腸管と迷走神経

迷走神経の過緊張とは

迷走神経は副交感神経であり、緊張すると交感神経の働きが悪くなります。一般的に交感神経の亢進は良くないイメージが強いですが、副交感神経が過緊張すると、心拍数、体温、基礎代謝が低くなります。深部体温の低さも、この副交感神経が関係しているようです。
結果的に基礎代謝が下がるということは、脂肪をためこむことになります。深部体温が1度下がると、基礎代謝は12%下がるということです。

深部体温と皮膚体温は意味が違い、いわゆるいつも測っている腋窩体温が深部体温になります。他にも口腔や直腸、鼓膜などにて測定します。

よく手足が冷えると言われますが、寒くなると先ずは末梢の体温が低下して来ます。手足が冷たくなり、手をさするようになるのはそのためです。これは外気に触れているというだけでなく、脳や内臓などに温かい血液を集めようとするからです。人間は恒温動物ですので、蛇やカエルのように変温動物ではありませんので、低体温になると酵素や免疫細胞の活動が低下し、風邪や病気になりやすくなります。
さまざまな生命活動に必要な酵素が最もか働きやすい深部体温は37.2度とのことで、日本人の平均36.89度よりもかなり高いですね。確かに平時の体温がいつも37度ぐらいの人がいますが、活動的ですね。体内酵素の働きが悪くなると、腸内の善玉菌であるビフィズス菌が育たなくなり、腸内環境も悪くなります。がん細胞も増殖しやすくなるようです。

それでも何となく、体温が上がる、熱があるというイメージがあり、現に私は微熱にて充分身体がだるくなります。
ようは、体温を下げないことが大切だと考えればいいようですね。
細胞には熱ショックタンパク質(HSP)があり、体温の上昇にて増えるそうです。皮膚の若返り、張りと艶など美容に関係するようです。割と熱めのお湯に入ることで増えるようですが、私は熱いお風呂は苦手なのでなんとも…。
このHSPは細胞のなかに存在するようで、免疫細胞であるT細胞にもあります。このT細胞はがん細胞を攻撃してくれる役割を担っています。この物質は全ての細胞に存在していて、体温の上昇で増えるのです。人間でも熱めのお湯42°ぐらいで暖まると、HSPが増加してシミやシワを予防できるとのことです。このHSPは免疫にも重要な役割を担っており、T細胞の中にも存在します。つまり、温めたT細胞をがん細胞の中に投入すると、より効果的にがん細胞を攻撃してくれるのです。細胞のほとんどはタンパク質にて出来ています。タンパク質はストレスや圧力、活性酸素、紫外線、放射線、熱などによって常に傷ついてるのですが、常に修復され続けています。HSPはその働きを助けているのです。

腸管
 脳と消化管をつないでいるのが迷走神経です。迷走神経は脳幹から伸びている第10脳神経ですが、消化管を支配しているというより、消化管に広く分布している迷走神経の9割は脳に情報を送っているのです。つまりフィードバックが大半の機能であり、消化管が脳にかなりの割合にて支配しているという表現が成り立つのです。
 腸には脳内に存在する神経伝達物質でありセロトニンがあり、実に身体内の95%のセロトニンは腸内から作られるのです。脳や脊髄からの反射がなくても、独自に反射をおこせる内在性神経系を有しているのも特筆すべき事項です。脳や脊髄と同様に腸管には多くの神経細胞があり、脊髄内とほぼ同じ100万個を超える神経細胞があるのです。また腸管の神経は膵臓や胆嚢にも指令を出しているのです。

精神的な問題は気持ち、そしてそれは脳内の問題であると発祥を考えることが普通ですが、ここに内臓そのものが情動に大きく影響を与えていることが考えられるのです。つまり心理的ストレスにて過敏性大腸炎や胃潰瘍になるように、逆に消化管の問題がうつ病などの心理的な動揺に影響を与えている可能性が否めないのです。
 五臓六腑という東洋医学による分類は、内臓そのものがあたかも人格があるかのように配置されています。神経や脳をいかにコントロールするかという観点からの治療や施術もありかと思いますが、実は脳が飽和状態になっている今日においては、より内臓や皮膚・筋肉といった器官とのバランスをとらなければならない時代とも言えます。

「内臓と感情」
 少々強引な結びつきにもなるかもしれません。いきなり飛躍してもどうかと思いますが、内臓が感情を引き起こす例として「お腹がすいた」というまさに消化管の動き、「腹が鳴る」そこから欲求とお腹がすいたという不快感が湧き出ます。排泄もそうですね。「トイレに行きたい」これはモヨオしている状態であり、あらゆる情動が生まれます。もちろん脳は「生きるために考える」中枢であり、今の時代は情報過多によってパンク寸前なのかもしれません。腸管はまさに生きるための根源的欲求、本能にまつわる器官と言えます。

果ては、東洋医学への導入として腸管を理解することで、新たなコンセプトを構築する序章となることを期待しましょう。

参考図書: 山口 創著:腸・皮膚・筋肉が心の不調を治す.さくら舎
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