クナイプ自然療法

クナイプ自然療法と地域包括へのアイデア



富山大学名誉教授 鏡森定信先生の特別講演を拝聴いたしました。鏡森先生は温泉療法医という聞き慣れない肩書を有している医師です。温泉療法そのものが学会になっていることは何となく知ってはいましたが、これが療法という手段ではなく、ドイツでは街のなかに自然療法としての理念が活かされているということだそうです。
 お話は水療法の効能という学際的な話だけでなく、以下のような

「社会とは何か?
「何で成り立っているのか?」

といったテーマにつながってきます。そこに地域の在り方や、どのような理念をもって取り組むべきかというヒントが隠されていましたので報告します。

ドイツでは森林があり、牧草があり、そこに学校や病院や住む町がある。
そして、そこに自然療法としてクナイプ神父が作り上げた体系が一つのインフラとして営まれていく。クナイプ療法とは19世紀に不治の病であった結核を自ら克服したことがベースとなっています。主に水療法と運動、食事、薬草、調和の各療法から成り、現代まで引き継がれています。
クナイプ療法の核は、温・冷交替浴で生体機能を刺激する水治療法になります。日本では湯治や温泉療法など和温療法として受け継がれている。
調和療法というのは規則的な生活を取り戻すという、いわゆる健康の基本である。サーカディアンリズムを取り戻すことにより、自律神経効果や睡眠効果などがある。

温水浴といえば、近年ヒートショックプロテイン、40~42度の熱めのお風呂に入ることで細胞を修復させるタンパク質が増えます。このタンパク質のことをヒートショックプロテインといいます。免疫力があがると言われています。

ここでも自律神経についての議論がでましたが、結論としては交感神経とか副交感神経などスイッチが切り替わるようなものではなく、自律神経そのもののパワーが大切であるということです。つまり過労死をするような人は自律神経そのもののバランスは良くても、全体的にパワーが低い。生命力が低いとでもいうのでしょうか。
つまり交感神経であろうと副交感神経であろうと、自律神経の「揺らぎ」をつくることが大切である。
ヨガとエオロビクスでは全く得られる身体感覚が違いますが、交感神経が抑えられるのか、副交感神経が賦活されるのか?はたまた交感神経がさらに刺激されることで副交感神経が蘇ってくるのか、副交感神経が賦活されることで交感神経も上がってくるのか?実のところはわからないということになります。活動性とはサイキングアップであり、しかしながら冷静な面も必要であると。クールな熱さとでもいうでしょうか?これは自律神経全体が上がっていて尚且つ、テクニックとして抑える方法を用いるということで手綱を引くことになるのでしょう。このあたりが、ルーチンワークとして、スポーツ選手がより良い状態に自分を導くために編み出していく独自の方法なのだと思います。

このクナイブ自然療法の講演にて行き着いた結論は、
「社会とは何か?」
「何で成り立っているのか」
そこにはインフラも文化も医療も娯楽もコミュニティもとなりますが、その大元は、
「生きている力が大事である。」ということになります。
街とは、人とは、インフラとは、まさに生きるパワーを力の源になるべきものなのです。
 例えば面倒くさいものを全て省いて、自分中心のライフスタイルを構築したとしましょう。面倒くさいということで、気ままにくらしている人にパワフルな生命力を感じるでしょうか?関西のおっちゃんやおばちゃんにパワーを感じるのは、そのあらゆるしがらみに絡み込んでいるからでしょう。自分本位の生き方というのは、おそらく地域包括という理念から外れるものと思われます。そういった意味においては、基本は自分にしか興味が無いので、これはまだまだ2025年問題に対処できる人材として自分自身が育っていないといえます。関わりや近所や世間や地域に入っていくこと、それは専門家としてのフィルターではなく、人としてのスタンスになります。専門家として関わるのでは、これはきっと本当の意味での地域包括ケアを推進していくスキルにならないでしょう。
理学療法で提供できる知識や技術や専門性を、「生きる力に活かしていく」「みんなが活き活きと活力が漲る」そんな気持ちの根底があれば、きっとより良い社会への寄与ができることでしょう。
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