肩甲骨の評価と機能

肩甲骨のprotractionとretraction

 肩甲骨のprotraction 上肢を90°拳上して前鋸筋を使って、肩甲骨の外転運動をすることをいいます。この運動は私が理学療法士になったころから脳卒中の理学療法において常用されているテクニックです。整形の分野でも野球選手のピッチングにおいても、肩甲骨のstabilityという観点にて必ずチェックする動きでしょう。
 この肩甲骨のprotractionを抗重力にて行うことで、体幹の動的な平衡バランスを伴ったstabilityのエクササイズが得られます。
 まず両手を合掌して肩甲骨のprotractionをすることで、姿勢制御を活用することができます。つまり両手を合わせることで胸郭の前方への拡張が制限されます。呼吸にて繰り返すとわかりますが、胸郭の前方への拡張が制限されることで背側への入りが良くなります。つまり普通に深呼吸をすると前方に体重移動することになりますが、合掌することで後ろに重心がかかりやすくなります。つまり、吸気に伴い胸郭の背面に入りやすくなります。しかしながら胸郭お背側の拡張は猫背になってしまい姿勢はラウンドバックになってしまいます。そこで仙腸関節への拡張へ意識を持っていきます。つまり臀部が後ろに引かれるような動きが入ることにより腰部骨盤帯の伸張性が得られ、合目的なstabilityが得られるのです。


 合目的なstabilityとは、動作や姿勢に最も適した活動ということです。両手を合わせることで左右のバランスがとれた刺激になり、調和がとれるというメリットもあります。

肩甲骨のretraction肩甲骨の外転、つまり引く動きとなります。この動きは一般的にはあまり推奨されないというか、日常生活において特に必要性を感じない動きです。むしろ悪い癖というようなものがでてきます。よって、例えばピッチングにおいてはこの引き込む動きは、好ましくないと思われます。引き込む動きは野球におけるボールのリリースの妨げになるからです。制動のレベルであればいいのですが、引き込むのは良くないということです。


 逆に言えば良くないパターンをあぶりだすには最適な動きと言えます。また代償動作なしにこの肩甲骨のretractionができれば、正しい肩甲骨の動きができているということになります。肩甲骨のprotractionとretractionはどちらかが良くても不十分であり、むしろ両方を評価することによってその差を検証することが効果的なのです。
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