運動連鎖に必要な触診スキル

本日は運動連鎖道場ゼミコース4期の第5回目でした。
姿勢制御と触診
ゼミにおいては触診を極めるということをサブテーマとして取り上げています。
運動連鎖アプローチ協会が提供する運動連鎖道場は、触診技術つまりパルペーションテクニックが不可欠だからです。
では何故、どのような触診が必要なのかを解説していきます。
私は理学療法士の資格を最初に取得したのですが、その後に鍼灸マッサージの学校に通い、その後もカイロプラクティックや整体などの先生方と縁があり、スポーツトレーナー経験とともに見識を広めていた時期がありました。主に20代から30代のころですね。
研鑽を積んでいく中で、明らかに理学療法教育とは異なっているというか、教育課程が違う要素があったのです。それが、触診でした。触診は理学療法士においても解剖学的な触檫はあるのですが、解剖学的な触檫は場所を特定するための方法であり、生体つまり躍動感のある生きた身体を感じるという視点ではなかったのです。筋緊張という硬さと柔らかさという視点は確かにあるのですが、これもどちらかというと物理的な見方です。つまりそもそもが、理学療法においては躍動感や内圧などの生命の営みというか、そのダイナミズムを感じる感じ取る、モニタリングするという観点がほとんどないのです。
私があらゆる分野にて研鑽を積む中で、本来は臨床とは物理的な構造としての観点ではなく、生体としての触り方が欠けているということに気がついたのです。いったいこのようなパルペーションテクニックはどうして必要なのだろうか?最初はその意味がわかりません。つまり手を当てているだけでじっとしているのです。普通は治療などで触るときには探索をするという目的になります。しかしながらモニタリングする、つまり感じるというセンサーとしての役割を手に託すのです。私はこれを能動的な触診に対して、受動的な触診と呼んでいます。
じっと触ってその躍動感を感じることで一体、何の評価をしていて、そして生体にどのような生理学的な変化をもたらし、その結果どのような効果があるのか?西洋医学の流れを汲んだ教育課程にある理学療法においては、まったくもって似て非なるものだったのです。そのパラダイムシフトともいうべき触ることへの造詣は、逆に言えば徒手的な操作を多々用いる臨床において、致命的な欠落であるということに愕然と気がつくことになったのです。
これは能力ではなく、もともとの文化の違いのようなもので、例えばトランスファーや基本的動作能力の反復練習など理学療法士であれば誰でもできる当たり前のことで、このことそのものは介護や関わっている方であれば、どなたでも習得できるものです。しかしながら、この一見リハビリ関係者からみれば当たり前のこの行為は、徒手の治療のみに関わっている専門の方々からみるとおおよそ思いつかない発想だったりするのです。
つまり当たり前だと思っているその業界での常識は、一方では理解してもらったり認知してもらったりするためには、それ相応の努力と壁が存在するということです。その当たり前という領域が特別感や優越感をもって、ある意味プライドとして横たわっていることがあります。このことが結果的に他者への理解を求める努力を怠り、そしていつのまにか浦島太郎のように取り残されてしまうのです。自負のみはあっても、現実的にその理解を深める活動をしなければ、何も変わらない、歴史が繰り返されるだけなのです。同業者を揶揄したり誹謗中傷や、懸念を示すことはあるでしょうか、その繰り返しによっては何も生み出されないことに気がつかなければいけないのです。つまり学術と知的好奇心と新しいものを学ぼうとする意欲は素晴らしいのですが、いわゆるオタクのマニアと何が違うのかということを俯瞰するべきなのです。
これも結局は懸念ですので、だからこそ明白な手順と手続きを踏んでいくことの必要性を我々は知り、そして世の中の本当の仕組みを理解し成長しなければいけないのです。
さてパルペーションテクニックですが、前提条件があります。
それは姿勢制御に帰結する!ということです。
何のための知識であり技術であるかというと、それは社会保障などの世の中の時流に間違いなく大きく影響を受けるのです。つまりは医療と介護制度が変わることで自ずとやれることとやらなければいけないことが規定されてくるからです。また今どのようなことがトレンドであるかということも、我々の提供する技術も影響をうけます。ロボットや人工知能などの発達は目覚ましく、人間の匠な世界は燦然として残りはするものの、確実に時代の流れはビッグデーターなどを集積することで、一人の経験できる蓄積を膨大なデータによってしかわからない法則性を導き出そうとしています。
臨床思考過程もクリ二カルリーズニングなどの手順は示されているものの、さらにアカデミックな分野へと発展していくことでしょう。
さて前提条件ですが姿勢制御に帰結するということを書きましたが、何故か?
