運動連鎖道場®in北九州(門司)報告

北九州道場 道場生からの質問コーナー 

本日北九州道場の第3回目を開催させていただきました。今回の道場では毎回質問を宿題として出していて、前回第2回目の質問を共有していきたいと思います。 

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質問1
 運動連鎖のアルゴリズム化して頂けると助かる。


Answer
 運動連鎖アプローチ®のアルゴリズム化つまり、問題を解くための手順を定式化した形にするということですね。フローチャート式に、つまりprotocol標準治療法ということになるでしょうか。どこを評価することで確実に機能的な身体になるかということの突き詰める手順となります。今の所現時点での私自身に確信としては、以下のようになります。

①抗重力にて評価する。立位がベター。:できるだけ短時間がベターだが、この立位のなかで姿勢制御・姿勢・アライメント・運動連鎖を総合的にみていきます。このなかでおおまかな身体のメカニズムを頭に入れ、どのような手順にて進めていくかのおおまかな計画をたてます。
②姿勢制御:矢状面・前額面・水平面を立位にてみます。次に膝関節そして距骨下関節の制御に対する連動性をみていきます。頸部回旋の肩甲骨連鎖をみます。この頸部の回旋にて上部平衡系を評価します。そして眼球運動と後頭下筋の収縮を確認します。
③片脚起立バランスと仙腸関節荷重動態:片脚起立にて仙腸関節の機能を評価します。SIJのimmobilityは非荷重になることも多く、左右荷重バランスの指標となります。
④背伸び評価:筋膜のテンションを評価します。関節のhypermobilityなど過度な動きに気をつけながら、あくまで軟部組織の伸張性をつなぎながら背伸びをしていきます。上肢を挙上して体側を交互に伸ばしていきます。そのなかで膜系の左右差を評価していきます。側方→ひねりを入れながら前後の膜系を伸ばしていきます。
⑤平衡バランス:バーなどに捕まって腰椎の前弯をキープしながらの背面のストレッチ、および側方ストレッチ、そして前面のストレッチと繰り返してきます。またバランスとしてプランク→四つ這い→ダウンドッグからの四肢バランスなどにつなげていきます。
 

質問2
 人それぞれいろんなパターンがあり、収縮を引き出したい部位をうまく活動させるにも他の部位の影響が関係しており、それらを先に評価、治療することが難しいと感じた。

Answer
 あらゆるパターンがあることを念頭において、これからも取り組んでいきましょう。プロトタイプのコンセプトと自由度の高い個別性を両睨みでとりんくんでいく必要があります。最初から決まり切った法則性やチャートがあるわけではなく、あくまでどこが問題なのかを漠然としたなかから見つけていくことになります。ある程度は手順を一定させる必要はありますが、ルーチン化してしまうとそれは「何とか法」になってしまい、結果的に狭い世界でのルールとしてのみ通用するだけに留まってしまいます。ほつれた糸をほぐすように、混沌としたなかから見つけていく作業は確かに雲を掴むようで、わけがわからなくなります。特に初学者においては益々分からないということになります。またこのような雲を掴むようなトレジャーハンターの発想は、自分の精神状態や状況が揃っていないと発揮できないことも度々です。特別な場で特別な状況において、定常状態よりさらに力が発揮できるような場面になります。しかしながら普段の臨床においては、特別なゾーンに入っての状態をいつも再現できるわけではありません。ある程度ルーチンに沿ってのミスのない確実性が求められます。臨床においては基本的な評価を定期定期にすることROMやMMTですね。そこから得られる普遍的な評価をベースとして着地点と発着点が変わらないことが必要になります。質問⑴でもそうですが、フローチャートの作成を進めていきたいと思います。


質問3 
 足部回内、回外、アーチの高さなどの現象は捉えられるようになってきましたが、姿勢や動作パターンの中で足部や股関節をどのように使っているのかまでは難しいです。以前より全体としての動作パターンを見ようとすることはできるようになってきたと感じます。

質問4
 患者様を診ていて足部回外→大腿筋膜張筋での側方バランスをしていると言う評価は行えるようになりましたが、なかなかそれを是正することは難しいです。

Answer
足部と姿勢や動作パターンとの連鎖をみるための切り口としては、前額面の姿勢制御になります。つまり人が人たる所以は二足直立歩行になるからです。この歩行において最も特徴的なのは前額面の動きです。前額面とは内外転ということになりますので、この内外転を有する関節は股関節であり、そして足部の回内外ということになります。もちろん回内外は純粋は内外転ではありませんが、立脚中期における荷重側における相対的な股関節内外転運動と相補するべく足部の回内外があるのです。具体的には骨盤が最も前額面にて移動するphaseにおいて足部は下肢に対して相対的に回内位となります。つまり本来、立脚期は骨盤の側方移動が伴うことを考えると外側荷重になりやすいのですが、バイオメカニクスとして最もエネルギー効率の良い歩きは、足部の相対的な回内位なのです。重心の移動や変移を最小限にすることが、歩行効率を上げることであるとするならば、骨盤の側方移動と足部の相対的な回内位は互いに相殺するべく機能しているといえます。



質問5
足底筋(母趾屈筋)の所で内在筋のパワーに見合った運動をとおっしゃっていましたが、普通のアウターに対する筋トレも併用する場合は内在筋目的の他動・軽い自動を行った後、底屈の筋力運動を行えばいいのでしょうか?


