骨盤輪の理学療法

骨盤輪の理学療法

6月29日運動連鎖道場in福岡の第二回目。テーマは股関節と仙腸関節でした。
6月22日大阪にてリハステージ主催の研修会でも、骨盤輪というテーマにて講義をさせていただきました。骨盤輪の理学療法については、コンセプトがある程度確立してきた感があります。

まず骨盤に対しての見解をいくつか上げていきます。
① 骨盤の前後傾
② 仙腸関節
③ 骨盤底筋
④ 骨盤輪

①骨盤前後傾
 姿勢の分類において、メジャーな指標となります。骨盤の前後傾によって背骨のカーブの角度が相対的に変化していくことになるからです。前傾が強いと腰椎前彎、後傾が強いと腰椎フラットから後彎に移行していきます。脊椎全体のS字カーブに、決まった法則性があるわけではなく、フラットバックやラウンドバックなど多様な変化をみせていきます。

②仙腸関節
 仙腸関節といえば、徒手療法というイメージがまず頭に思い浮かびます。何故なら整形外科の分野にて早くから関節運動学的アプローチということで、痛みの治療において特別な方法というイメージが植え付けられているからです。徒手療法はあくまで他動的な方法になります。感覚入力によって軟部組織に入った最近の情報は、即時的には脳にとって一番新鮮なシグナルとして上書きされます。つまり、最近の体性感覚からの情報が、例え触っただけの刺激であったとしても、その刺激の余韻が消える前に変化を確認することで、変化を実感することができるのです。しかしながら、実際には物理的な刺激量は非常に少ないわけで、その余韻がまもなく消えてしまいます。どれぐらい効果が持続するのかは個々違いますが、研修会など受けたデモンストレーションにおいては、翌日には消えているのが常です。もっと言えば、その日のうちに効果は消えてしまいます。もしかしたら、新たな変化は、自らの肉となって既に取り込まれているのかもしれませんが、単発の感覚入力レベルでは根本的な解決や身体の変化には関係がないと言えます。

③骨盤底筋
 非常に複雑で、私もまだ良くイメージできにくいところがあります。骨盤隔膜と筋肉が幾層かに折り重なっています。この役割は内臓を牽引する、支持する、そして肛門などを括約するといったところでしょうか。いわゆる括約筋などの泌尿器生殖器に関わるもの、そして尾骨筋などの骨盤の底をハンモックとして支えている筋群、つまり骨盤腔の上からと下から覗いた解剖学的構造が違うのです。つまり骨盤底を形成している骨格群であり座骨・恥骨・腸骨・仙骨・尾骨を物理的につなぎ止めるための靭帯や筋群が不可欠となってきます。この構造をしっかりと底で支えるのですが、泌尿器や生殖器の括約のための実働パーツからみると、恥骨直腸筋・恥骨尾骨筋・腸骨尾骨筋・座骨尾骨筋・肛門挙筋・梨状筋・閉鎖筋膜などは、屋根になります。この筋群は仙腸関節不安定症においてメインダーゲットとなる軟部組織です。つまり尿失禁などの泌尿器系の場合には外尿道括約筋・球海綿体筋・坐骨海綿体筋・肛門挙筋・外肛門括約筋・浅会陰横筋・深会陰横筋・肛門尾骨靭帯などがターゲットなります。骨盤底の前部はこれらの泌尿器に関連する筋群となりますが、解剖学的には仙骨~座骨~股関節の骨盤底後部の構造もあります。このposterior aspectとも言えるspaceには靭帯や股関節や仙骨にまたがる筋群が覆っています。具体的には仙結節靭帯・仙棘靭帯・内閉鎖筋 梨状筋などがそれにあたります。つまり骨盤底といっても単なる締めるといったアプローチの観点だけでなく、仙腸関節も含めた複合体としての視点が不可欠なのです。

④骨盤輪
骨盤輪ですので樽が縄で締められるように、しかしながら柔軟性をもって適応することが必要です。つまり従来のズレとかアライメントの整合性が悪いという観点だけでなく、機能的に動く!という考え方が大切なのです。確かに整合性を高めてあげると、軸も整い動きやすくなるということはあります。つまり機能的な関節運動には適切な運動軸があり、関節の整合性がとれていることが必要である、と言えます。しかしながら必要充分条件かと言われると、必ずしもそうではなく、ある程度の幅をもって、身体機能というのは補いあう関係性にあるのです。よって整体という観点が矯正するというだけでなく、機能的に動くという要素が不可欠な時代となっているのです。この機能的に動くということの最小単位が呼吸になります。そして能動的な動き、そのための運動療法が大切なのです。「躍動する身体」そこに生命力の源があります。活きる力=活力があります。どんなに奇麗なアライメントであったとしても、それがじっと停まっていることを前提としたならば、いわゆる身体の外力に対するキャパシティの欠如ということになります。動きの中でどのように骨盤輪が躍動するか?普段、その動きに身体意識を向けて自覚できる人はいません。だからこそセラピストがモニタリングし、そしてその躍動感をクライアントに伝えて実感してもらう作業が存在するのです。
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