必見!「トリガーポイントの真の使い方」

運動連鎖からみたトリガーポイントセラピー

 徒手療法はmobilityを、運動療法にて予防や動作時の補強としてというのが一般的でしょう。神経根の絞扼に対して、感覚障害や神経圧迫障害を直接的に理学療法にて除去しようという発想は、現在少なくなってきているかもしれません。その痺れは実はトリガーポイント(TP)が原因である!そして改善した!という結果として良くなったアプローチをすることもできますが、それはスクリーニングの一つにすぎません。明らかにデルマトーマにて髄節が明確である場合、そして上肢や手に明らかに末梢神経障害であるとわかる感覚障害や麻痺がある場合は、トリガーポイントが第一選択になることはありません。

 では何が適応でどのような効果があるから、トリガーポイントは有効なのかを考察していきます。まずトリガーポイントの発生機序はいわゆる凝りの最たるものであるということです。凝りが硬結となって、押圧すると放散痛があることが特徴です。そのTPは短縮痛があるといわれており、筋肉が短縮すると活性化するというものです。よってTPのある部位は、伸張されている部位であることが姿勢を観察することによって判断できるというわけです。しかしながら身体部位の延びている部分の全てTPがあるという考察は、いささか拡大解釈であると言わざるをえません。姿勢障害の全てはTPによって成り立っているということになるからです。臀部と肩が顕著にTPの必発部位になりますが、凝っていればその部位は硬く内圧が上昇しますので、それは結果的に短縮することはできにくくなります。安静時にも出現するTP起因の痺れや痛みは、それほど多いわけではなく、大半は押圧すると放散痛が出現することによって凝っていることに気がつくのです。

 トリガーポイントとはいわゆる筋緊張の成れの果てであり、凝りの最上級であるということです。つまりトリガーポイントは筋緊張の機序が働いているということなのです。

⑴筋緊張にはあらゆるカテゴリーがあり、トレーニングによる疲労。いわゆる筋肉痛であり、パンプアップすることにより微細な筋損傷が起きている状態です。これはリンパの流れを良くするような施術が適応であり、TPに対するアプローチは不適応となります。

⑵次に廃用です。廃用になると筋肉は痩せてきます。この痩せた筋肉は結構痛いです。触感としてギターかバイオリンの弦のような弾いた感じです。これも押せば痛いですが、放散痛は出現しません。薄い筋肉が骨に押しつけられた痛みです。

⑶そして筋スパズムです。防御性の収縮であり、中枢神経疾患も広義の筋スパズムになります。不安定なジョイントをつなぐ筋肉に起きる現象です。また急性期の炎症を抑えるために不動・固定のための作用としての筋緊張もこれにあたります。

⑷そしてトリガーポイントです。押せば良くなるというような一元化された理論は既に医療ではありません。そんな理論は思考を停滞させて、プロトタイプのマシンをつくるだけです。その病理と機序を考えないセラピストが急増していますね。
 
 私は指圧師の免許を有しています。
 指圧には三原則があります。

 ①垂直 ②持続圧 ③集中

 この三原則を念頭に置いて施術することです。しかしながら言葉だけではわかりません。実践して学ばなければわかるはずがないのです。
 そしてさらにポイントとしては、その部分ではなくさらにその奥底の気の深みに対して響かせることです。生体と対話をしながら、圧の強さと深さと時間と抑揚をコントロールするのです。
 マッサージ指圧師からすると、こんなことも知らないでやっているのか?ということも言えますが、別にそれを言っても仕方ありません。学んだ土壌が違うからです。理学療法ではない分野から引っ張ってきて、あたかもそれを知っていないのは愚の骨頂のごとく言い放って、何も知らない人たちを引き込む手法が出回っていますが、本当にばかばかしくて笑ってしまいます。

 ただグリグリと押して痛みを出させる方法にて良くなる人もいますが、それは全身が元気で健康で純粋なトリガーポイントの人のみ。体力の無い人や不適応の人に施術したら、二度と来ませんので、弊害が出ていることにも気がつかないでしょうね。特に⑴~⑶の機序の人には不適応の可能性が高くなります。推測して仮説をたてて施術するのと、やみくもにやって効果の幅が出ることに何故だかわからない?では、本当に治すことはできません。それでも効果が出る場合には同じ押し方でも、病理に応じて押圧を変化させることです。結局は生理的な筋緊張に戻せば良いことですから、促通にも抑制にも関節の整合性を高めることにも応用はできるからです。しかしながら、これはかなりの上級編になります。しっかりとした運動連鎖の機序とアプローチを理解して、臨むことです。

⑸トリガーポイントの運動連鎖アプローチからみた機序
 トリガーポイントが活性化している時には、筋肉だけの病理では起き得ないといっても良いでしょう。現に普段は気がつかないで押されて気がつくのですから。活性化している場合、普段から何かしら違和感が出ているパターンは、筋肉のスパズムが生じている場合、つまりは防御性の収縮機序が重なっている場合です。つまり筋肉の病理が進んでいるトリガーポイントにおいて関節機能障害が生じていないわけが無いのです。つまりトリガーポイントだけでは自覚的愁訴はさほど問題にはならないのです。患者さんでもマッサージや美容院で肩を揉まれると、ものすごく硬くてびっくりされて「肩が凝るでしょう」と言われても、自分としては何も普段は凝っているとは思わないという逸話をよく聞くでしょう。凝りは関節運動学的にエラーがおきている場合であり、そしてそのロコモーションのなかで遅延や停滞をしている部位となります。よって臀部や頸肩部、顔面などにトリガーポイントが多発するのです。つまり、もともと運動学的にエラーが起きている部位の、隣接関節の整合性が損なわれることで、スパズムと筋硬結がダブルで重なることで重度な違和感となって痺れや痛みとして脳内に表象されるのです。
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