仙腸関節不安定症のためのアプローチ

理学療法と整体の違い

 仙腸関節は閉鎖力と閉鎖位という理解と解釈が必要です。つまりダイナミックなコントロールができなければ、仙腸関節のリハビリテーションにおいて、段階的なステージを踏めないからです。
 つまり、仙腸関節への徒手療法にて楽になるというレベルでは日常生活への復帰も難しいからです。
ここでは仙腸関節不安定症において、必要なダイナミックなコントロールについて言及していきます。
 
 仙腸関節に対する徒手療法
 仙腸関節と言えば、歪みやズレに対して調整するという発想になります。そこには整体というイメージが浮かびます。いつのまにか仙腸関節とはズレを治すものだと、ちまたに広まっているのです。いわゆる治療家と呼ばれる人たちの専売特許にもなっています。
 理学療法においては仙腸関節と言えば、副運動やmobilityを拡大するという概念になります。それは運動連鎖として、仙腸関節が全ての四肢の運動において関わっているという証でもあるのです。
 同じ骨盤でも整体という発想と、仙腸関節の副運動を出すという考え方があることの整合性をどのようにするのか?その分別と適応とメカニズムについて医療従事者としては明らかにしておく必要があります。

理学療法士なら、骨盤の調整は誰にやっても効果的だからやる、頭蓋仙骨は誰にも必要だからやる、という発想はやめてもらいたい。
調整とは整体とは、何のメカニズムが、働いて良くなっているのか?
少なくとも私が関わっているカイロプラクティック徒手医学会は、学会発表をしてその効果とメカニズムを検証しようとする地道な作業をしていますよ。
学術をないがしろにして、というよりやったことがない、できないと言った方が正しいだろう。
それが、結果が出る、ゴッドハンドだというだけで、大きな顔をするのも、既に医療でも理学療法でもない。
徒手療法では、既に日本の理学療法士は後塵を拝しているなかで、学術もリスクも効果機序も、医療の中での説明もせずに、レベルの低い昔話の時代の考え方に戻っているのです。
後進だからこそ、レベルが低くても感心してもらえるのです。海外の国際的な資格とされているコースは、流石に歴史と研鑽が積まれているため、もちろんレベルの高さと、さらにこだわりと誇りを感じます。ただ脳科学的な視点からは、まだまだの感が否めません。
あくまで骨格筋系にとどまっているように見えます。
これは理学療法とオステオパシーと東洋医学などの理念の違いがあるので仕方ありません。
あくまで、理念が何か?理学療法はリハビリテーションという理念の元に成り立っているからです。
健康とホメオスターシスと、現代医学の医師の理解の中で、理学療法が内科的にダイレクトに治せるとは定義されていないし、また何も検証されていないからです。開業していれば、箱の中での完結になりますから、裁量は全て個人に委ねられます。個人レベルにて治すことに専念できることが、予防につながるか?時代は変わり、2025年には団塊の世代がこぞって75才に到達するという時代において、国の施策が昔とおなじわけがなく、国の医療費と国家戦略によって貢献できる職種こそが、未来のタスキをつかむことができるのです。
そう言った意味において、現段階まで開業権がなくて良かったと思います。もし開業権があると、間違いなく個人事業主の集まりがまとまるはずがないからです。大きなものに巻かれる必要も、医師の指示も、病院の方針も関係ないからです。ある程度従順に向ける職業だからこその組織率であり、国からの施策が降りてくるのです。
医学部並みの教育とレベルと、また医師とは違うリハビリマインドと地域の意識と、今までに無い医療従事者としての人格をもって、世にアピールするのです。
その貢献と審査に通って、さらに定期的な免許の更新と第三者機関からの監査によってのみ、統制と資質が維持できるのです。
開業権は自分の手にした権利だと言わんばかりに、振る舞う理学療法士は間違いなく迷惑になります。


医療とは、いいものを直ぐに使うという発想から一線を画すものでなければいけないからです。医療があぜ道に生えている薬草がいいからといって処方しますか?
 たまたま道ばたで生えていたものを、とってきていきなり飲ませるということはできないはずです。
よって、大切なのは思考過程ということになります。また臨床症状や所見がある場合、どのようなことが考えられ、そのための選択肢としては何が選ぶか。そして、どのように理解と納得を促すか?おもむろに一律的な施術に終わらないことが医療への価値として高めるのです。つまり徒手療法から徒手医学に昇華するためには、医学とはなんなのかということを自問自答しながら取り組むことが大切なのです。

 では福運動を促すmobilization的な考え方と、骨盤を矯正するといった整体では一体どこに功罪があるのか?

 動きにつながるのは刺激の量の多さに比例します。楽になるのは比例しません。そっと触るだけでも楽にすることはできます。それは相対的な刺激量によって、効果が出るからです。

どこにアプローチをするのか?
どのような病態に対して何を用いるのか?
時期に応じて、どのようにリハビリを組み合わせるか?
患者の機能障害に対する、意識と理解は足りているか?
システマティックにビルドアップ、効果を加算していけるか?

その場で楽になることで完結させることが、いかに意味がないことかがわかるでしょう。
実は臨床家には2通りのタイプがあります。
一発でよくする方法!を求めるタイプ
積み重ねながら、生活や動きをコントロールしながら、徐々にリリースさせていくタイプ。
前者は整体!
後者はニューロリハビリテーション!
が代表となります。
脳卒中の麻痺を、一日で動くようにはできません。それも全ての患者を。一度成功しても、何故良くなったのか?を検証できなければ応用できません。

ということで、真のリーダーシップをとれる理学療法士の新しいスタイルをこれから創造して行くのが、皆さんの役割になります。
わかってくれない、理解してくれない、若いものがレベルが下がっていると思われている皆さん!
奮起しましょう!!
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