Answer
 筋出力をどこに焦点を合わせるかになってきます。一番狙っている筋肉の出力に合わせて周りの筋群も加減していきます、フォーカスする筋肉があまりにも弱い場合にはあらかじめ収縮を促してから全体の運動につなげるといいでしょう。

質問6
背中が曲がっていても膝が曲がっていない人は股関節も曲がっていないので改善しやすいとおっしゃっていましたがどういう理由で改善しやすいのかがわかりませんので教えていただきたいです。


Answer
 股関節のストラテジーが広いことで活動が広がります。つまり、持久性と持続力が高まるのです。股関節のストラテジーがあると、動きのキャパつまり姿勢制御の幅が広いのです。膝が曲がると前額面の幅が狭くなります。つまり矢状面のみの制御となり、それでいて上下にも狭くなる。曲がっているので当然低くなり、伸びにくくなる。伸びにくくなると足関節底屈つまり爪先立ちができなくなります。すると転倒も当然しやすくなってしまいます。

質問7
基本が大事なので健常人に行えるアプローチから入るのは当然と思いますが、70代や80代の方にできるようなアプローチも身に着けたいです。


Answer
 高齢者においても基本はリスク管理をメインとして、侵襲性の少ないアプローチから入ります。よって皮膚や浅筋膜からのアプローチが適応となります。普段の臨床では高齢者が多いですから、このような姿勢制御のアプローチも当然高齢者に応用するなかで効果判定をしています。高齢者においては幅が狭くなりますので、それだけミクロな変化をモニンタリングできるセインシティビティが求められます。数センチの動きから左右さや質の差を読み取れるようにしていくことが大切です。


質問8
足関節捻挫の既往があるかたに対して、足部内在筋の促通を行ったのですが反応が悪く感じました。なので、股関節の安定性させ足部を促通することで、反応や安定性が向上するのではと考えてアプローチを行うと、足部の反応もよかったと感じました。
足関節捻挫の既往があるかたに対しては私が実施したような内容のほうがよろしいでしょうか?
なにか傾向があれば教えて頂きたいです。


Answer
捻挫の場合には靭帯の緩みもあり関節が不安定になります、よって足底へのアプローチも要素としては必要ですが、外側のラインに対するアプローチ併用すること、そして立位の荷重関節としての左右への配慮も効果的です。

質問9
 腹臥位での大腰筋の機能改善方法について、道場では受講生同士で股関節伸展の出しやすさを訴えることができたので、エクササイズ中の効果判定と動作改善が可能でしたが、実際の臨床ではエクササイズ中の股関節伸展が楽に行えるという訴えを聞き出すことができず、動作改善に至ることが難しいです。


Answer
 伸びながら背筋をリラックスしながらという指示にて行うといいでしょう、慣れていない動きなので何に着目するかによって楽さが変わってきます。基本的には腰椎の機能を高めるということ、腰椎のカップリングモーションを最大限に生かしながら深層筋を足痛することで、より股関節伸展による腸腰筋の足痛がやりやすくなります。腰椎の椎間関節をうまく使うこと、そしてその椎間関節が離開しないような使い方を全方向にコントロールすること。それによって大腰筋は筋活動が高まり、そして腸骨筋は骨盤のin-flareを促しながら股関節運動を繰り返します。患者さんにおいては腰椎そのものがimmobilityであったり、深層筋が不活発であったりするので、股関節の伸展運動の前の仕込みが必要なのかもしれませんね。


質問10
 実際に治療しているとなにを持って「機能的」とするのかがわからなくなる場面に多く直面しました。


Answer
 最終的にはマッスル・ボーン筋肉と骨関節の動きの反応が指標となります。感覚的ですが触診の手応えとなりますね。その触診によって脳と反応が一致する同期する感覚が身につくと、機能的の最小単位が整っていることになります。
ただこの感覚というのは主観になりますので、イメージが大切で常に自分の意識のチャンネルを合わせていなければいけない世界になります。この意識のチャンネルそのものは非科学的ではあるので、再現性という点では不確実になってしまいます。特にこの主観の世界においては、年齢とともに当然落ちてくるものかもしれません。よってそこから得られた原理原則としての法則性を沢山覚えていって、より普遍的な内容を提供してければと思います。


質問11
立位を取れない人や痛みが強くて左右の重心移動での検査ができない場合はどうしたらいいのか?


