腸骨PI屈曲とPI伸展

仙腸関節の機能障害


骨盤と仙腸関節はお互いが、お互いを補正し合いながら成り立っていることがわかります。骨盤が前傾しているように見えても、実際には仙腸関節では後傾していることがあるからです。骨盤の前傾には腰椎の前弯が伴うことはうけあいですが、その腰椎の前弯に腸骨のPIが伴うとは、普通は考えません。普通に考えれば、このような現象はあり得ないと思ってしまうからです。
しかしながら、実際には仙骨に対して腸骨がどのような位置関係にあるかと言われると、その限りではないことがわかります。
腰は反っているが、厚底靴にてピタピタと歩いている様をよく見るように、骨盤の前傾に腰椎の前弯が伴っていて、ピタピタ歩きこそあり得ないでしょう!となるのです。
つまりは相拮抗する作用が骨盤内に生じていなければ、このような見た目と動きのギャップは起こり得ないのです。
そこに仙腸関節という、ひずみやたわみを干渉するかのようなメカニズムを持った器官があるのです。

仙腸関節の基本は腸骨主動の表現としては、ASとPIになります。つまり前上方のAS.、後下方のPI..です。これは相対的な位置関係としての、定量ではなく定性的な表現になります。

このPIですが、臨床においては同列では扱えない事象に出くわします。確かにPSISが後傾していることを表象してはいるのですが、仙骨との溝の深さに差があるのです。
これは両側が仙骨に対して相対的にPIしている場合、その中でも動態に左右差があるのです。もちろんPIとしての絶対量の差もあるのですが、後下腸骨棘PIIS高位の仙腸関節の溝に左右差があるのです。

これは何を示しているかというと、仙腸関節におけるPI腸骨には、さらに分類できるアライメントがあるということなのです。この動態の内訳は、坐骨が前方位にあるということで一致をしています。
そしてPIIS高位の関節面の溝は隙間があるので押すと独特の痛みが出ます。隙間に差し込まれたような違和感ですね。

この二つのPIについてPI屈曲と伸展と表します。つまり分けて考えてもらった方がいいということです。PI屈曲は坐骨が前方位にある場合、つまり股関節の屈曲と同じ運動方向になります。PI伸展は従来のPI.つまり腸骨の後傾になります。

本来は恥骨結合を軸とした場合、PI屈曲は起こりえないということになります。恥骨結合は軸として存在していると定義すると、PIはPI伸展になります。

しかしながらPI屈曲は存在します。そのメカニズムについて考察していきたいと思います。
座位において坐骨が前額面上同一面に存在しているとしたならば、PI伸展しかありえません。もしPI屈曲があるとすると、仙骨が背面に飛び出さなければならないからです。ということは、PI屈曲は坐骨の位置が問題となります。坐骨の矢上面での前後関係が存在するということです。

仙腸関節は元来、荷重下における重力線との関係においてその動態は決まってきます。仙腸関節の動態を閉鎖系だけてみて徒手療法にてアプローチするという方法は、実は地球上に暮らしているという前提が抜けているのです。
この前提が抜けていると、アプローチは閉鎖系になり、動きのコントロール、能動的なコントロール、予防につながらないのです。
どんなにボディワークをやっている人でも、仙腸関節のアライメントが良くない人はいます。つまり、全てはどのようにエクササイズするか、徒手的にアプローチするかという前に考慮しなければいけない問題があるのです。
それが立つ、座る、歩くといった人間の基本的動作能力に立脚した考察が足りないからです。

骨盤輪のなかでの閉鎖系と、重力下における空間のなかでのアライメントとはかなり見え方が違ってきくるということです。
本来は、閉鎖系のなかではPI屈曲は恥骨結合がズレなければ起こりません。セミナーにおいても座骨が前に滑っていタイプの人は引きずり出さなければいけないと解説しています。
ただしそこに座り方という考え方を入れます。
研究きおいては、その前提として、被験者の立ち方における基準を設けなければなりません。
爪先の向きや、足幅です。少なくとも前後にずらしていいとはなりません。
しかしながら、臨床で大切なのは、その前後なのです。自然な姿勢か前後ならば、パラレルな足位は不自然となります。すでに不自然な姿勢は、一つの新たな適応を生み出さなければならないわけで、自然な立位をみているようで、正しい足位という定義にて別の姿勢を見ていることになります。

つまり、見た目上、脳卒中の患者さんのように、座骨の位置が前後している場合はよくあります。
そのような場合の表現としてPI屈曲が起こりやすい環境なのです。
本来は恥骨がずれることで起こるであろう、PI屈曲はPS腸骨ともつながってきます。PS腸骨は明らかに機能障害としては進行形ですので、PI屈曲はその中間と言ってもいいでしょう。つまり坐骨を前後にずらしているからこそ、仙腸関節にかかる重力線の通るラインが必然的に変わるわけで、応力に差が出てくるということです。
恥骨結合が上下にずれてしまっているのは、PS腸骨。しかしながら恥骨結合の中での軸回旋は保たれているものの、恥骨結合の中での後ろに回旋するか?上方回旋するかという違いです。恥骨結合のど真ん中に芯があって、くるくるきりのように回っているのであれば、この定義は当てはまりませんが、この恥骨結合そのものにPI屈曲と伸展という定義を当てはめるならば、この論理は成り立つということになります。

つまり腸骨が後傾しているパターンと、座骨が前にズレている場合の二種類をPI屈曲・伸展の表現を使うとマッチングする動態があるのです。そして、それは日常生活動作との関係性を説明するためには、必要不可欠な定義なのです。
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