運動連鎖道場熊本ファイナル

インソール



先週の土、日曜になりますが、熊本での運動連鎖道場が修了しました。
全七回のシリーズで、今月がファイナルでした。インソールを道場の中に入れるのは、あまり無いのですが、やはりインソールのニーズはとても高いといえます。
ただし、運動連鎖アプローチ協会の提唱するインソールにもメリットがあれば、デメリットもあります。

ズバリ、デメリットから言うと、商品価値としては低いということです。
商品価値とは、つまり完成度のことです。商品とは見栄えや耐久性そしてアフターケア、そして再現性などです。
先ず海外のメーカーや、業者の作るインソールは、明らかに流通するためのノウハウが反映されています。
商品としとの価値の宣伝と説得力!
臨床家の説得力は、よくなるかどうかだろう!と言いたいところですが、何度も言うように、その良くなるに当てはまるカテゴリーに入る患者ばかりではないのです。良くならない適応外のタイプの人は山ほどいて、そこにはバイアスが入ることで、目を向けない、認識しないように、無意識のうちに操作をします。
甘美な美酒の余韻に浸る!

あえてマイナス面を認識することで、ストロングポイントがわかるのです。そして、どのように使い所を見定めるか!という、ポイントが分かるのです。

どんなに素晴らしい技術も安っぽく見せてしまうこともできるし、より価値のあるように見せることもできます。
誇張もありーの、安売りもありーの、ブランドがより目抜き通りで、それなりの箱物で、スタッフも身なりや接遇がしっかりと教育されているのは、上質の空間にて上質のおもてなしがあってこそ、よりブランド力が上がるのです。

ジュエリーを扱うお店も、ショップと言ってしまえば安っぽくなります。

其れ相応の中身と見せ方のバランスが取れていることで、はじめて価値が保たれるのです。

しかしながら、医療は必ずあらゆる可能性やリスクも説明してのインフォームドコンセプトがあります。
いいことばかりを並べて治療を施すのは、もはや詐欺まがいと言われても仕方ないでしょう。
商業主義と医療の違いは、論拠のない、誇張広告をしないということなのです。

さてインソールですが、靴屋さんにて作製する本格的な道具や設備、そしてそのインソールに対する費用対効果!
現状では日本の制度内にある病院では、制約が多すぎてその価値を労力を対価として還元できるに至っていません。

また完成度や耐久性など、サービスならともかく、本格的に高額の値段をつけて技術料をとるには、雨に濡れてしまってボロボロになるとか、しばらく使っていたらへたってしまうとか、洗濯できないとか、本来は素材の吟味やアフターケアまでが揃って商品となるのです。
リハビリの業界にて扱っているのは、インソールを削りだしにて、中敷の下に貼り付けます。そしてチップやパットを貼り付けていきながら完成度を高めます。

この完成度は機能的な視点であり、商品として陳列できるような価値としてのではないということです。

また医療というならばその効果やコンセプトが蓄積されて反映されていなければいけません。しかしながら、日本の理学療法におけるインソールは、作用機序は示されているものの、欧米なみのマルチデータ化からは遅れている。

データの集積によるマニュアル化のインソールが科学になり得ているかというと、実は効果の程はさほどでもない。

医療の診断や治療効果は100%を目指しているものの、実際には薬の作用をみても必ずしもそうではない。
ましてやマニュアル化による身体機能に対するフォーマットこそ、効果のでる確率はどんどん下がる。
建前はマニュアルでいいでしょう。実際は臨機応変でなければいけません。

では、セミナーなどでは簡単にいかにも効果が出るように錯覚するのは何故か?
それは、一般健康人を対象としているからです。そして不定愁訴を対象としているからなのです。
不定愁訴は気持ち一つでも変わる可能性があり、プロトタイプのアプローチにて対応可能です。
つまりエステやマッサージやアロマなどの癒し系のアプローチにて、全て何らかの効果がでるからです。
現に、何かしらの効果が出る事は明らかです。しかしながら、それが医療現場にて点数をとってできるか?と言われると無理でしょう。
医療には国家資格がなければできないテリトリーがあり、それを不公平だと主張しても仕方有りません。民間でもしっかりとやっている団体や分野は多々有りますが、それをもって優れているとして医療にて転用してもいいということにはならないのです。
その不定愁訴の改善において優れいてるという言い回しもできると思いますが、リハビリにてやることではありません。そのような分野に興味をもっているということと、それを声高に必要不可欠だと言い回すのとではわけが違うのです。
まずは効果が出る方法として治療方法をマニュアル通りに教えるという発想は、飛びつく人はいるでしょうが、医療の専門家としての価値を貶めるだけでなく、医療の本文を履き違えてしまうことになりかねない。