Answer
 立位のとれない人も姿勢制御としての反応をみていきます。順方向か逆方向に刺激を入れたときどのような反応が起こるかをみていきましょう。つまり運動連鎖とは運動学的につじつまのあった動きであり、拮抗した操作においては矛盾を生じさせる入力となります。その矛盾に対して抗するベクトルが感じられる時には姿勢制御能力としては高いといえます。よって、座位では臥位でもいいので、その時の反応をみていきましょう。

質問12
アプローチ後すぐでは変化がみられましたが、持続しないことが多くありました。


Answer
 持続には気づくこと、awarenessの要素が必要となります。またその刺激やアプローチが、正しく効いているんだという作業手順を入れることです。それによって効いているという心理的な持続をもたらすことができます。また実際に身体運動としてセルフエクササイズをするとしたら、ボディワーク的なアプローチが効果的です。フォーマットとしてそして上達するという手順が盛り込まれているので、いわゆる運動療法というメディカルリハビリテーションのエクササイズは、つらくて大変で楽しくないという特徴があります。そこはリズムとテンポを重視して、その運動による筋肉の使い方というだけでなく連続性のあるシークエンスにするといいでしょう。つまりところそのエクササイズや運動を続けるための必然性をどれだけ高められるかが最も大切なのであり、方法論を生かすも殺すも導入方法が鍵を握っているのです。

質問13
実際に行ってみて腸腰筋の遠心性収縮をどのように患者様に指導及び徒手的に促していけば良いのかがわからなく是非とも教えていただきたいです。又、姿勢制御を運動連鎖にて評価しアプローチするにあたりどうしても今までの姿勢制御に依存する傾向にあると思います。どのようにフィードバックしていくのかを知りたいです。


Answer
腸腰筋の遠心性については股関節の伸展という視点にて大丈夫です。繊維によって求心性と遠心性に別れるとの文献もあり、しかしながら明確にスイッチされるわけではありませんので背筋がリラックスしたなかでの伸展運動ができれば消去法にて遠心性になります。

質問14
歩行時に腓骨筋、大腿筋膜腸筋に引っ張られる感じを訴える患者様がいて、扁平足もあり足部外側荷重たなっていた為、外反母趾パット+足部内側への荷重を促しています。内側への荷重はできていますが訴えに変化はありません。内側荷重を促さない方が良いcaseもあるのでしょうか?


Answer
 アーチが低下している場合には外側アーチの強化と安定性が必要となってきます。つまり外側アーチの強化つまりstabilityのアップが不可欠です。具体的には立方骨のアライメントを補正、そして立方骨に付着している筋群の促通が有効です。外側アーチの安定後に自然に内側への荷重が促されてきます。


質問15
 大臀筋のリリース方法。先生はターニングポイントの1つとして筋膜リリースを挙げていらっしゃいました。先生の筋膜リリースを実際に拝見したいです。


Answer
 筋膜として全体へのアプローチが必要となってきます、全体へのアプローチは全身の問題点をあげて関連性はわからないまでも修正していくことでどう変わるかをみていきます。また膜という観点からは膜のテンションを均一化することでアプローチしていくことで集約していくことがあります。またルーチンとしてメジャーな部位をアプローチしていく体系に準じることもできます。もっとも難しいのはAI並みの分析力によっていく万通りの組み合わせのなかで抽出していくやり方です。少しでもその人のベストな連鎖を導き出せていくことが理想です。最終的にはAIに委ねることになるかもしれません。

質問16
 外反や足部外転の可動域が乏しく回内が難しそうな人や膝に痛みがあって足→膝→股関節と連鎖がうまくいかない人がいて難しく感じました。


Answer
 まずは内在的な運動連鎖として皮膚や筋膜からのアプローチにて環境を整え、それから姿勢制御の評価ができる身体に戻すことが大切です。


質問17
 足の内在筋のアプローチの仕方があれば教えて欲しいです。


Answer
 足部の内在筋を一つ一つ単独にて自動運動することが困難です。全体的に集合して動くことになります。よって足部の内在筋の一つ一つについて、単独の筋肉をいかに働かせるかということの方法としては全て同じで、解剖学の図を参考に起始と停止部を他動的に近づけるようにします。筋肉のベクトルにダイレクトに近接するような操作ができると、自ずと筋活動が生じてきます。


「まとめ」
 全体としての部分については、ルーチンの評価からだけでは統合が難しいです。集中して創造していくことが必要です。イメージのなかで統合していくメンタリティが不可欠となってきます。やはりそれでも必要となるのは触診となります。立位での抗重力での評価にて初めてそれがわかります。意図的な操作と意識してもらうことと、つまりバイオメニクス、筋収縮そして意識の三点セットにてアプローチしながら全体としての統合を作っていきます。全体としては体幹プラスもしくは膜のテンションプラス、膜のテンションとは伸張性となりますので伸びになりますね、elongationがもっとも全身性への膜のテンションを高める方法になります。
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