頚部~脊柱の運動連鎖アプローチ

頚部~脊柱の運動連鎖アプローチ
本日は岡山での運動連鎖道場でした。
テーマは頚部と脊柱です。
筋膜と治療の深化

頚部におけるトッピクスとしてはhead forwardになります。
つまり頭頸部の前方位にともなう、一連の姿勢症候群となります。
この姿勢症候群へのアプローチは、胸鎖乳突筋(stenocleidmastoid以下SCM)へのアプローチが有効です。
つまりSCMの走行と頚椎アライメントとの関係によって、作用が変わってしまうということです。本来は正しい頭頸部の位置にあれば、SCMは回旋と屈曲が同期した動きが主動となりますが、頭頸部が前方位になると乳様突起の付着部が頭頸部の伸展に作用しだすのです。
つまりは頚部という変化しやすい身体部位にかなり左右されてしまうということです。このSCMのベクトルが変化することによって、頭頸部のアライメントが規定されてしまいます。つまりは最初は胴体に対して頭頸部が前方位になることで、胸鎖乳突筋のアライメントに変化をきたしてしまうのですが、このSCMの特異的な作用として、一度その場所を覚えてしまうと、頭頸部と体幹の位置関係をさらに規定してしまい覚えてしまうのです。そしてSCMのテンションによって、頭頸部の身体イメーズが固定化されてしまうのです。これは大腿筋膜張筋のテンションが、容易に下肢のアライメントを規定してしまい記憶してしまうように、SCMも同様の特徴があるといえます。
よって姿勢の成立に大きく寄与する筋肉であり膜系の一つといえます。本来は骨のアライメントや関節由来の変位は関節に対する直接的なアプローチが有効であると想定されることが多いのですが、SCMについては筋へのアプローチが直接的に骨関節そして隣接部位の位置関係にまで影響を及ぼすのです。
よって頭頸部の前方位のapproachは一般的には顎を引きましょうとなりますが、それよりもSCMの走行つまりalignmentを修正したほうがダイレクトに身体感覚へも訴える形で変化がおきるのです。つまりは意図的に姿勢をよくしようと思わなくても、SCMの走行に関わるベクトルに対してapproachすることで、勝手に姿勢バランスの改善につながってくるのです
具体的にはSCMの付着部である乳様突起部の繊維が伸展ベクトルに働いている時には後ろ周り、つまり右側であれば反時計回り、左側であれば時計回りに筋緊張の流れが触知できます。修正するためにはその逆回転に操作すればいいことになります。この逆回転の流れは付着部繊維の伸展作用から屈曲作用へとベクトルを変化させ、それにともなう連鎖として頭頸部の正中化、肩甲骨および肩関節の前方位の修正が自然に行われるのです。もちろん全て自動化しているわけではないのですが、かなりの変化をもたらしまた実感することができます。つまり、最も大切なことは実感できる、患者自身が実感できるということなのです。この身体感覚の変化こそが臨床において大切なことであり、他動的approachにて楽になった、軽くなったという感想以上の治療効果の表れでもあるのです。本当に身体が変わるということは、間違いなく本来の自分と変わるということであり、それは最初から快適なものではありません、本当にこれが正常な位置なのだろうか?そんな身体感覚のとまどいがあります。つまりは、軽くなった、楽になったという段階では、これはいずれ戻ってしまう可能性を示唆しています。つまりのところパラダイムシフトが起きていないということです。直ぐに痛みがとれるというレベルもしかりです。これが、痺れがとれるなど、神経症状が消失するなどの、明らかな構造的な変化が背景にあることによる改善であれば、恒常的な治癒効果の持続も期待できます。
このような身体イメージに訴えかける、身体感覚への変容を求められる変化こそが動きにつながり、そして姿勢や生活習慣を変える大きな入り口へのモチベーションにつながるのです。
まとめますと治療効果の段階として以下のようになります。
「第1段階」 楽になる・軽くなる
「第2段階」 痛みが軽減する・可動域が広がる
「第3段階」 明らかな構造的な変化による神経症状などの改善。
「第4段階」 身体イメージの変容
「第5段階」 姿勢や動きの明らかな変化と定着
第4~5段階は、一般的には運動療法などの能動的な取り組みによって達成される可能性があるのですが、これを他動的なアプローチによって導入しようとする狙いが運動連鎖アプローチ®にはあります。この変容を起こすことによって、人は新たなステージへの扉を開くのです。臨床において最も大切なことは、この変容における戸惑いの整合性を埋めてあげるということです。軽くなる楽になるということのみに満足していては、繰り返されてきた自己満足のスパイラルから抜け出せなくなり、自らの特別感と勘違いが増長され、周りや世間からみた自らの立ち位置を自覚することができなくなります。その結果、何も変えていない、何も変わっていない現実だけが延々の繰り返されるのです。
さてTFLやSCMの特異性はその薄い膜生の組織が姿勢を形成する大きな役割を果たしており、あたかも脳のように記憶して維持持続させてしまぅことです。
この特異的な筋肉もおそらく他にもいくつか散在しているものと思われます。また改めて見つけたらご報告します。
さて筋肉へのアプローチも膜という概念が隆盛したことで大きなパラダイムシフトが起きています。この膜系のアプローチの段階付けを記載します。
段階1 皮膚・浅部筋膜への感覚入力レベル
段階2 筋膜を剥がす。深部筋膜へのアプローチ
段階3 筋のアライメント・走行・ベクトルを変える
つまり筋膜へのアプローチとされる手技において、上記の三つのカテゴリーがあり、どのどれもが筋膜に対するリリースやアプローチと称しているのです。病態や適応をかんがえ、自分がどのようにアプローチしようとしているのかを何に対してなのかを明確に自覚することが不可欠です。そうしなければ結局、何に対してアプローチしているのか、そしてその結果がどのような変化をもたらしたのかという思考過程からの展開につながらないからです。その場の変化という刹那的な現象にとどまってしまうのです。
このような運動連鎖アプローチ®の真髄を来月から始まる福岡でのブラッシュアップ研修会にて披露していきたいと思います。
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