頸部アライメントの作り方

生活場面での頚椎および頸部筋群制御テクニック

実際の生活場面にて頚椎の機能障害が起こることを考えると、あらゆる場面にてその動態を解析し対処方法を考じることが必要となってきます。

以下の3項目において、その影響がみられやすい例としてあげていきます。

1 腹筋運動と胸鎖乳突筋

腹筋運動シットアップにおいて、頸部が痛くなる人がいます。このメカニズムは頸部筋群の弱化により、頭の重さを支えきれないことにあります。また腹筋の弱さにより、過剰に頸部の屈曲が強要され、頚椎の負担が増大することがあげられます。つまり頭を持ち上げようにも、屈筋群の低下と頸部背筋群の安定性が欠如していると、いわゆる頚椎のロールアップが見られなくなります。ロールアップとは脊椎の分節が階段を登るように一つずつ滑らかに動くことであり、グループとしてまとめて動くことではありません。つまりのところ、モビリティとスタビリティが備わっていなければ達成できないアクションなのです。頚椎のアライメントも大きな要因であり、頚椎が後弯していると椎間板や椎骨にさらに負担がかかってきます。本来屈曲運動とは、頚椎で言えば後弯位になることなのですが、前弯から屈曲するなかで後弯になることと、最初からストレートから後弯アライメントから屈曲運動するのとでは、大きく動態に相違があるのです。つまり生理的な前弯があるということは、すでに頸部筋群の生理的な筋緊張が備わっているという条件だからです。よって屈曲運動時においても、モビリティを持って頚椎が特定の分節に過剰に負担をかけることなく遂行できるのです。ストレートや後弯位にある頚椎は、屈曲運動において深層の椎前筋群や伸筋群がスタビリティと分節的な運動に作用してくれなくなるため、結果的に頚椎の屈曲による効率性が得られず、頭をそのまま挙上することになるのです。いわゆる天井に視線を固定したまま、シットアップしているようなものであり、そこから無理やり起き上がろうとするならば、先ず頭部の屈曲運動が得られないことで、リフトはするもののヘッドがディレイしてしまい、後頭部は伸展位となります。その時に後頭下筋群がこれ以上過伸展しないように逆に固く固定に働いてしまいます。結果、頭頸部の並進運動になってしまい、胸鎖乳突筋の過緊張を招いてしまうことで、最早屈曲運動における作用を失ってしまうのです。

2 車の運転と頸部筋群

車の運転において私自身の経験からも頸部や仙腸関節、そして腰部への負担はかなり大きなものがあります。長時間の運転において、わたしもいろいろ工夫をしてきましたが、それなりの予防にはなるもののいま一つハマる感じがありませんでした。椅子の位置や背もたれの角度をマメに変える。バックレストを各種試してみるなど、またレッグプレスのように踏み込むことで、運転しながらも体幹のエクササイズをするなど、いろいろ試したものです。

ポイントは坐位での作業姿勢は屈曲運動であり、脊椎で言えば後弯に働くことになるのです。つまりはバックレストとしてのクッションは踏まず支えとしての機能がありますので、有効ではあるものの、頚椎においてはネックレストがあったとしても、作業時に背もたれに押し付けておくことはできない!という問題があるのです。よって頸部が屈曲することにより、脊椎のアライメントは崩れ安定性を失うことになります。つまりは頸部においてはカラーをつけておくことも現実的ではないことを考えると、使い方として学習するしかないと言えます。

つまり腰痛や腰への疲労だったとしても、頚椎の動きの制御に視点を向けて考えることです。

現代はスマホ症候群と言われるように、下向きの姿勢にて頚椎のアライメントが崩れるとによる頸部痛そして頭痛が問題として取り上げられています。頸部のアライメントの影響は可動性が大きいが故に便利ではあるものの、制御が難しいと言えます。そして生活動作において屈曲やお辞儀は必須であるからです。腰椎をそらすという意識だけでなく、頚椎の屈曲を背筋群を使って制御するという意識にてお辞儀すると、背骨全体のアライメントが崩れることを予防できるでしょう。車の運転においては右ハンドルとすると右への振り返る時に左頸部の安定性が必要となってきます。ここで左頸部の前弯が崩れてしまうと不安定性が助長されてしまい、腰椎への影響もでてきます。よって回旋屈曲なのですがアップアンドオーバーのように、仰ぎ見るような使い方が有効となってきます。右回旋時に左頸部伸筋を意識することです。どちらかというと、頚椎伸展位保持での回旋というイメージになるでしょう。

