アブドミナルエクササイズ

体幹TAIKANとボティワークの現在地

ボティワークと体幹エクササイズの現在地はどうなっているのか?最早、体幹トレーニングの勢いはとどまるところを知らず、ボティワークのピラティスを代表とするコアエクササイズとの住み分けが、その違いがわからなくなってきました。特にこれから何かをしたいと思っている一般大衆にとってはますますわからないことでしょう。
また、専門家である我々においても、決してその違いがわかっているわけではないと言えます。

あまりにも市民権をえすぎた体幹理論!すでに医療従事者である我々の手を離れてしまったと言えます。離れたというよりも、想像の範囲を超えてしまったということです。
職能として業務独占がない我々が、被りまくることになる体幹!それはリハビリとしても、パフォーマンスアップのためにもOYO範囲が広がっており、そのコンセプトだけでなくフォローアップ体制!そしてどのように組織に浸透させるか?病院や治療院に来てもらうことに慣れてしまった療法士は、浸透させるための信じてもらうための説得力や、惹きつける力とか、諸々のことが必要となってきます。それが時に過度なセルフプロデュースにつながることもありますので、医療従事者が参入してしていく新たな領域として認識しておく必要があるでしょう。

各種でている体幹トレーニングほ、島嶼であれば「あれはアウターだ』と言い放つコトができたのですが、こうと実績のあるが伴ってくるとなにも言えなくなります。最初は腹横筋という三種の神器が理学療法士に与えられ、アウターとインナーの使い分けは難しいものでした。医療従事者の特権のようなものだったのですが、世間もどんど進化します。世のトレーナーが勉強をしっかりして取り組めばできないわけがないのです。それも立場か主体的で、即座に反応が自らの評価に跳ね返ってくる。そんな状況で伸びないわけがありません。
スポーツであっても最終的にはメンタルがその人の人生を左右する様に、メンタリティーなのです。肩書きや所属の問題ではなく、やはり本人次第ですなのです。どの格闘技が強いがではなく、その人がなにを背負って信じているかが真の実力者となるのです。

もともとは腰部のスタビリティとして発展してきた体幹!
腰部がいつの頃からか体幹に変わりました。この体幹に関しては、力学的平衡理論の上半身重心と下半身重心の位置関係による、モーメントをベースとした考え方も大きく寄与しているものと思われます。つまり日本においては腰部のコアマッスルという観点からだけでなく、胸郭胸椎の硬さ!という障壁が立ちはだかります。つまり腰部のスタビリティだけなら、胸郭はクロースアップされることはなかったと思われます。
しかしながら、モーメントにおいては上半身重心は肩甲骨の下角高位、つまりは胸椎であり胸郭にあたります。身体重心のコントロールには腰部のスタビリティだけではなく、体幹という見方が不可欠となります。
では現在の体幹という考え方の中に、胸椎や胸郭の柔軟性という考え方があるかと言われると、実はあくまで腹横筋であり骨盤底筋であり、横隔膜になります。つまりのところ、コアーマッスルと何ら変わりがないということになります。日本での体幹エクササイズですが、欧米にはないほどの発展の仕方をしています。バリエーションも然り、この体幹という考え方が身体機能、パフォーマンスを向上させる起点となって、身体技法全てに波及しようとしています。

代表的なエクササイズがプランク!
このプランクというエクササイズは今ではリハビリにおいても、多用されています。決してリハビリの業界にてでてきたものはありません。ドローインも体育系の語源でしょう。リハビリ起源は仰向けにて腰部にマンシェットを敷いて押しつぶしたときに、腹横筋が働きやすいといったいわゆる腰痛対策のpelvic tiltの延長線上にあるアプローチです。結果的にお腹が引っ込むので、ドローインという表現がリハビリにて使われるようになっていますが、もともとは体育系のエクササイズコンセプトだと思われます。
 つまり腹横筋の収縮を促すのは難しいということで専門家としてのリハビリ専門職の利点だと思われていたものが、お腹を凹ますだけで良いということになって一気にハードルが下がってしまいました。ここに医療従事者としての腹横筋のアドバンテージは無くなります。それでも腹横筋などのインナーを働かすのは素人では難しいという自負はあるのでしょう。しかしながら、実際にトレーニングにおいてパーソナルトレーナーが各種スポーツ現場にて、競技成績という結果にてでてくると説得力が違ってきます。プランクやサイドブリッジなどのエクササイズはおそらく一昔前であったら理学療法士はアウターエクササイズだと一刀両断していたことでしょう。つまり我々は実際の結果やメリットよりも、そのプロセスや見た目や理論において評価するという特徴があります。つまり実際にそのエクササイズをすることで、どのような成果が上がったということではなく、運動療法という治療としての手段として使うのでその時にしっかりとした処方箋が施されているか?ということに主眼がきます。
 つまり運動を治療として用いる理学療法士は、見た目のダイナミクスやバリエーションよりも局所的な筋肉の使い方としての視点がメインとなるので、そこからの派生するエクササイズにおいては検証ができないため避ける傾向があるのです。
 つまり研究において腹横筋だけをみたいのなら、できるだけ四肢や安静にしておいて腹部だけを収縮させるという設定が必用だからです。その他のエクササイズにおいても筋電図などにて測定はできますが、何故にそのエクササイズを選んだのか?という大義名分がないのです。
 そもそもエクササイズとトレーニングと運動療法とボディワークでは何が違うのか?ということになります。トレーニングとエクササイズはほぼ同義であり、Wikipediaでは「肉体能力の維持・強化や健康保持などを目的とした肉体的な運動の総称である。」とあります。有酸素運動、無酸素運動、ストレッチなど健康増進や成人病予防などに特に適応であるように思われます。そして最大の特徴は何回を何セットという一つ一つのエクササイズをいくつか組み合わせて、回数をこなすということになります。スポーツ現場にてもともと行われていた手法が、ボディワークや科学的な知見など多くの情報を取り入れることで「体幹」として独自に発展してきたと言えます。
 つまりは最初は医療やリハビリにおいて腰痛予防つまりは不安定性腰椎に対する治療手段であったり、ボディワークにおけるシークエンスやフォーマット、マインド、トランジッションなどの要素が特徴です。特にボディワークにおいてはインナーマッスルという視点が強調され、アウターの要素をできるだけ削減することに主眼がおかれています。しかしながら、それは時にアウター不要論という風潮を生み出します。そこには筋力という概念は入ってきません。
 エクササイズやトレーニングにおいては、インナーが重要であることは言うまでもないとしても、もともとあった各種のエクササイズ方法があります。それはバランスと筋力という要素、そしてワークアウトという要素が入ってきます。インターバルという要素もありますね。また競技特性などを考慮したアレンジも自由に組み合わせられます。ボディーワークにおいてはあくまでフォーマットを遂行することに主眼がおかれているため、時に一〇〇何十種類もあるワークの何が自分に一番必用なのかがわかりにくかもしれません。インストラクターはあくまでヨガやピラティスなどのフォーマットをティーチングすることがメインとなるからです。取捨選択がしにくい、アレンジしにくいという特徴があるかもしれません。つまりはボディーワークはイントラそのものが見本を見せて常にそのワークをアップデートしていくことになりますので、当然その教えを遂行することがメインとなります。つまりはボディーワークという文化なのです。
 しかしながらトレーニングなどのパーソナルトレーナーは、自らが見本も見せるとは思いますが、どちらかというと指導と監修というスタンスでも十分であり、マニアックさよりも大衆化が視点となります。そのあたりが汎用性であり自由度をもって取り組めるため、世間への広がりが爆発的な勢いとなっているのです。
 今では体幹そのものが主動となり、そのなかにボディーワークなどがあるという序列になってきています。つまり体幹そのものが機能的な身体づくりの核であり、その要素を有したコンセプトとしてボディーワークもあるという寸法です。つまりボディーワークありきではなく、人の機能ありき、目的別に用いることがメインとなるのです。
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古武術的視点からのつぶやき