それは症候群という考え方で身体機能をみることが求められているからです。
診断名としての確定することは、原因に対して治療があるわけですのでその重要性は揺るぎないものであることの反面、一方でES細胞のような最新治療として突き詰める分野とは別に、慢性疼痛などの一対一の治療法では不十分な領域があるからです。
姿勢症候群
廃用症候群
メタボリックシンドローム
運動器不安定症
ロコモティブシンドローム
サルコペニア
などなど。。。何故にこのようなおおよそ確定診断ともいえない症候群としての概念が必要なのでしょうか?
それこそが人間の身体は全てが連動しており連鎖しているからです。心身もしかり今では心と身体を切り離して考えるということがいかにナンセンスであるかということは明らかとなっています。
つまりは我々身体運動に関わる専門家においては、症候群という対象にたいしてどのようなコンセプトを有しているかということが最も必要とされている分野なのです。確かにオステオパシーのような分野に興味をもつことは全く構いませんが、それが理学療法の専門性になることはありません。東洋医学もしかりです。融合の時代ですので、その考え方に触れそして融合させていく作業は大切です。個人というレベルにおいて自らの手札を増やしていくという観点からはとても大切なのですが、大きく社会の流れを変えることに寄与していくためには、その個人レベルの好奇心や興味とは別の視点が必要だということです。マイブームイコールかくあるべきだ!という考え方ではなく、王道を自らの本来のやるべきことを自覚したなかで、自分にとっての見識を広げるための活動も進めていくというスタンスなのです。
ではリハビリ専門職としてやるべきことは何か?それはもちろん医療と介護がベースにはなりますが、健康増進という領域においてこそ実は最も必要とされる能力が発揮されるのです。しかしながら世間において、そのことの専門性などが知られていないので、ニーズがありません。勝手に我々こそが専門だということは言えても、それは個人であって団体としての職能としての認知にはいたらないので、世間の需要が向かないのです。またそのような視点や観点や価値観が醸成されていないため、その必要性を思っていても、実際にはその啓発していくための手段を講じなければいつまでだっても、医療従事者としての専門性が確立されずに、その他民間のなかに埋もれていくことになります。
身体の全体をみていくなかで、どこからどのように選択をして、最初のとっかかりとするのか?
このことが現在、直面している最大の課題となっているのです。つまり理念であり哲学ということになるのですが、それを決めてしまえば、そこに落とし込めばいいので悩むことがないのですが、リハビリのなかにおいてはその理念と哲学が治療において定められていないのです。生活動作や動きづくりという考え方も果たしてそれは治療?なのか?
そこに求心生のある崇高な深みが感じられないのです。
ホメオスターシスや自然治癒力など、もう少し生命の領域に近い哲学であれば、治すという敢然たる視点ができますが、リハビリテーションという理念を体現化するための理学療法士という立場においては、突き詰める奥行きが定かでないのです。例えば運動療法を突き詰めるとしても、腰痛に対してのアプローチはストレッチと体幹エクササイズと、そこに評価が入るから違うということではあるのですが、方法論が山ほど出ている状況で、なおかつ体幹においてはパフォーマンスアップという観点からもパーソナルトレーナーの方々が活躍されているので、優位性が特に感じられなくなっているのです。
では徒手療法か?痛みに対してとなりますが、これも注射や針やお灸など、そして手術もあります。もちろん保存的に加療するということにおいては、徒手も有効ですが、徒手を扱う専門家は山ほどいます。また痛みも学際的な分野へと発展しているので、とても一名人の手で全ての痛みをとりのぞけるわけではありません。
私があらゆる分野に精通するなかで、それでも理学療法士の専門性であると思える領域は、やはり症候群に対してのコンセプトを確立させることです。そしてより自分の身体について知りたいという人たちに、最も期待に応えられるのです。そのより身体機能について解説でき、対処できるという分野は、実は一般健常人において適合するのです。介護予防や特定高齢者などの前段階となりますね。知りたいという教師に教えを請うような、そんな立場であればよりいいのです。それが解説や説明だけでなく、よりその人のヒストリーに絡めた動作のなかに落とし込み、関連づけることのトレーニングを受けていることが大切なのです。
時として筋肉や関節などの機能にのみ視点が囚われて、その人の全体像を忘れていることがあります。疾患や機能をきて人を見ず!ということになるのでしょうか。その生活という営みのなかに、納得する手順をもって実感してもらうことなのです。難しい専門用語にて解説してもそれは、わかりません。
つまり生活動作やパフォーマンスの前提となる姿勢制御!
