肩関節機能障害の運動連鎖パターンと効果的なアプローチの考え方とは?

肩関節周囲炎は何故難しいのか?

 肩関節機能障害はいつみても難しいと思わされます。それも20年以上もみてきた肩関節周囲炎、いわゆる50肩と呼ばれる病態です。
 セミナーなどでも腕の上がりが改善するという現象はそれほど難しいことではありませんが、肩関節周囲炎においてはそんなに速攻で治ることはありません。impingeのような病態であれば、運動学的な問題による不適合を是正することで緩解することも多いですが、周囲炎となるとそうはいきません。

 解剖や病態については、これまでも多くの知見が出ており、ここでおさらいするまでもないでしょう。もちろん肩関節学会や肩関節の運動機能セミナーなどでは、日々当たらしい解剖学的な知見や骨形態に対する発見が報告されているようで、それはそれで今まで理解できなかった病態についての改善の指標を与えてくれるでしょう。
 胸郭ー肩甲骨ー上腕骨
 脊柱ー仙腸関節
 前腕
 姿勢ーアライメント

などなど見る視点を広げればどこまでも拡大して行きます。

 東洋医学
 内蔵

などにもアプローチをもとめることができます。

しかしながら、残念ながらそれでは運動連鎖の機能障害パターンを再構築することはできないのです。

筋肉をほぐす、筋肉を促通する、ストレッチする、脊柱のmobility、仙腸関節のmobiity、体幹のstability、姿勢矯正、整体的に全体的な補正

この上記にアプローチのほとんどが集約されるはずです。多少表現が違ったりしていても、おそらく変わらないでしょう。

身体イメージ、身体感覚、細分化、

認知的なアプローチもありましたね。

軸、脱力などなど bodywork的な視点もありますね。

このようになんでも上げていくと、別に肩関節に限らずのアプローチになります。
なんでも普遍的に身体機能の改善に関わってくるものばかりです。

より遠隔で直接的でない、発想とアプローチであればあるほど、人はびっくりして凄いと言いたくなります。
しかしながら、このカラクリは直に溶けてしまいます。それは何故か?ただのマジックだからです。
その場でその時に入れた感覚入力が脳に取って喫緊の刺激になるからです。よって、微々たる刺激であっても最後に入れた刺激が記憶に残りやすくなるものです。

なんでも、オオトリ!メインイベントは最も注目を浴びることになるのです。だから余計にメインを張るべき人が選定されるのでしょう。最初にやったほうが印象が残るのであれば、スタートにメインイベントが来るはずです。しかしながら脳は、古い記憶の上に新しい記憶が上に重なっていくようになっているのです。

これがカラクリの種明かしです。

やがて、その刺激はもともと持っている身体機能や身体表象に押し戻され、結局元に戻るのです。その場、その瞬間、限定になるのはそのためです。人はその現象をみて、奇跡だと信じ込んでしまうのです。

しかしながら、肩関節周囲炎は大抵は中高年の退行性変性疾患です。長年の積み重ねにて徐々に傾いていくことで、やがてコップの水が溢れ出してしまった時に、痛みと運動制限として発現するのです。溢れたものを、すくうだけではその場限りです。退行性変性疾患とは、コップに水が溢れんばかりに入っている状態なのですから!

上記のあらゆる方法で何かしら楽になるのは確かですが、その方法にて良くなったのではありません。どの方法でも何かしら良くなるのであれば、それは共通した法則があるはずです。つまり、各種治療方法は対象とする軟部組織も、媒介が違いながらも、結果的に良くなり改善するのです。結果的に痛みが無くなり、可動域が改善するとしたならば、結果は同じです。肩関節周囲炎において、痛みと動きが改善する以上の改善は別に患者自身が望まないからです。

その法則とは何か?

過去の記憶の刷新です!

ん!?と思った方も多いでしょう。

その真理は何か?

どのような治療法であっても、人間の持っている一つのシステムにフォーカスを当てて、アプローチしているだけなのです。

そしてその各種方法は、別にセパレートしているわけでは有りません。もともと、700万年という年月をかけて、刷新を繰り返しながら、オプションを増やしながら、適応と進化を遂げた結果、地球を闊歩することになるホモサピエンスになり得たのです。ネアンデルタール人は何故滅びたのか?という疑問は残っているようですが、環境への適応というキーワードがあるようです。その適応の過程において、社会構造だけでなく、人の恒常性を保つためのメカニズムも進化していったことでしょう。

 各種治療方法が全く別ものかのように体系化されていますが、所詮は人間のシステムの中にあるもの。折り重なって、補完しあっているのです。一つの身体部位や一つの作用だけでなく、あらゆるシステムを兼用しており、何か一つの機能を失っても、他の機能から再生可能な余地を残しているのです。

 話が延々と太古にまでおよんでしまいましたが、体性感覚への刺激は、新しいシグナルとして伝達されます。そして、既存のプログラムを書き換えようとします。その刺激方法が違うだけで、結果的に問題を起こしていたプログラムを刷新し、新しい音符に書き換えることにおいては同じなのです。これが全ての治療方法に通じる法則です。

 漠然とした話から肩関節に戻しますと、この肩は運動学的なシステムの占める割合が大きく、よって運動連鎖の何らかの刷新が不可欠なのです。もちろん一瞬のアプローチにて改善するうようなパターンもありますが、それも結果的にはプログラムの刷新によるものです。しかしながら、運動学習的な要因が高い、肩関節周囲炎においては、単一の媒介を通しての徒手療法だけでは難しいのです。現に腕が上がったとしても、角度を測ると180度というわけではなく、体幹の傾きなどで代償した結果の120度ぐらいだったりするからです。それでも患者さんにとっては、楽になっての挙上ですから、それはそれで感謝されるのですが。
 
 もう一度肩関節挙上の代償動作を振り返ってみよう。

 肩甲骨の挙上
 体幹の側屈
 頭頸部の屈曲と回旋
 重心の変移
 末梢からの運動パターン

 などなど、

 これを、肩甲上腕関節に対して、もしくは肩甲骨に対して、もしくは体幹に対して、単一にアプローチしたとしても、実は代償動作そのものは全身を使っての事ですから、報われない事が多いのです。
 手が千手観音のように、多部位を同時に連動してアプローチできれば、運動連鎖パターンの改変が容易に出来るでしょう。しかしながら、これは無理なので別の方法を考えなければいけません。
 肩関節は上腕骨頭が肩甲骨の関節面よりも大きく、不安定であるという前提があります。また肩甲骨も周囲筋によって吊り下げられているようなものです。痛いという意識一つで、全身の身体反応は不安定な肩関節に伝播するのです。

 発想の転換
 肩関節周囲炎の悪しき運動連鎖パターンを根本的に変えて、尚かつ新しいプログラミングへの刷新をできるコンセプトとは何か?

 ズバリ言うわよ!マツコか!なんとか占星術か!と突っ込みをしたくなりますが、

 末梢固定の中枢アプローチ
 これが発想の転換であり、上記の二つの要因を満たすコンセプトになるのです。
 具体的にいうと上腕骨を支点として、肩甲骨~体幹~骨盤~下肢を動かすという事です。

詳しくは、おっと・・バッテリーが無くなってきたので、詳しくは講習会にて・・・

see you again
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