医療であるならば、ケースバイケースに対応できなければならないのです。高齢者や診察を経て患者としてリハビリにくるひとは、プロトタイプにてやり過ごせるほど甘くはない。
別の考え方として、ある意味エビデンスの極みは、パターン化とマニュアル化であるとする向きもある。
残念ながら何故問診や既往を聴取して、スクリーニングしていくか?そして長期的な効果はどうか?患者を診ずして、疾患を見るフォーマットでは、もはや医療、士業ではない。臨床思考過程が伴わなければ、発展も未来もない。

さてインソールの話でしたね。

インソールはご存知、入谷先生が道をつくってくださいました。
入谷先生がいなければ理学療法士がインソールをするという発想はかなり遅れたでしょう。
欧米ではシューフィッターやフットケアなどの専門家が既にいます。その教育課程や研鑽にくらべると、リハビリ専門家がやるインソールは機能的な分野に特化してものと言えます。商品勝ちや流通やということではなく、治療の一手段として非常に有効である武器となります。
その文化や理念として魂を継承していくことは大切です。
しかしながら、本当の意味での文化とするならば、さらにその枠を超えた人がでてくることが必要です。一流スポーツ選手に信頼されて圧倒的な支持を得ているというだけでなく、我々の仕事の新たな必須ツールとして高める努力です。カナダでは理学療法士が鍼を打てると聞きます。欧米では学会にて鍼の部門があるぐらいだそうです。日本では独自に鍼灸師がいるので、これは無理な事でしょう。しかしながらインソールは新たなライセンスとして進化させることができるのではないでしょうか?職人的な極みをもっての求心性があるうちに、より汎用性のある方法へと進化させるのです。そして、それが学校教育にて先ずは何コマだけでもいいのでレクチャーをして、そして実際にはアドバンスコースなどで卒後にフォーマット化するのです。それが国の認可を得れば、医療のなかにて併用できるようになれば、本当の意味での定着となるでしょう。
一人の名人芸というだけで伝説になってしまうと、それは伝記として語り継がれるとしても薄れてしまう事は否めません。

さて運動連鎖アプローチにて提唱するインソールは、歩行はもちろんみますがあくまで効果指標としてであって、実際に歩行の何かをみてパッドなどを入れるという作業手順にはなりえません。
歩行分析は大切ですが、その見方の一律化と絶対的な何かがで出来ていないのは、余りにもその見え方や見る視点と、実際の患者自身の自覚的な感覚がまちまちだからです。観察的な歩行分析という分野や専門家が伸びてこないのは、やはり何をもって何を基準として正しいかということが分からないからです。
よって歩行分析は良いか悪いかを判断するにとどめ、そこから足底のどこにどれぐらいの厚さと大きさにて挿入するかは分かりません。パフォーマンステストなどにて評価をして、そのパフォーマンスが改善することによって、身体の運動連鎖や歩行に反映させるというスタンスが大切です。
あとはここに入れれば絶対に身体機能の改善が得られるという部位の選定です。既に良くなることが分かっている部位を評価して、歩行はどのように変わるかをみるということです。

前提としては悪くならないものを入れるということです。
良くなるものを入れるではなく、これは最低限必要な原則です。
物理的な操作を加えることができるのがインソールの武器であり、それは理学療法士にとって唯一無二の方法となるのです。よって物理的な侵襲とは言わないまでも、構造的にダイレクトに影響を与える事ができる手法は、手術でも注射でも時に劇的な効果と、そして時に重大な副作用をもたらすこともあります。
それだけ責任が生じるのが侵襲性なのです。
例えば手術にて、フォーマットだけを覚えてその通りに終れるものがどれだけあるでしょうか?
リスクも急変もあるなかで、予想だにしない病態が開けてみればわかることもあるでしょう。
理学療法において、それをやれば結果が出るという発想がいかに愚かかということがわかるでしょう。
所詮はその程度のレベルだと口外しているようなものです。

よって良くしてやろうと気負うのではなく、悪くしないというスタンスにて臨む事です。100%良くなるという方法はないでしょう。だからこそ、リスク優先の考え方ができることで、結果的に治療効果の率を上げる事につながるのです。医療とはそういうものなのです。


熊本では全七回の道場が終わり、多くの疑問を共有しながら研鑽をつむことができました。
この場を借りて、受け入れをしていただいた松田さんを始め、スタッフの皆様に感謝いたします。
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