スキルアップコースin姫路

第一回 7月23日(土曜日)  「皮膚・筋膜の触診と運動連鎖」

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本日快晴のもと私の地元である兵庫県の姫路市にて第一回スキルアップセミナーを開催しました。

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テーマは触診ということで、運動連鎖アプローチ®の最もコアーコンテンツはパルペーションによる動作分析ということになります。
動きは観察的な動作分析が基本である理学療法ですが、慢性疼痛やCRPSのような患者においては動きによるメカニカルストレスという概念が適応とならないことが珍しくないのです。また脳血管疾患における麻痺においても、現象としての動きの分析は身体表象との乖離があるため、額面通りの力学的な視点からのアプローチが第一選択にはならないという特徴があります。

内在的な運動連鎖というパルペーションによりその人の生活動作やスポーツパフォーマンス、作業姿勢、そして既往や現在の愁訴について、改めて思い出してもらいその因果関係を紐といていきます。つまり実際に現病歴などを問診しても、限られた時間のなかでじっくりと生い立ちなどの個人の履歴を全てお話しするのは若干はばかられるものです。例えば高齢者のかたから学生時代の既往などについては、なかなか出てこないものです。しかしながら皮膚と膜系のテンションについて触診により評価すると、そのマッピングにより傾向がでてきます。それは山の等高線のようなもので、具体的にどこかがというよりも傾向がでてくるのです。

今回のセミナーにおいて最初に取り組んだのは、皮膚という最表層において全身の可動性をみることです。
 どのような場面で想定されるかというと、例えば足首の捻挫をしたとします。捻挫の診断においては靭帯損傷ということで局所になりますが、その瞬間に全身が防御のために反射的に全身の膜系が筋肉も含めて緊張します。その時のstrainは一瞬ですので、どのように波及しているかは自覚もできないほどです。 しかしながら、その一瞬の外傷における衝撃は随意的な収縮とは比較にならないくらいです。交通外傷においても、なんでこんなところが痛くなっているんだろうと思うぐらいに、あちこちに痛みがでることがあります。ハンドルをその瞬間ものすごい力で握っているなど、通常ではありえない力がかかっています。そうすると何で前腕が痛くなっているのだろうと思うと、通常ではでないような力が発揮されているのです。前腕の筋肉を痛めるほどに握る前に普通は抑制がかかるはずです。このように急性の外傷は予測不可能な状況ですので、かかる負担は全身におよんでいて、一瞬であるがゆえにどこがどのように関連しているかは、どのような姿勢にて受傷したかなどは当然思い出せないということになります。

つまりは捻挫したところは足首ですのでRICE処置が適応となるのですが、さらにより早く治癒機転へ導くためには、受傷時に生じた衝撃により生じた膜系のstrainを正常化させることが必要なのです。もちろん受傷時にそのstrainを防ぐための緊張ではあるものの、そのあまりにものtensionのために捻挫の姿勢にて踏ん張った状態にて記憶してしまうのです。つまり、覚えてしまうということです。よく捻挫は癖になるということをいいますが、それは靭帯を損傷することで関節が不安定になることが要因ではありつつも、姿勢制御において外側に荷重がかかると、その時の一連の膜の緊張が反応して、結果的に靭帯の弛緩もあいまってクルッと足首が回ってしまうのです。

またこのような外傷においては心理的なトラウマも記憶として膜系の緊張と一緒に内封してしまいます。怖いという不安感などは、ある意味足首のユルさでもあるのですが、そこに不安感が起きる人とそうでない人がいるのは、情動とセットになっているからなのです。

このような皮膚や膜系へのアプローチを身につけることで、筋骨格系へのアプローチにとどまらない可能性が広がっていきます。
つまり情動系へのアプローチとしての可能性です。理学療法士は筋骨格系のメカニカルストレスという領域にて伸びてきたわけですが、そこに心理的な側面への影響を考慮してのアプローチ要素を加えていけるということなのです。

身体イメージ、身体表象へのアプローチへのつながりも見えてきます。可動性はあるものの実際に皮膚や膜系のテンションにdelayがみられると、それは運動感覚や身体感覚として伴っていないということであり、運動をコントロールできないということです。

また運動連鎖のないところ感じられない部位についてはアプローチ対象から外すといったことも原則となります。つまり連動性がない部位については、結局のところアプローチしても全身とつながってこないのです。つまり局所の変化のみでは侵襲性が強くかえって悪くなることがあります。

全身がどのような配分にて連鎖を紡いているか?
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今回の研修会にて実技を披露したときの記載ですが、例えば腰の違和感があったとすると、その違和感の部位をモニタリングしながら身体のポイントをみていくと、膝→股関節→足首→肩関節という順にて連鎖を構成していることがわかります。また各関節の左右にも寄与する配分があります。全体をマッピングしていくと全身の連鎖の分布がつかめてくるので、その配分をもとに治療計画をたてていきます。治療計画をたてることで全身のどこからアプローチしていくことが効率的かがわかります。また全身の関与が多ければ大きいほど修正能力が高いということになり機能障害としては問題にならないレベルといえます。
また全身において反応部位が少なく、反応そのものが弱いレベルだと機能障害の重症度が高いといえます。このように「パルペーションによる動作分析」の臨床推論をすすめていくことになります。

次回は
第二回 8月27日(土曜日) 「筋緊張の触診と運動連鎖」
以降
 第三回 9月10日(土曜日) 「骨関節の触診と運動連鎖〜骨盤〜」
 第四回 10月1日(土曜日) 「骨関節の触診と運動連鎖〜下肢〜」
 第五回 11月12日(土曜日)「骨関節の触診と運動連鎖〜上肢肩甲帯〜」   
 第六回 12月10日(土曜日)「骨関節の触診と運動連鎖〜脊柱/Core〜」
スポット参加も随時受け付けています。
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