糖尿病治療の最前線

糖尿病

厚労省は9月、将来1500万人になると考えられる糖尿病患者数を、予防で500万人に減らそうという数値目標を発表しました。
 糖尿病は遺伝的要素も関係しますが、環境因子が非常に重要です。過食、運動不足、肥満です。
肥満になると、血圧が高くなり、中性脂肪や血糖も増えます。太るだけで動脈硬化症につながる複数の要因が集まってきます。このような病態をメタボリックシンドロームで、心筋梗塞や脳卒中の要因となります。
 若い女性の痩せ願望も問題です。妊娠中も十分栄養をとらないと、胎児が栄養不良状態で育ち、肥満児になりやすくなります。結果、糖尿病や生活習慣病を発症しやすくなります。
 食生活の変化により、特に動物性脂肪の摂取量が増えてことも、糖尿病を増やす要因となっています。
インスリンの働きを悪くするからです。

 糖尿病の予防
 食事では食物繊維を最低でも一日20グラムはとりたいですね。コレステロールの吸収が抑制されます。キノコ類、海藻類、野菜類は低カロリーで食物繊維を多く含んでいます。同じものを食べても、炭水化物を先に食べると血糖値が上がってしまいますが、野菜から食べると食後の高血糖が抑えられます。
 運動も動脈硬化と糖尿病予防に効きます。アルコールの摂取や禁煙にも気を付けなければいけません。

 糖尿病患者は正常な人と比べ、心筋梗塞、脳卒中のリスクが3倍になります。糖尿病の予備軍でも、同2倍になります。糖尿病は他の危険因子が合併しやすく、高血圧になりやすい傾向があります。日本食はヘルシーと有名ですが、塩分が多くなります。ようは、糖尿病患者は血糖値だけでなく、脂質や血圧もコントロールしなければ動脈硬化が防げないということです。

糖尿病治療薬
 経口薬では、2009年にDPP-4阻害薬が出て、治療の中心になっています。血糖改善に効果があるホルモンを増やす薬で、このホルモンを壊す酵素を阻害してホルモンの濃度を上げます。食前血糖だけでなく食後血糖も下げるので非常に効果的です。日本で多く使われている薬で、欧米人よりもよく効くそうです。経口薬を使うかインスリンを使うかは、ヒトによってその時期が変わってくるようです。インスリンは血糖値を下げる唯一のホルモンですので、効きすぎての低血糖以外は副作用がありません。インスリンは早期から使っていいことは分かっているようですが、実際には初期から使う場合は稀です。しかしながら、インスリンが最後の手段というわけではありませんので、その辺りの認識は是正が必要です。実際には経口薬が効かなければ、インスリン注射を選択するという流れが一般的のようです。

基本は健康食
 総カロリーが少ないということを除けば、基本的には健康食ということです。決して糖尿病食は特殊ではないということです。

糖尿病と高血圧
 糖尿病はがんになりやすく、確立が1.5倍〜2倍と言われています。高血圧も2倍発生率が高くなるそうです。
インスリンが効きにくい状況は肥満など、共通因子が多いのです。やはり、食事と運動療法が大切になるのです。痩せる事で、薬がいらなくなるケースは沢山あるからです。

コレステロールのコントロール糖尿病の患者さんは、血圧も体重もコントロールすることが大切になります。一番効果が出やすいということでは、悪玉コレステロールを下げることです。次が血圧です。一番時間がかかるのが血糖となります。

まとめ
 糖尿病の治療は結局は生活習慣病ですので、生活習慣の改善なくしては治らないのです。薬物療法でのコントロールはとても大切で、自己判断で止めてしまい、合併症が進んでしまって取り返しのつかないことになる人も多いのです。
 糖尿病の患者さんは、6年前で890万人、現在1000万人いると言われています。糖尿病の治療をしていると言われている人は、890万人のなかで60%あまり。糖尿病学会の専門医は4000人弱でありとてもカバーしきれません。各種治療薬を服用している場合、その飲み方の指導などは調剤薬局にて服薬指導を受けたり、自ら治療に参加していく姿勢が大切なのです。

(読売新聞2013年11月13日朝刊よりまとめ)
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