ベッドサイドのリハビリテーション⑴

効果的なベッドサイドリハビリとは?

 運動連鎖道場を開催していると、道場生から様々な質問がとんできます。運動連鎖アプローチと言えば比較的スポーツを連想させるような、どちらかというとアクティブなイメージでしょう。しかしながら、実際に参加者の大半は病院の回復期や急性期、そして訪問看護ステーションスや老人保健施設の理学療法士や作業療法士になります。本来は、クリニックに勤めているセラピストや開業している柔道整復師、鍼灸按摩マッサージ師、トレーナー、などが最も対象となるのかもしれません。例えば、顎関節や頭蓋などは病院にいるとほとんどお目にかかることがないというか今迄必要性も感じなかったことでしょう。よって、問題はその部位をやれば楽になったり変化したりすることはわかっても、大きな壁はその知識を一体今の臨床のどこに活用したらよいのかということです。もし頭蓋からアプローチするようにとオーダーがあれば、それは迷い無くできるところですが、何故いまここでリハビリテーションという現場において、そのテクニックや視点が必要なのかということです。一体、何を今更言いたいのか?と運動連鎖道場に参加して、既にその重要性を認識している人たちにとってお思いになることかもしれませんが、この最初の導入の段階でどのようなギャップがあるかを常に認識しておくことが大切なのです。
 まず私は何度も歯医者に通って、実際に治療を受けて、そしてカイロプラクティックや整体の研修に行く中で、ようやくその必要性と全体のなかへの取り込み方を学んだ記憶があるからです。それにしても若い人は本当にその辺りの習得が早いですね。早いというのは知識や技術を習得するということだけではなく、そのことを疑問や葛藤を感じること無く、当たり前だと思えるということです。私は古い時代の人間なので、理学療法というカテゴリーにこだわり、その差別化と特異性を常に念頭において取り込んでいたため、かえって遅くなってしまったのかもしれません。
 今月で修了した米子での道場では、その触ったことも無い、見たことも無いという前提にて、その辺りの葛藤を絡めて話を進めていったので、より質問もでやすかったのかもしれません。効果があって当たり前だというようなスタンスではなく、そのことが我々の今やっている臨床の何を補ってくれて、どのような位置づけになるのか?そして我々の学んできた理学療法教育のなかでどのように紐付けしていけるのか?実はそこがとても重要で、いきなりオステオパシーをそのまま教えてしまうというスタンスには賛同できません。私はですよ・・・あくまで私はです。

 そのなかで比較的多くあった質問のなかで、たまたま普段の臨床においてベッドサイドのリハビリに携わっている理学療法士が何人かいらっしゃるようでした。その中でいわゆる寝たきりに近い患者さんや、本当に意識レベルが低下している患者さんのリハビリで使えるのでは?というような質問が何件かありました。確かに頸部周囲の筋緊張が極端に高くなっており、顎や頸部頭蓋のアプローチは有効である可能性があります。しかしながら、有効とは何をもってそういうのか?そこがベッドサイドのリハビリにおいても新たに体系化していく必要があります。なんでもそうですが、どの方法でも有効と言えばそれは有効です。問題は具体的にどのようなコンセプトのなかで使うかが大切なのです。臨床応用ですね。私自身、まだ病院にて一般病棟や療養に近い病棟にてベッドサイドのリハビリテーションに携わっている。それこそ一日に一単位にて何人ものベッドサイドのリハビリを担当します。

①ベッドサイドのリハビリにおける疾患特性
 リハビリと言えば、整形外科疾患や脳血管疾患ですが、一般病棟や療養においては、肺炎やHD、精神疾患など内科外科問わず、どのようなシチュエーションであってもADLが低下しているということでリハビリ適応になります。もちろん初期や早期に該当する日数の人もいますが、いわゆる慢性疾患が背景にあることが多いです。よって過去に脳卒中の既往があって、その上で風邪を引いてしまって寝込んでいるうちに全身状態が悪化して入院というケースもあるということです。確かにリハビリは脳卒中のリハビリの延長線上にありますが、そこは老化や廃用という要素が多分に入っています。そして回復期と大きく違うのは、まさに回復という言葉が指し示すように、回復するためにThe rehabilitationがそこでは行われます。表現がわかりにくいかもしれませんが、回復期病棟に働いているひとはそのニュアンスが伝わるでしょう。
 方や一般病棟や療養においては、もう少し幅広い病気や病態の患者さんがいらっしゃいます。このあたりは病院によって差があると思いますので、一概には言えませんが、同じような状況の病院も多数あることでしょう。

②ベッドサイドリハビリの現状
 ベッドサイドというのは急性期においては、手術後であるとか、発症直後ということで医学的な見解においてベッドサイドでリハビリをすることが必要不可欠な状況となります。ICUなどは典型的な例となります。身体中にラインやモニターが装着されており、体動はそれだけでも制限されてしまいます。
 方や慢性期においては、いわゆる寝たきりの患者のリハビリテーション、通称「ROM」もしくはポジショニングのアプローチになります。意識レベルも低下して、体動が困難であるということにおいて、確かに1単位のなかでできることはROMと座位保持ぐらいまでかもしれません。それでもどのように効果を上げるかということで、何もリハビリの時間だけがリハビリではありませんので病棟との連携が不可欠です。幸い今は介護技術も含めて情報も技術も向上していますので、ポジショニングの注意点、そして一日の中で看護および介護計画として、できるだけ起こそう、座位保持能力があるものの認知症がある患者さんに対しては、ナースステーションの前にて常に人の目と相手がいる環境をセッティングします。それこそリハビリテーションという考え方が反映していない場面を探すことの方が難しいぐらいです。これらの取り組みは、おそらく学会などで各病院の工夫などが報告されており、そして効果も出ていることなのでしょう。目に見えてどんどん向上するものでなくても、機能低下を予防するということにおいて工夫していることがわかります。
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