3 片手に荷物を持つことによる弊害と対策

片側に荷物を持つということは、弊害がまことしやかに言われいます。しかしながら、左右均等に物を交互にもつということによって、その弊害を回避することができるのでしょうか?おそらく結果的には生活において片側にカバンや荷物をもつということの習慣をコントロールすることは難しいといえます。またそれによって何かしらの予防につながることが期待されますが、顕著な効果としてあげられているという報告も聞きません。実は左肩がこるという場合、その要因の一つとして荷物を片側に担ぐことが考えられるときに、担いでいる側の肩が凝るのか?それとも担いでいない側の肩が凝るのか?実は明確にどちらともいえません。どちらにも起こりうるということになります。

つまりは身体の正中線からアームが長くなればなるほど肩には負担がかかるわけですので、実際には担いでいる側の肩こりが出そうなものです。しかしながら、実際にはどちらに担いでも、そして担いでいない側においてもアームは長くなる可能性があるのです。

正中線からの偏位となると、背骨の前額面上での側屈となります。そして肩に担ぐと頚椎と胸椎のレベルにて変位がおこると、アーム長が長くなり僧帽筋に伸長ストレスがかかることになります。つまりは担いだ側の肩関節が下がればアームは長くなり、逆に担いでいる側の肩が挙がれば、反対側のフリーな肩が下制するのです。結局はどちらに担ごうとも、正中軸を保持できるかどうかにかかっており、そのスタビリティの低下側が結局は肩こりの要因となるのです。
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体の繋がりについて

としゆき
私は武術家に指導を受けていますが、片手に荷物を持つという事に関して身体技法的な視点から少し述べさせていただきます。
指の使い方(握り方)の違いや注意の向け方(どこにどの程度注意を向けるか)によって体の繋がり方が変化するのを多々経験しております。
カバンの場合、肩が外旋位を取れないので肩甲帯との連結を強めにくいので、指の拮抗作用を利用するといいと思います。具体的には小指、薬指、環指を屈曲してチョキを作ります。意識は指を握るのではなく、4.5指を肘の方向で伸ばす感じです。母指は下側に伸ばしていく感じです。つまり方向は拮抗させるのです。恐らく体が繋がりやすくなると思います。この方法は甲野先生の「虎ひしぎ」の原理を応用した物です。別な方法として指先(スマホでタッチする場所)を軽く意識する。などがあります。
またこの指の形をキープしたまま昔の体温計を下げるように素早く肩を落とす動作を数回すると肩甲骨外転の可動域が少し拡大します。

私が思うに武術家は1.負荷を全身で分散できる能力2.中枢と抹消の筋緊張を選択的にコントロールできる能力。に秀でていると感じています。
1に関してはうちの下の娘は体が小さいのになぜか5歳頃から10キロの米を結構簡単に担ぐ事ができたので持って生まれたものもあるのかもしれません。小さい頃からおんぶや砂浜を歩くなどの練習をしておくとよいと思います。
山本先生いつもPT的な話でなくすみません。

体の繋がり

としゆき
私は武術家に指導を受けていますが、片手に荷物を持つという事に関して身体技法的な視点から少し述べさせていただきます。
指の使い方(握り方)の違いや注意の向け方(どこにどの程度注意を向けるか)によって体の繋がり方が変化するのを多々経験しております。
カバンの場合、肩が外旋位を取れないので肩甲帯との連結を強めにくいので、指の拮抗作用を利用するといいと思います。具体的には小指、薬指、環指を屈曲してチョキを作ります。意識は指を握るのではなく、4.5指を肘の方向で伸ばす感じです。母指は下側に伸ばしていく感じです。つまり方向は拮抗させるのです。恐らく体が繋がりやすくなると思います。この方法は甲野先生の「虎ひしぎ」の原理を応用した物です。別な方法として指先(スマホでタッチする場所)を軽く意識する。などがあります。
またこの指の形をキープしたまま昔の体温計を下げるように素早く肩を落とす動作を数回すると肩甲骨外転の可動域が少し拡大します。

私が思うに武術家は1.負荷を全身で分散できる能力2.中枢と抹消の筋緊張を選択的にコントロールできる能力。に秀でていると感じています。
1に関してはうちの下の娘は体が小さいのになぜか5歳頃から10キロの米を結構簡単に担ぐ事ができたので持って生まれたものもあるのかもしれません。小さい頃からおんぶや砂浜を歩くなどの練習をしておくとよいと思います。
山本先生いつもPT的な話でなくすみません。

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