金子
武術の視点から述べさせていただきますと甲野先生がおっしゃるには、体幹と末端は表裏の関係であると言っています。。
人間は日常生活では末端から動く方が効率的な場合がほとんどです。しかし体に負荷がかかると末端からうまく動けなくなります。稽古で末端からうまく動けるようになった時には体幹も繋がってきます。しかしうまくいった時ほど達成感がまったくないのでフィードバックが得にくのが難点でもあります。最近思っているのは変形性膝関節症等で荷重時に痛みがある方には古武術家のように外力に対して全身で分散できる身体技法を身につける事で改善するのではないかと考えています。

Re: 古武術的視点からのつぶやき

山本尚司
金子さん

コメントありがとうございます。
大変参考になる視点です。私も甲野先生の勉強会に何度か参加して少し研鑽をしたのですが、そこまでは深く探求できていませんでした。末梢優位も体幹を軸とした中枢優位説もどちらも理があると思われます。
日本人の器用さはまさに古武術的な素養なのでしょう。
反面、パワースピード、いわゆる加速度や推進力については欧米系に劣っている感は否めません。明らかにアジリティと呼ばれる要素が日本人において特徴とされながら、サッカーを観ていると明らかに遅い!
倒れこむような走りは中間疾走において減速してしまう。などを考えると瞬間的に目の前から消えるような動きは日本人に得意とするところかもしれませんが、黒人に代表されるスピードは有していないものと思われます。日本人に丹田や腹文化があるのは、そこに体幹のスタビリティとは違う身体技法が存在している表れであれ、いわゆるはらが据わっている!重心の安定、どっしりと構えているような身体操法なのでしょう。そこから動くとなるとニンジャのような走りは確かに体幹は躍動性というより、足先にて小幅なに刻むような走りになります。手先と足先と腹が最も活かせる動きや武道こそが、日本人の特性なのだと思われます。ダンスにおいても、どことなく日本の場合は一人一人がバラバラとしているような芯がはっきりしない感じですが、韓国などはまた日本人にはできないダンスパフォーマンスをしています。
しかしながらフィギィアなバレエは優秀なダンサーも多く、個人のダンサーも日本人は世界的に認められてます。
我々から見たら見慣れた動きで、欧米が認める視点はわからないところがありますが、欧米人からは日本の動きの良さがよりわかるのでしょう。
一軸ではなくナンバ歩きなどは2軸になります。日本人はスタビリティではなく、パーツに分けて各々を使い分けることができるのかもしれません。しかしながら腸腰筋を上手く使う技法は発達してないので、欧米系のスポーツの大半はパワーとスピードによる競い合いのため、日本人の身体特性を欧米のスポーツにアレンジしていくことに苦慮しているのだと思われます。



お返事ありがとうございました。

金子
話しは変わりますが、甲野先生に姿勢制御に関しても「暗い所で、外力に対して姿勢を安定させるにはどうしたらよいか?」という問いにセラピストでありながら私は答える事ができませんでした。甲野先生の一言に注意を向ける事によって姿勢は安定しました。つい最近は森岡周先生の本を紹介したので、買ったそうですが、何か発見があったそうです。理学療法士も固定観念を捨てて若い人達に頑張って欲しいと思っています。今後とも先生のブログを楽しみにしております。

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