抗重力下にて評価するということです。
運動連鎖アプローチ®においては姿勢制御の戦略を矢状面と前額面。そして水平面で評価します。
これはパフォーマンステストとなりますが、そこから局所の機能障害の原因にまで絞り込んでいく展開力です。
姿勢制御というパフォーマンステストから質的、量的なアセスメントをして、そしてどのストラテジーが主に使われそして休んでいるのかを見極めます。その時に動きの質感を触診にて感知するのです。
そして、さらに関節レベル、筋肉レベル、その関節においても副運動レベル、筋肉においても腱や筋腹レベルにて分けて評価していきます。
この段階になればほぼ局所の機能障害への姿勢制御とからめた統合的なアセスメントができています。
この辺りの細かな機能的な病態を運動連鎖からみたパルペーションテクニックによって網羅していくのです。
興味にある方は合宿にて講座を展開していきますので、下記をご参照ください。
第二回 2016運動連鎖アプローチin軽井沢
合宿講座
“運動連鎖のための触診技術”
平成28年7月16−17日(土・日)
第一部:「運動連鎖パルペーションテクニック~基礎編~」
16日(土曜日):14時~18時
講師:小林伸二(金澤病院 理学療法士)
第二部:「運動連鎖パルペーションテクニック~臨床展開と思考過程~」
17日(日曜日):9時~16時
講師:山本尚司(フィジオ運動連鎖アプローチ協会代表)
殺伐とした社会情勢、業界の荒波の中で、心身共に疲弊してはいませんか?
なぜ軽井沢は別荘地としてもてはやされるのか?その答えは現地にあります。
軽井沢の澄んだ癒しの空気の中で集中合宿講座を開催いたします!
是非!宿泊してその空気、自分自身に訪れる変化を体感してください!
運動連鎖アプローチ®の真髄は触診技術(パルペーションテクニック)
そして臨床思考過程にあります。
問診と触診からの情報を統合し解釈することで、
有効な治療アプローチ方法に導いていきます。
第一部はパルペーションに特化したアプローチを6年間臨床展開し、
個人的に各地でセミナーを開催してきた小林伸二が初心者にも
わかりやすくパルペーションの基礎をお伝えします。
第二部は高齢者からトップスポーツ選手まで、あらゆるカテゴリーの臨床経験のなかで社会的に世の中の流れや風潮を常に敏感に察知しながら、現代のトレンドを先駆けていく臨床思考過程をおとどけまします。キレッキレッの臨床展開をこの機会に是非目で身体にて感じてください!!
代表山本尚司がお伝えします。
募集人数:30名
参加費:12,000円
宿泊費:8,000円(一泊2食付き)優しい女将さんと、暖かい手料理が売りのアットホームな山荘です。夜の懇親会も非常に重要な情報交換の場になります。軽井沢の空気をより体感していただくため基本的にセミナー&宿泊セットでの申し込みになります。やむを得ない場合は別途ご相談ください。
【申し込み】 PKAA事務局 担当 薮下 享江(やぶした ゆきえ)
undourensaapproach@gmail.com
氏名(ふりがな)・経験年数・職業・所属・を明記。
・ 件名に『軽井沢合宿講座』としてください。
・ 車で来るか公共交通機関で来るかをお知らせください。
・携帯やフリーアドレスの場合、メールがブロックされる場合や迷惑メールになってしまう場合があります。必ずセキュリティーを確認した上でお申込みください。
・申込みから48時間経っても何も連絡が無い場合は、メールが不着の場合も考えられます。暫く事務局より連絡が無い場合は、再度申込者よりコンタクトをお願いします。
会場:軽井沢友愛山荘http://yuaikyoukai.com/sanso.html
JR軽井沢駅から歩いて10~20分
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