足は推進力の車輪でありサスペンションである

推進性としての足部機能



動力源としての体幹とサスペンションであり車輪となる足部機能。足が重要であることは今更ですが、この足部が本当の意味で大切なのは、特殊なアーチ構造を有するクッション性となります。常々、安定性ということであればわざわざ足底に隙間を作って、地面との接地面を少なくしてかえって不安定な構造にしなくてもいいようなものです。つまりは、アーチ構造というのは建物としたら、静的には不安定なのです。人間は動くものですから、平衡機能が不可欠であり、故に足部の基底面が狭いということは、動的安定性機能を有していなければならなくなります。

インソールにおいても足部の型を採って、その隙間を埋めるような方針にて作ることもできるわけで、しかしながらこのようなコンセプトにて作ったインソールはあまり受けはよくありません。

足には《たわみ》が必要なのです。たわむということは、バネのようなものでありバネは弾みます。荷重するとたわみが生じ、そのためには姿勢制御が不可欠なのです。


ところがこの姿勢制御は、往々にして加齢とともに落ちてきます。また若い人であっても個人差があり、姿勢制御のシステムにエラーが起きていることも珍しくありません。立って歩けるという、出来るか出来ないか?と言われるとできるのですが、その質が問われてくるのです。

つまりは建物は動かないことが前提であり、構造としては基底面積が広いことが安定性につながります。地震を想定すると構造の中にたわみを作り出すダンパーが有効であり、敢えて揺れるように作られています。つまりは動くということを想定すると、ガチガチに固めてしまう構造は揺れには強くないということです。

橋はアーチ構造にて上からの圧に対して強さを発揮します。橋には車などの通過車両が徹わけで、応力が可変することになります。
つまり人間がアーチ構造を有しているのは、荷重における応力を干渉するためであり、それは動的ということです。

橋と人間の違いは自らが動くことにより応力が可変するということです。橋も眼鏡橋のようにドーム型もありますが、必ずしもそればかりではないのは車の通過によるかかる応力は、普通の橋桁でも対応範囲であるといえます。また眼鏡橋と人間の足構造の違いは、アーチ構造を構成している骨関節にモビリティがあるということです。つまり構造物の建設そのものが動いて荷重動態が変化するということが、可変性のあるアーチ構造を必要とする理由なのです。

しかし、進化とはこのような必然性があったにせよ、何万年前もかけて変化対応していくことができる摩訶不思議な存在ですね。必要性があるとつまりは感じると、思うと変化するというのはマジックというより特殊能力ですよね。何千年何万年前もかけての変化なので、自分の人生の中ではさほど認識もできないのでしょうが、確かに昔と今では体型が変わってきていることはなんとなくわかります。

人間の足の構造は、前足部と後足部のトーション捩れという可動性と、足根骨にみる不動性と、アーチ構造にみる荷重対応能、そしてモビリティによるたわみ機能になります。

つまりはアーチ構造は大切であり、その構造体そのものが床半力を吸収してくれるわけで、それでいてたわみがバネとしての役割を果たしてくれます。アーチ構造の剛性ばかりが顕著となっているのが凹足になります。ハイアーチと呼ばれるこの構造体は、荷重時の遊びがないため足底腱膜炎を誘発したりします。

荷重時にはダンパーとしての受ける機能が必要であり、このたわみと弾力性のある構造体が、可変する荷重動態への対応能力となるのです。

荷重動態においては、歩きと走りにおいてはギアのあげ方が変わってきます。ジャンプや不整なsurfaceでも、一定ではなく可変がキーワードとなります。


人間は四方八方に自由度を有しており、姿勢制御のための一瞬の間が必要なのです。その間がたわみとなります。柔らかすぎる足は、しなりすぎてバネとしての機能と剛性が欠けるため荷重を伝達することができずに推進性か損なわれてしまいます。

つまりは足部には橋桁にはない、推進性という特殊な能力が必要とされるのです。

この推進性は足部だけの構造や機能だけでは不十分であり、体幹との連動性が不可欠となります。もちろん腕振りによる回転モーメントの制御による推進力への転換など、あらやるパーツが連動しての機能となります。


動力源としての体幹は安定性と、モーメントの制御という役割を有しており、これが固定性とは違うところです。

推進性が必要とされるのは、ロコモ(運動器)だからです。つまりは歩行と走行です。
この歩行と走行には下肢関節のコーディネーションが不可欠であり、ダブルニーアクションやヒールコンタクト、トゥーオフそして股関節の屈伸が連鎖します。

特に足はヒールロッカーとアンクルロッカーという、テコの作用による推進性があります。この推進性には慣性が必要であり、その慣性は体幹から生まれるのです。しかしながら体幹だけではだだの筒ですので、モーターがついているわけではありません。このモーター代わりになるのが、腕振りとなります。上肢肩甲帯のモーメントは身体軸に対する外乱となり、その外乱を制御するために体幹があります。そして身体軸とは基本、軸回旋でありコマの芯となります。縦のモーメントが屈伸であり、頸部と腰部の躍動となります。

世界選手権でガトリンの走りが、まさにその腰部のしなりというか、躍動感を顕著に感じさせてくれます。腰椎の前弯という基軸をベースに、頭頸部の屈伸運動と股関節の屈伸に伴う骨盤の拮抗した連動性が見られます。日本人が最も苦手とする動きであり、スプリントの特に後半必要とされる動きになります。黒人の伸びはまさにこの骨盤の連動性、縦の拮抗と制御なのです。

身体を折り曲げないのは、軸回旋の機能を損なってしまうからです。上下を屈伸モーメントにて制御して結果的にアップライトに保つ。そこに軸回旋が加わるためには、鉛直垂線に準じていないといけないのです。
速くても強くない!という表現をされることが多い日本人ですが、まさにその軸が細いでのです。軸が細いというのは体躯が貧弱だということもありますし、貧弱ということは一本の糸のように邪魔されずにレールに乗っていれば速いのですが、不整地や駆け引きやペースのアップダウン、そして周りの圧巻のダイナミズムにリズムを狂わされると全く力を発揮できないのです。ただ脚を出しているだけではダメで、自ら走らなければいけないのです。その走りに意志が見えなければいけないのです。

腰部の躍動性は骨盤の脚の動きとの連動性が必須です。つまりは、股関節と骨盤そして腰椎との連結が大切であり、それは腸腰筋ということになります。この腸腰筋の働きには足部の時系列の接地部位の推移との連携が必要です。

機能的な足部と体幹との連動性を身につけることこそが、推進性が高まり移動動作やスポーツ動作への向上につながるのです。
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